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日本国憲法の改正手続に関する法律

平成19年法律第51号

第1章 総則

(趣旨)
第1条 この法律は、日本国憲法第96条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について、国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに、あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。

第2章 国民投票の実施

第1節 総則

(国民投票の期日)
第2条 国民投票は、国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和22年法律第79号)第68条の5第1項の規定により国会が日本国憲法第96条第1項に定める日本国憲法の改正の発議をし、国民に提案したものとされる日をいう。第100条の2において同じ。)から起算して60日以後180日以内において、国会の議決した期日に行う。
2 内閣は、国会法第65条第1項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは、速やかに、総務大臣を経由して、当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
3 中央選挙管理会は、前項の通知があったときは、速やかに、国民投票の期日を官報で告示しなければならない。
(投票権)
第3条 日本国民で年齢満18年以上の者は、国民投票の投票権を有する。
第4条 削除
第5条 削除
(国民投票を行う区域)
第6条 国民投票は、全都道府県の区域を通じて行う。
(投票区及び開票区)
第7条 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第17条及び第18条の規定は、国民投票の投票区及び開票区について準用する。
(国民投票の執行に関する事務の管理)
第8条 国民投票の執行に関する事務は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、中央選挙管理会が管理する。
2 公職選挙法第5条の3から第5条の5までの規定は、国民投票の執行に関する事務について準用する。
(国民投票取締りの公正確保)
第9条 公職選挙法第7条の規定は、国民投票の取締りに関する規定の執行について準用する。
(特定地域に関する特例)
第10条 交通至難の島その他の地において、この法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の規定を設けることができる。

第2節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知

(協議会)
第11条 国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については、国会法に定めるもののほか、この節の定めるところによる。
(協議会の組織)
第12条 協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は、協議会が存続する間、その任にあるものとする。
2 委員の員数は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各10人とし、その予備員の員数は、当該発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各10人とする。
3 委員は、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任する。ただし、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは、各議院において、当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。
4 前項の規定は、予備員の選任について準用する。
5 委員に事故のある場合又は委員が欠けた場合は、憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が、その委員の職務を行う。
(会長の権限)
第13条 協議会の会長は、協議会の議事を整理し、秩序を保持し、協議会を代表する。
(協議会の事務)
第14条 協議会は、次に掲げる事務を行う。
 国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成
 第65条の憲法改正案の要旨の作成
 第106条及び第107条の規定によりその権限に属する事務
 前3号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務
2 協議会が、前項第1号、第2号及び第4号の事務を行うに当たっては、憲法改正案及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明に関する記載等については客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見の記載等については公正かつ平等に扱うものとする。
(協議会の議事)
第15条 協議会は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ7人以上出席しなければ、議事を開き議決することができない。
2 協議会の議事は、出席委員の3分の2以上の多数で決する。
(協議会事務局)
第16条 協議会に事務局を置く。
2 事務局に参事その他の職員を置き、参事のうち1人を事務局長とする。
3 事務局長は、協議会の会長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の職員を指揮監督する。
4 事務局長以外の職員は、上司の命を受けて、庶務に従事する。
5 事務局長その他の職員は、協議会の会長が両議院の議長の同意及び両議院の議院運営委員会の承認を得て、任免する。
6 前各項に定めるもののほか、事務局に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
(両院議長協議決定への委任)
第17条 この節に定めるもののほか、協議会に関する事項は、両議院の議長が協議して定める。
(国民投票公報の印刷及び配布)
第18条 協議会は、第14条第1項第1号の国民投票公報の原稿を作成したときは、これを国民投票の期日前30日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。
2 中央選挙管理会は、前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは、速やかに、その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。
3 都道府県の選挙管理委員会は、前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは、速やかに、国民投票公報を印刷しなければならない。この場合においては、当該写しを原文のまま印刷しなければならない。
4 公職選挙法第170条第1項本文及び第2項の規定は、国民投票公報の配布について準用する。この場合において、同条第1項中「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは「投票人名簿」と、「選挙の期日前2日」とあるのは「国民投票の期日前10日」と、同条第2項中「選挙人」とあるのは「投票人」と読み替えるものとする。
(国民投票の方法等に関する周知等)
第19条 総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票に際し、国民投票の方法、この法律に規定する規制その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。
2 中央選挙管理会は、国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。
3 投票人に対しては、特別の事情がない限り、国民投票の当日、その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。

第3節 投票人名簿

(投票人名簿)
第20条 市町村の選挙管理委員会は、国民投票が行われる場合においては、投票人名簿を調製しなければならない。
2 投票人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
3 国民投票を行う場合において必要があるときは、投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては、当該投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第32条において同じ。)を用いることができる。
4 第1項の規定により調製された投票人名簿は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
(投票人名簿の記載事項等)
第21条 投票人名簿には、投票人の氏名、住所、性別及び生年月日等の記載(前条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)をしなければならない。
2 投票人名簿は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、その投票区ごとに編製しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、投票人名簿の様式その他必要な事項は、政令で定める。
(被登録資格等)
第22条 投票人名簿の登録は、国民投票の期日現在で年齢満18年以上の日本国民で、次のいずれかに該当するものについて行う。
 国民投票の期日前50日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
 登録基準日の翌日から14日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって、登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
2 市町村の選挙管理委員会は、政令で定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し、その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。
(登録)
第23条 市町村の選挙管理委員会は、中央選挙管理会が定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を投票人名簿に登録しなければならない。
(縦覧)
第24条 市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿を調製したときは、中央選挙管理会が定める期間、市役所、町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において、前条の規定により投票人名簿に登録した者の氏名、住所及び生年月日を記載した書面を縦覧に供さなければならない。
2 市町村の選挙管理委員会は、縦覧開始の日前3日までに縦覧の場所を告示しなければならない。
(異議の申出)
第25条 投票人は、投票人名簿の登録に関し不服があるときは、前条第1項の規定により中央選挙管理会が定める期間内に、文書で当該市町村の選挙管理委員会に異議を申し出ることができる。
2 公職選挙法第24条第2項の規定は、前項の異議の申出について準用する。
3 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第4項、第19条第2項(第3号及び第5号を除く。)、第23条、第24条、第27条、第31条(第5項を除く。)、第32条第1項及び第3項、第39条、第41条第1項及び第2項、第44条並びに第53条の規定は、第1項の異議の申出について準用する。この場合において、これらの規定(同法第44条の規定を除く。)中「審理員」とあるのは「審査庁」と、同法第9条第4項中「審査庁」とあるのは「日本国憲法の改正手続に関する法律第25条第1項の異議の申出を受けた選挙管理委員会(以下「審査庁」という。)」と、同法第24条第1項中「第45条第1項又は第49条第1項の規定に基づき、裁決で」とあるのは「決定で」と、同法第31条第2項中「審理関係人」とあるのは「異議申出人」と、同法第44条中「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第1項の規定による諮問を要しない場合(同項第2号又は第3号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第2号又は第3号に該当する場合にあっては同項第2号又は第3号に規定する議を経たとき)」とあるのは「審理手続を終結したとき」と読み替えるものとする。
4 公職選挙法第214条の規定は、第1項の異議の申出について準用する。
(訴訟)
第26条 公職選挙法第25条第1項から第3項までの規定は、投票人名簿の登録に関する訴訟について準用する。この場合において、同条第1項中「前条第2項」とあるのは、「日本国憲法の改正手続に関する法律第25条第2項において準用する前条第2項」と読み替えるものとする。
2 公職選挙法第213条、第214条及び第219条第1項の規定は、前項において準用する同法第25条第1項及び第3項の訴訟について準用する。この場合において、同法第219条第1項中「1の選挙の効力を争う数個の請求、第207条若しくは第208条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第210条第2項の規定により公職の候補者であった者の当選の効力を争う数個の請求、第211条の規定により公職の候補者等であった者の当選の効力若しくは立候補の資格を争う数個の請求又は選挙の効力を争う請求とその選挙における当選の効力に関し第207条若しくは第208条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、「1の縦覧に係る投票人名簿への登録又は投票人名簿からの抹消に関し争う数個の請求」と読み替えるものとする。
(補正登録)
第27条 市町村の選挙管理委員会は、第23条の規定により投票人名簿の登録をした日後国民投票の期日までの間、当該登録の際に投票人名簿に登録される資格を有し、かつ、引き続きその資格を有する者が投票人名簿に登録されていないことを知った場合には、その者を直ちに投票人名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。
(訂正等)
第28条 市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿に登録されている者の記載内容(第20条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録内容)に変更があったこと又は誤りがあることを知った場合には、直ちにその記載(同項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)の修正又は訂正をしなければならない。
(登録の抹消)
第29条 市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の投票人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至ったときは、これらの者を直ちに投票人名簿から抹消しなければならない。この場合において、第2号の場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。
 死亡したこと又は日本の国籍を失ったことを知ったとき。
 登録の際に登録されるべきでなかったことを知ったとき。
(通報及び調査の請求)
第30条 公職選挙法第29条の規定は、投票人名簿に登録される資格の確認に関する通報及び投票人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。
(投票人名簿の再調製)
第31条 公職選挙法第30条の規定は、投票人名簿の再調製について準用する。
(投票人名簿の保存)
第32条 投票人名簿及びその抄本は、第127条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は国民投票の期日から5年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、市町村の選挙管理委員会において保存しなければならない。

第4節 在外投票人名簿

(在外投票人名簿)
第33条 市町村の選挙管理委員会は、国民投票が行われる場合においては、投票人名簿のほか、在外投票人名簿を調製しなければならない。
2 在外投票人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスクをもって調製することができる。
3 国民投票を行う場合において必要があるときは、在外投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって在外投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては、当該在外投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第45条において同じ。)を用いることができる。
4 第1項の規定により調製された在外投票人名簿は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
(在外投票人名簿の記載事項等)
第34条 在外投票人名簿には、投票人の氏名、最終住所(投票人が国外へ住所を移す直前に住民票に記載されていた住所をいう。以下同じ。)又は申請の時(第37条第1項第1号に掲げる者にあっては投票人が公職選挙法第30条の5第1項の規定による申請書を同条第2項に規定する領事官又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した時をいい、第37条第1項第2号に掲げる者にあっては投票人が第36条第1項の規定による申請書を同条第2項に規定する領事官又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した時をいう。同条第1項及び第3項において同じ。)における本籍、性別及び生年月日等の記載(前条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録)をしなければならない。
2 市町村の選挙管理委員会は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、政令で定めるところにより、在外投票人名簿を編製する投票区(以下「指定在外投票区」という。)を指定しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、在外投票人名簿の様式その他必要な事項は、政令で定める。
(在外投票人名簿の被登録資格)
第35条 在外投票人名簿の登録は、国民投票の期日現在で年齢満18年以上の日本国民で、次のいずれかに該当するものについて行う。
 登録基準日において当該市町村の在外選挙人名簿(公職選挙法第4章の2の在外選挙人名簿をいう。次条第1項及び第4項並びに第37条第1項第1号において同じ。)に登録されている者(登録基準日においていずれかの市町村の住民基本台帳に記録されている者を除く。)
 次条第1項の規定により在外投票人名簿の登録の申請をした者(当該申請に基づき在外投票人名簿の登録を行おうとする日においていずれかの市町村の投票人名簿に登録されている者を除く。)
(在外投票人名簿の登録の申請)
第36条 国民投票の期日現在で年齢満18年以上の日本国民で、国外に住所を有する者(在外選挙人名簿に登録されている者を除く。)は、政令で定めるところにより、文書で、最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外投票人名簿の登録の申請をすることができる。
2 前項の規定による申請は、政令で定めるところにより、第2条第3項又は第135条第5項の規定により中央選挙管理会が国民投票の期日を告示した日から登録基準日(登録基準日前10日に当たる日から登録基準日までの間に国内の市町村から国外へ転出(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第15条の3第1項に規定する転出をいう。)をした者にあっては、登録基準日後7日に当たる日)までの間に、前項の規定による申請書を、在外投票人名簿の登録の申請に関し当該申請をする者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下この節において同じ。)(当該領事官を経由して申請を行うことが著しく困難である地域として総務省令・外務省令で定める地域にあっては、総務省令・外務省令で定める者。以下この節において同じ。)に提出し、当該領事官を経由してしなければならない。
3 前項の場合において、領事官は、政令で定めるところにより、第1項の規定による申請書にその申請をした者の在外投票人名簿に登録される資格に関する意見を付して、直ちに、当該申請をした者の最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(当該申請をした者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に送付しなければならない。
4 登録基準日までの間に、公職選挙法第30条の5第1項の規定による申請書を同条第2項に規定する領事官又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した者(登録基準日において同条第3項第2号に規定する3箇月を経過していない者及び在外選挙人名簿に登録されている者を除く。)については、当該申請を第1項の規定による申請とみなす。
(在外投票人名簿の登録)
第37条 市町村の選挙管理委員会は、次の各号に掲げる者が当該市町村の在外投票人名簿に登録される資格を有する者である場合には、中央選挙管理会が定めるところにより、当該各号に掲げる者を在外投票人名簿に登録しなければならない。
 登録基準日において当該市町村の在外選挙人名簿に登録されている者
 前条第1項の規定による申請をした者
2 市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日前15日に当たる日以後においては、前項の規定にかかわらず、登録を行わない。
3 市町村の選挙管理委員会は、第1項第2号に掲げる者について同項の規定による登録をしたときは、前条第3項の規定により同条第1項の規定による申請書を送付した領事官を経由して、同項の規定による申請をした者に、在外投票人名簿に登録されている者であることの証明書(以下「在外投票人証」という。)を交付しなければならない。ただし、同条第4項の規定により公職選挙法第30条の5第1項の規定による申請を前条第1項の規定による申請とみなされた場合は、この限りでない。
4 前項本文の規定により交付された在外投票人証は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
(在外投票人名簿に係る縦覧)
第38条 市町村の選挙管理委員会は、在外投票人名簿を調製したときは、中央選挙管理会が定める期間、市役所、町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において、前条第1項の規定により在外投票人名簿に登録した者の氏名、経由領事官(同項第1号に掲げる者にあってはその者に係る公職選挙法第30条の5第1項の規定による申請書を同条第3項の規定により送付した領事官又はその者に係る同法第30条の6第5項の規定による同条第4項に規定する在外選挙人証(以下「在外選挙人証」という。)の交付を経由した領事官をいい、前条第1項第2号に掲げる者にあってはその者に係る第36条第1項の規定による申請書を同条第3項の規定により送付した領事官をいう。以下この項において同じ。)の名称、最終住所及び生年月日(当該在外投票人名簿に登録した者がいずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、その者の氏名、経由領事官の名称及び生年月日)を記載した書面を縦覧に供さなければならない。
2 市町村の選挙管理委員会は、縦覧開始の日前3日までに縦覧の場所を告示しなければならない。
(在外投票人名簿の登録に関する異議の申出)
第39条 投票人は、在外投票人名簿の登録に関し不服があるときは、前条第1項の規定により中央選挙管理会が定める期間内に、文書で当該市町村の選挙管理委員会に異議を申し出ることができる。
2 公職選挙法第24条第2項の規定は、前項の異議の申出について準用する。
3 行政不服審査法第9条第4項、第19条第2項(第3号及び第5号を除く。)、第23条、第24条、第27条、第31条(第5項を除く。)、第32条第1項及び第3項、第39条、第41条第1項及び第2項、第44条並びに第53条の規定は、第1項の異議の申出について準用する。この場合において、これらの規定(同法第44条の規定を除く。)中「審理員」とあるのは「審査庁」と、同法第9条第4項中「審査庁」とあるのは「日本国憲法の改正手続に関する法律第39条第1項の異議の申出を受けた選挙管理委員会(以下「審査庁」という。)」と、同法第24条第1項中「第45条第1項又は第49条第1項の規定に基づき、裁決で」とあるのは「決定で」と、同法第31条第2項中「審理関係人」とあるのは「異議申出人」と、同法第44条中「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第1項の規定による諮問を要しない場合(同項第2号又は第3号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第2号又は第3号に該当する場合にあっては同項第2号又は第3号に規定する議を経たとき)」とあるのは「審理手続を終結したとき」と読み替えるものとする。
4 公職選挙法第214条の規定は、第1項の異議の申出について準用する。
(在外投票人名簿の登録に関する訴訟)
第40条 公職選挙法第25条第1項から第3項までの規定は、在外投票人名簿の登録に関する訴訟について準用する。この場合において、同条第1項中「前条第2項」とあるのは「日本国憲法の改正手続に関する法律第39条第2項において準用する前条第2項」と、「7日」とあるのは「7日(政令で定める場合には、郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者、同条第9項に規定する特定信書便事業者若しくは同法第3条第4号に規定する外国信書便事業者による同法第2条第2項に規定する信書便による送付に要した日数を除く。)」と読み替えるものとする。
2 公職選挙法第213条、第214条及び第219条第1項の規定は、前項において準用する同法第25条第1項及び第3項の訴訟について準用する。この場合において、同法第219条第1項中「1の選挙の効力を争う数個の請求、第207条若しくは第208条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第210条第2項の規定により公職の候補者であった者の当選の効力を争う数個の請求、第211条の規定により公職の候補者等であった者の当選の効力若しくは立候補の資格を争う数個の請求又は選挙の効力を争う請求とその選挙における当選の効力に関し第207条若しくは第208条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、「1の縦覧に係る在外投票人名簿への登録又は在外投票人名簿からの抹消に関し争う数個の請求」と読み替えるものとする。
(在外投票人名簿の訂正等)
第41条 市町村の選挙管理委員会は、在外投票人名簿に登録されている者の記載内容(第33条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録内容)に変更があったこと又は誤りがあることを知った場合には、直ちにその記載(同項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録)の修正又は訂正をしなければならない。
(在外投票人名簿の登録の抹消)
第42条 市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の在外投票人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至ったときは、これらの者を直ちに在外投票人名簿から抹消しなければならない。この場合において、第2号に掲げる場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。
 死亡したこと又は日本の国籍を失ったことを知ったとき。
 登録の際に登録されるべきでなかったことを知ったとき。
(在外投票人名簿の修正等に関する通知等)
第43条 市町村長は、その市町村に本籍を有する者で他の市町村の在外投票人名簿に登録されているもの(以下この項において「他市町村在外投票人名簿登録者」という。)について戸籍に関する届書、申請書その他の書類を受理し若しくは職権で戸籍の記載をした場合又は戸籍の附票の記載、消除若しくは記載の修正をした場合において、当該他の市町村の選挙管理委員会において在外投票人名簿の修正若しくは訂正をすべきこと又は当該他市町村在外投票人名簿登録者を在外投票人名簿から抹消すべきことを知ったときは、遅滞なく、その旨を当該他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
2 公職選挙法第29条の規定は、在外投票人名簿に登録される資格の確認に関する通報及び在外投票人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。
(在外投票人名簿の再調製)
第44条 公職選挙法第30条の規定は、在外投票人名簿の再調製について準用する。
(在外投票人名簿の保存)
第45条 第32条の規定は、在外投票人名簿及びその抄本の保存について準用する。
(在外投票人名簿の登録に関する政令への委任)
第46条 第35条から前条までに規定するもののほか、在外投票人名簿の登録に関し必要な事項は、政令で定める。

第5節 投票及び開票

(1人1票)
第47条 投票は、国民投票に係る憲法改正案ごとに、1人1票に限る。
(投票管理者)
第48条 国民投票ごとに、投票管理者を置く。
2 投票管理者は、国民投票の投票権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
3 投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
4 投票管理者は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
5 市町村の選挙管理委員会は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、政令で定めるところにより1以上の投票区を指定し、当該指定した投票区の投票管理者に、政令で定めるところにより、当該投票区以外の投票区に属する投票人がした第61条の規定による投票に関する事務のうち政令で定めるものを行わせることができる。
(投票立会人)
第49条 市町村の選挙管理委員会は、各投票区における投票人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、2人以上5人以下の投票立会人を選任し、国民投票の期日前3日までに、本人に通知しなければならない。
2 投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になっても2人に達しないとき又はその後2人に達しなくなったときは、投票管理者は、その投票区における投票人名簿に登録された者の中から2人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、投票に立ち会わせなければならない。
3 同一の政党その他の政治団体に属する者は、一の投票区において、2人以上を投票立会人に選任することができない。
4 投票立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。
(投票所)
第50条 投票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
(投票所の開閉時間)
第51条 投票所は、午前7時に開き、午後8時に閉じる。ただし、市町村の選挙管理委員会は、投票人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は投票人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を2時間以内の範囲内において繰り上げ若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を4時間以内の範囲内において繰り上げることができる。
2 市町村の選挙管理委員会は、前項ただし書の場合においては、直ちにその旨を告示するとともに、これをその投票所の投票管理者に通知し、かつ、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならない。
(投票所の告示)
第52条 市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日から少なくとも5日前に、投票所を告示しなければならない。
2 天災その他避けることのできない事故により前項の規定により告示した投票所を変更したときは、国民投票の当日を除くほか、市町村の選挙管理委員会は、同項の規定にかかわらず、直ちにその旨を告示しなければならない。
(投票人名簿又は在外投票人名簿の登録と投票)
第53条 投票人名簿又は在外投票人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。ただし、投票人名簿に登録されるべき旨の決定書又は確定判決書を所持し、国民投票の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。
2 投票人名簿又は在外投票人名簿に登録された者であっても投票人名簿又は在外投票人名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。
(投票権のない者の投票)
第54条 国民投票の当日(第60条の規定による投票にあっては、当該投票の当日)、国民投票の投票権を有しない者は、投票をすることができない。
(投票所においての投票)
第55条 投票人は、国民投票の当日、自ら投票所に行き、投票をしなければならない。
2 投票人は、投票人名簿又はその抄本(当該投票人名簿が第20条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合には、当該投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第69条及び第70条において同じ。)の対照を経なければ、投票をすることができない。
(投票用紙の交付及び様式)
第56条 投票用紙は、国民投票の当日、投票所において投票人に交付しなければならない。
2 投票用紙には、賛成の文字及び反対の文字を印刷しなければならない。
3 投票用紙は、別記様式(第61条第1項、第2項及び第4項並びに第62条の規定による投票の場合にあっては、政令で定める様式)に準じて調製しなければならない。
(投票の記載事項及び投函)
第57条 投票人は、投票所において、憲法改正案に対し賛成するときは投票用紙に印刷された賛成の文字を囲んで○の記号を自書し、憲法改正案に対し反対するときは投票用紙に印刷された反対の文字を囲んで○の記号を自書し、これを投票箱に入れなければならない。
2 投票用紙には、投票人の氏名を記載してはならない。
(点字投票)
第58条 投票人は、点字による投票を行う場合においては、投票用紙に、憲法改正案に対し賛成するときは賛成と、憲法改正案に対し反対するときは反対と自書するものとする。
2 前項の場合においては、政令で定める点字は文字とみなし、投票用紙の様式その他必要な事項は、政令で定める。
(代理投票)
第59条 心身の故障その他の事由により、自ら○の記号を記載することができない投票人は、第57条第1項、第63条第4項及び第5項並びに第82条の規定にかかわらず、投票管理者に申請し、代理投票をさせることができる。
2 前項の規定による申請があった場合においては、投票管理者は、投票立会人の意見を聴いて、投票所の事務に従事する者のうちから当該投票人の投票を補助すべき者2人を定め、その1人に投票の記載をする場所において投票用紙に当該投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載させ、他の1人をこれに立ち会わせなければならない。
3 前2項の場合において必要な事項は、政令で定める。
(期日前投票)
第60条 国民投票の当日に次に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる投票人の投票については、第55条第1項の規定にかかわらず、国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日の前日までの間、期日前投票所において、行わせることができる。
 職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。
 用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行又は滞在をすること。
 疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため若しくは産褥にあるため歩行が困難であること又は刑事施設、労役場、監置場、少年院、少年鑑別所若しくは婦人補導院に収容されていること。
 交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること又は当該地域に滞在をすること。
 その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。
2 前項の場合においては、次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとし、第48条第5項及び第71条の規定は、適用しない。
第49条第1項 各投票区における投票人名簿に登録された者 国民投票の投票権を有する者
2人以上5人以下 2人
3日 15日
第49条第2項 投票所 期日前投票所
その投票区における投票人名簿に登録された者 国民投票の投票権を有する者
第49条第3項 投票区において、2人以上 期日前投票所において、2人
第53条第1項 国民投票の当日投票所 第60条第1項の規定による投票の日、期日前投票所
第56条第1項 国民投票の当日、投票所 第60条第1項の規定による投票の日、期日前投票所
第57条第1項及び前条第2項 投票所 期日前投票所
第64条 第74条 第60条第3項において準用する第74条
投票所 期日前投票所
最後 当該投票の日の最後
第67条第1項 投票所 期日前投票所
閉鎖しなければ 閉鎖しなければならない。ただし、翌日において引き続き当該投票箱に投票用紙を入れさせる場合においては、その日の期日前投票所を開くべき時刻になったときは、投票管理者は、当該投票箱を開かなければ
第67条第2項 できない できない。ただし、前項ただし書の規定により投票箱を開いた場合は、この限りでない
第69条 投票管理者が同時に開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、1人又は数人の投票立会人とともに、国民投票の当日 投票管理者は、期日前投票所において、当該期日前投票所を設ける期間の末日に
を開票管理者 (以下この条において「投票箱等」という。)を市町村の選挙管理委員会に送致し、当該投票箱等の送致を受けた市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日に、当該投票箱等を開票管理者
3 第50条から第52条まで及び第72条から第74条までの規定は、期日前投票所について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第50条 市役所 国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日の前日までの間(2以上の期日前投票所を設ける場合にあっては、一の期日前投票所を除き、市町村の選挙管理委員会の指定した期間)、市役所
第51条第1項 午前7時 午前8時30分
投票人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は投票人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を2時間以内の範囲内において繰り上げ若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を4時間以内の範囲内において 2以上の期日前投票所を設ける場合にあっては、一の期日前投票所を除き、期日前投票所を開く時刻を繰り下げ、又は期日前投票所の閉じる時刻を
第51条第2項 通知し、かつ、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければ 通知しなければ
第52条第1項 から少なくとも5日前に、投票所 前14日に当たる日から少なくとも5日前に、期日前投票所の場所(2以上の期日前投票所を設ける場合にあっては、期日前投票所の場所及び当該期日前投票所を設ける期間)
第52条第2項 投票所 期日前投票所
国民投票の当日を除くほか、市町村 市町村
4 第1項の場合において、投票録の作成の方法その他必要な事項は、政令で定める。
(不在者投票)
第61条 前条第1項の投票人の投票については、同項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第53条第1項ただし書、第55条、第56条第1項、第57条第1項、第59条及び第63条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。
2 投票人で身体に重度の障害があるもの(身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に規定する身体障害者、戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)第2条第1項に規定する戦傷病者又は介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第3項に規定する要介護者であるもので、政令で定めるものをいう。)の投票については、前条第1項及び前項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第53条第1項ただし書、第55条、第56条第1項、第57条第1項、第59条及び第63条の規定にかかわらず、その現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者、同条第9項に規定する特定信書便事業者若しくは同法第3条第4号に規定する外国信書便事業者による同法第2条第2項に規定する信書便(以下「郵便等」という。)により送付する方法により行わせることができる。
3 前項の投票人で同項に規定する方法により投票をしようとするもののうち自ら投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものは、第82条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者(国民投票の投票権を有する者に限る。)をして投票に関する記載をさせることができる。
4 特定国外派遣組織に属する投票人で国外に滞在するもののうち国民投票の当日前条第1項第1号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項及び第1項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第53条第1項ただし書、第55条、第56条第1項、第57条第1項、第59条及び第63条の規定にかかわらず、国外にある不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。
5 前項の特定国外派遣組織とは、法律の規定に基づき国外に派遣される組織のうち次の各号のいずれにも該当する組織であって、当該組織において同項に規定する方法による投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものをいう。
 当該組織の長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること。
 当該組織が国外の特定の施設又は区域に滞在していること。
6 特定国外派遣組織となる組織を国外に派遣することを定める法律の規定に基づき国外に派遣される投票人(特定国外派遣組織に属するものを除く。)で、現に特定国外派遣組織が滞在する施設又は区域に滞在しているものは、この法律の規定の適用については、当該特定国外派遣組織に属する投票人とみなす。
7 投票人で船舶安全法(昭和8年法律第11号)にいう遠洋区域を航行区域とする船舶その他これに準ずるものとして総務省令で定める船舶に乗って本邦以外の区域を航海する船員(船員法(昭和22年法律第100号)第1条に規定する船員をいう。)であるもののうち国民投票の当日前条第1項第1号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項及び第1項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第53条第1項ただし書、第55条、第56条、第57条第1項、第59条及び第63条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する場所において、総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。
8 国が行う南極地域における科学的調査の業務を行う組織(以下この項において「南極地域調査組織」という。)に属する投票人(南極地域調査組織に同行する投票人で当該南極地域調査組織の長の管理の下に南極地域における活動を行うものを含む。)で次の各号に掲げる施設又は船舶に滞在するもののうち国民投票の当日前条第1項第1号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項及び第1項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第53条第1項ただし書、第55条、第56条、第57条第1項、第59条及び第63条の規定にかかわらず、その滞在する次の各号に掲げる施設又は船舶の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所において、総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。
 南極地域にある当該科学的調査の業務の用に供される施設で国が設置するもの 不在者投票管理者の管理する場所
 本邦と前号に掲げる施設との間において南極地域調査組織を輸送する船舶で前項の総務省令で定めるもの この項に規定する方法による投票を行うことについて不在者投票管理者が当該船舶の船長の許可を得た場所
9 不在者投票管理者は、市町村の選挙管理委員会が選定した者を投票に立ち会わせることその他の方法により、不在者投票の公正な実施の確保に努めなければならない。
(在外投票等)
第62条 在外投票人名簿に登録されている投票人の投票については、第60条第1項及び前条第1項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第55条、第56条第1項、第57条第1項、第59条及び次条の規定にかかわらず、次に掲げるいずれかの方法により行わせることができる。
 国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日前6日に当たる日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)に、自ら在外公館の長(総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下この号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き、在外投票人証又は在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法
 当該投票人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便等により送付する方法
2 在外投票人名簿に登録されている投票人の国内における投票については、第53条第1項ただし書中「投票人名簿」とあるのは「在外投票人名簿」と、「投票所」とあるのは「指定在外投票区の投票所」と、第55条第1項中「投票所」とあるのは「指定在外投票区の投票所」と、同条第2項中「、投票人名簿」とあるのは「、在外投票人証又は在外選挙人証を提示して、在外投票人名簿」と、「当該投票人名簿」とあるのは「当該在外投票人名簿」と、「第20条第2項」とあるのは「第33条第2項」と、「書類。第69条及び第70条において同じ。」とあるのは「書類」と、第60条第1項中「期日前投票所」とあるのは「市町村の選挙管理委員会の指定した期日前投票所」と、「投票区」とあるのは「指定在外投票区」と、同条第2項の表第53条第1項の項中「第53条第1項」とあるのは「第62条第2項の規定により読み替えて適用される第53条第1項」と、「国民投票の当日投票所」とあるのは「国民投票の当日指定在外投票区の投票所」と、「期日前投票所」とあるのは「市町村の選挙管理委員会の指定した期日前投票所」とする。
3 在外投票人名簿に登録されている投票人の投票については、前条第2項から第8項までの規定は、適用しない。
(投票人の確認及び投票の拒否)
第63条 投票管理者は、投票をしようとする投票人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならない。その宣言をしない者は、投票をすることができない。
2 投票の拒否は、投票立会人の意見を聴き、投票管理者が決定しなければならない。
3 前項の決定を受けた投票人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。
4 前項の投票は、投票人をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。
5 投票立会人において異議のある投票人についても、また前2項と同様とする。
(退出させられた者の投票)
第64条 第74条の規定により投票所外に退出させられた者は、最後になって投票をすることができる。ただし、投票管理者は、投票所の秩序を乱すおそれがないと認める場合においては、投票をさせることを妨げない。
(投票記載所における憲法改正案等の掲示)
第65条 市町村の選挙管理委員会は、国民投票の当日、投票所内の投票の記載をする場所その他適当な箇所に憲法改正案及びその要旨の掲示をしなければならない。ただし、憲法改正案及びその要旨の掲示が著しく困難である場合においては、当該投票所における国民投票公報の備付けをもって当該掲示に代えることができる。
2 市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日の前日までの間、期日前投票所及び不在者投票管理者のうち政令で定めるものの管理する投票を記載する場所内の適当な箇所に、憲法改正案及びその要旨の掲示をしなければならない。ただし、憲法改正案及びその要旨の掲示が著しく困難である場合においては、当該期日前投票所又は投票を記載する場所における国民投票公報の備付けをもって当該掲示に代えることができる。
3 国民投票広報協議会は、前2項の憲法改正案の要旨を作成したときは、速やかに、これを中央選挙管理会に送付しなければならない。
4 中央選挙管理会は、前項の送付があったときは、速やかに、これを都道府県の選挙管理委員会を経由して、市町村の選挙管理委員会に送付しなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、第1項又は第2項の掲示に関し必要な事項は、都道府県の選挙管理委員会が定める。
(投票の秘密保持)
第66条 何人も、投票人のした投票の内容を陳述する義務はない。
(投票箱の閉鎖)
第67条 投票所を閉じるべき時刻になったときは、投票管理者は、その旨を告げて、投票所の入口を閉鎖し、投票所にある投票人の投票の結了するのを待って、投票箱を閉鎖しなければならない。
2 何人も、投票箱の閉鎖後は、投票をすることができない。
(投票録の作成)
第68条 投票管理者は、投票録を作り、投票に関する次第を記載し、投票立会人とともに、これに署名しなければならない。
(投票箱等の送致)
第69条 投票管理者が同時に開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、1人又は数人の投票立会人とともに、国民投票の当日、その投票箱、投票録、投票人名簿又はその抄本及び在外投票人名簿又はその抄本(当該在外投票人名簿が第33条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合には、当該在外投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。次条において同じ。)を開票管理者に送致しなければならない。
(繰上投票)
第70条 島その他交通不便の地について、国民投票の期日に投票箱を送致することができない状況があると認めるときは、都道府県の選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録、投票人名簿又はその抄本及び在外投票人名簿又はその抄本を送致させることができる。
(繰延投票)
第71条 天災その他避けることのできない事故により投票を行うことができないとき又は更に投票を行う必要があるときは、都道府県の選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。ただし、その期日は、都道府県の選挙管理委員会において、少なくとも5日前に告示しなければならない。
2 前項に規定する事由を生じた場合においては、市町村の選挙管理委員会は、国民投票分会長を経て都道府県の選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。
(投票所に出入し得る者)
第72条 投票人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者又は当該警察官でなければ、投票所に入ることができない。ただし、投票人の同伴する幼児その他の投票人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めたものについては、この限りでない。
(投票所の秩序保持のための処分の請求)
第73条 投票管理者は、投票所の秩序を保持し、必要があると認めるときは、当該警察官の処分を請求することができる。
(投票所における秩序保持)
第74条 投票所において演説討論をし、若しくは喧騒にわたり、又は投票に関し協議若しくは勧誘をし、その他投票所の秩序を乱す者があるときは、投票管理者は、これを制止し、命に従わないときは投票所外に退出させることができる。
(開票管理者)
第75条 国民投票ごとに、開票管理者を置く。
2 開票管理者は、国民投票の投票権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
3 開票管理者は、開票に関する事務を担任する。
4 開票管理者は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
(開票立会人)
第76条 政党等(第106条第2項に規定する政党等をいう。第4項において同じ。)は、各開票区における投票人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、開票立会人となるべき者1人を定め、国民投票の期日前3日までに、市町村の選挙管理委員会に届け出ることができる。
2 前項の規定により届出のあった者が、10人を超えないときは直ちにその者をもって開票立会人とし、10人を超えるときは届出のあった者の中から市町村の選挙管理委員会がくじで定めた者10人をもって開票立会人としなければならない。
3 前項の規定によるくじを行うべき場所及び日時は、市町村の選挙管理委員会において、あらかじめ告示しなければならない。
4 第2項の規定による開票立会人が3人に達しないとき又は国民投票の期日の前日までに3人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に3人に達しなくなったとき又は開票立会人で参会する者が開票所を開くべき時刻になっても3人に達しないとき若しくはその後3人に達しなくなったときは開票管理者において、その開票区における投票人名簿に登録された者の中から3人に達するまでの開票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、開票に立ち会わせなければならない。ただし、同項の規定による開票立会人を届け出た政党等又は市町村の選挙管理委員会若しくは開票管理者の選任した開票立会人の属する政党等と同一の政党等に属する者を当該政党等の届出に係る開票立会人又は市町村の選挙管理委員会若しくは開票管理者の選任に係る開票立会人と通じて3人以上選任することができない。
5 開票立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。
(開票所の設置)
第77条 開票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
(開票の場所及び日時の告示)
第78条 市町村の選挙管理委員会は、あらかじめ開票の場所及び日時を告示しなければならない。
(開票日)
第79条 開票は、すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日に行う。
(開票)
第80条 開票管理者は、開票立会人立会いの上、投票箱を開き、まず第63条第3項及び第5項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。
2 開票管理者は、開票立会人とともに、各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。
3 開票管理者は、投票の点検を終わったときは、直ちにその結果を国民投票分会長に報告しなければならない。
(開票の場合の投票の効力の決定)
第81条 投票の効力は、開票立会人の意見を聴き、開票管理者が決定しなければならない。その決定に当たっては、次条第2号の規定にかかわらず、投票用紙に印刷された反対の文字を×の記号、二重線その他の記号を記載することにより抹消した投票は賛成の投票として、投票用紙に印刷された賛成の文字を×の記号、二重線その他の記号を記載することにより抹消した投票は反対の投票として、それぞれ有効とするほか、次条の規定に反しない限りにおいて、その投票した投票人の意思が明白であれば、その投票を有効とするようにしなければならない。
(無効投票)
第82条 次のいずれかに該当する投票は、無効とする。
 所定の用紙を用いないもの
 ○の記号以外の事項を記載したもの
 ○の記号を自書しないもの
 賛成の文字を囲んだ○の記号及び反対の文字を囲んだ○の記号をともに記載したもの
 賛成の文字又は反対の文字のいずれを囲んで○の記号を記載したかを確認し難いもの
(開票の参観)
第83条 投票人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる。
(開票録の作成)
第84条 開票管理者は、開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともに、これに署名しなければならない。
(投票、投票録及び開票録の保存)
第85条 投票は、有効無効を区別し、投票録及び開票録と併せて、市町村の選挙管理委員会において、第127条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は国民投票の期日から5年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
(一部無効による再投票の開票)
第86条 憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合の開票においては、その投票の効力を決定しなければならない。
(繰延開票)
第87条 第71条第1項本文及び第2項の規定は、開票について準用する。
(開票所の取締り)
第88条 第72条本文、第73条及び第74条の規定は、開票所の取締りについて準用する。

第6節 国民投票分会及び国民投票会

(国民投票分会長)
第89条 国民投票に際し、都道府県ごとに、国民投票分会長を置く。
2 国民投票分会長は、国民投票の投票権を有する者の中から都道府県の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
3 国民投票分会長は、国民投票分会に関する事務を担任する。
4 国民投票分会長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
(国民投票分会立会人)
第90条 第76条の規定は、国民投票分会立会人について準用する。この場合において、同条第1項中「各開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは「国民投票の投票権を有する者」と、「市町村の選挙管理委員会」とあるのは「国民投票分会長」と、同条第2項及び第3項中「市町村の選挙管理委員会」とあるのは「国民投票分会長」と、同条第4項中「又は国民投票の期日の前日までに3人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に3人に達しなくなったとき」とあるのは「、国民投票分会の期日までに3人に達しなくなったとき」と、「開票所」とあるのは「国民投票分会」と、「開票管理者」とあるのは「、国民投票分会長」と、「その開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは「国民投票の投票権を有する者」と、「開票に」とあるのは「国民投票分会に」と、「市町村の選挙管理委員会若しくは開票管理者」とあるのは「国民投票分会長」と読み替えるものとする。
(国民投票分会の開催)
第91条 国民投票分会は、都道府県庁又は都道府県の選挙管理委員会の指定した場所で開く。
2 都道府県の選挙管理委員会は、あらかじめ国民投票分会の場所及び日時を告示しなければならない。
3 国民投票分会長は、都道府県の区域内におけるすべての開票管理者から第80条第3項の規定による報告を受けた日又はその翌日に国民投票分会を開き、国民投票分会立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。
4 国民投票分会長は、憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合において第80条第3項の規定による報告を受けたときは、前項の規定の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
(国民投票分会録の作成及び国民投票分会録その他関係書類の保存)
第92条 国民投票分会長は、国民投票分会録を作り、国民投票分会に関する次第を記載し、国民投票分会立会人とともに、これに署名しなければならない。
2 国民投票分会録は、第80条第3項の規定による報告に関する書類と併せて、都道府県の選挙管理委員会において、第127条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は国民投票の期日から5年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
(国民投票分会の結果の報告)
第93条 国民投票分会長は、第91条第3項及び第4項の規定による調査を終わったときは、国民投票分会録の写しを添えて、直ちにその結果を国民投票長に報告しなければならない。
(国民投票長)
第94条 国民投票に際し、国民投票長を置く。
2 国民投票長は、国民投票の投票権を有する者の中から中央選挙管理会の選任した者をもって、これに充てる。
3 国民投票長は、国民投票会に関する事務を担任する。
4 国民投票長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
(国民投票会立会人)
第95条 第76条の規定は、国民投票会立会人について準用する。この場合において、同条第1項中「各開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは「国民投票の投票権を有する者」と、「市町村の選挙管理委員会」とあるのは「国民投票長」と、同条第2項及び第3項中「市町村の選挙管理委員会」とあるのは「国民投票長」と、同条第4項中「又は国民投票の期日の前日までに3人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に3人に達しなくなったとき」とあるのは「、国民投票会の期日までに3人に達しなくなったとき」と、「開票所」とあるのは「国民投票会」と、「開票管理者」とあるのは「、国民投票長」と、「その開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは「国民投票の投票権を有する者」と、「開票に」とあるのは「国民投票会に」と、「市町村の選挙管理委員会若しくは開票管理者」とあるのは「国民投票長」と読み替えるものとする。
(国民投票会の開催)
第96条 国民投票会は、中央選挙管理会の指定した場所で開く。
2 中央選挙管理会は、あらかじめ国民投票会の場所及び日時を告示しなければならない。
3 国民投票長は、すべての国民投票分会長から第93条の規定による報告を受けた日又はその翌日に国民投票会を開き、国民投票会立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。
4 国民投票長は、憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合において第93条の規定による報告を受けたときは、前項の規定の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
(国民投票録の作成及び国民投票録その他関係書類の保存)
第97条 国民投票長は、国民投票録を作り、国民投票会に関する次第を記載し、国民投票会立会人とともに、これに署名しなければならない。
2 国民投票録は、第93条の規定による報告に関する書類と併せて、中央選挙管理会において、第127条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は国民投票の期日から5年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
(国民投票の結果の報告及び告示等)
第98条 国民投票長は、第96条第3項及び第4項の規定による調査を終わったときは、国民投票録の写しを添えて、直ちにその結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。
2 中央選挙管理会は、前項又は第135条第6項後段の報告を受けたときは、直ちに憲法改正案に対する賛成の投票の数及び反対の投票の数、投票総数(憲法改正案に対する賛成の投票の数及び反対の投票の数を合計した数をいう。)並びに憲法改正案に対する賛成の投票の数が当該投票総数の2分の1を超える旨又は超えない旨を官報で告示するとともに、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の通知を受けたときは、直ちに同項に規定する事項を衆議院議長及び参議院議長に通知しなければならない。
(準用)
第99条 第71条第1項本文、第72条本文、第73条及び第74条並びに公職選挙法第82条の規定は、国民投票分会及び国民投票会について準用する。この場合において、第71条第1項本文中「都道府県の選挙管理委員会は」とあるのは、「国民投票分会に関しては都道府県の選挙管理委員会は、国民投票会に関しては中央選挙管理会は」と読み替えるものとする。

第7節 国民投票運動

(適用上の注意)
第100条 この節及び次節の規定の適用に当たっては、表現の自由、学問の自由及び政治活動の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
(公務員の政治的行為の制限に関する特例)
第100条の2 公務員(日本銀行の役員(日本銀行法(平成9年法律第89号)第26条第1項に規定する役員をいう。)を含み、第102条各号に掲げる者を除く。以下この条において同じ。)は、公務員の政治的目的をもって行われる政治的行為又は積極的な政治運動若しくは政治活動その他の行為(以下この条において単に「政治的行為」という。)を禁止する他の法令の規定(以下この条において「政治的行為禁止規定」という。)にかかわらず、国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日までの間、国民投票運動(憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為をいう。以下同じ。)及び憲法改正に関する意見の表明をすることができる。ただし、政治的行為禁止規定により禁止されている他の政治的行為を伴う場合は、この限りでない。
(投票事務関係者の国民投票運動の禁止)
第101条 投票管理者、開票管理者、国民投票分会長及び国民投票長は、在職中、その関係区域内において、国民投票運動をすることができない。
2 第61条の規定による投票に関し、不在者投票管理者は、その者の業務上の地位を利用して国民投票運動をすることができない。
(特定公務員の国民投票運動の禁止)
第102条 次に掲げる者は、在職中、国民投票運動をすることができない。
 中央選挙管理会の委員及び中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員並びに選挙管理委員会の委員及び職員
 国民投票広報協議会事務局の職員
 裁判官
 検察官
 国家公安委員会又は都道府県公安委員会若しくは方面公安委員会の委員
 警察官
(公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止)
第103条 国若しくは地方公共団体の公務員若しくは行政執行法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人をいう。第111条において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。第111条において同じ。)の役員若しくは職員又は公職選挙法第136条の2第1項第2号に規定する公庫の役職員は、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
2 教育者(学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)に規定する幼保連携型認定こども園の長及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
(国民投票に関する放送についての留意)
第104条 放送事業者(放送法(昭和25年法律第132号)第2条第26号に規定する放送事業者をいい、日本放送協会及び放送大学学園(放送大学学園法(平成14年法律第156号)第3条に規定する放送大学学園をいう。第106条第1項において同じ。)を除く。次条において同じ。)は、国民投票に関する放送については、放送法第4条第1項の規定の趣旨に留意するものとする。
(投票日前の国民投票運動のための広告放送の制限)
第105条 何人も、国民投票の期日前14日に当たる日から国民投票の期日までの間においては、次条の規定による場合を除くほか、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない。
(国民投票広報協議会及び政党等による放送)
第106条 国民投票広報協議会は、両議院の議長が協議して定めるところにより、日本放送協会及び基幹放送事業者(放送法第2条第23号に規定する基幹放送事業者をいい、日本放送協会及び放送大学学園を除く。第4項及び第8項において同じ。)のラジオ放送又はテレビジョン放送(同条第16号に規定する中波放送又は同条第18号に規定するテレビジョン放送をいう。)の放送設備により、憲法改正案の広報のための放送をするものとする。
2 前項の放送は、国民投票広報協議会が行う憲法改正案及びその要旨その他参考となるべき事項の広報並びに憲法改正案に対する賛成の政党等(1人以上の衆議院議員又は参議院議員が所属する政党その他の政治団体であって両議院の議長が協議して定めるところにより国民投票広報協議会に届け出たものをいう。以下この条及び次条において同じ。)及び反対の政党等が行う意見の広告からなるものとする。
3 第1項の放送において、国民投票広報協議会は、憲法改正案及びその要旨その他参考となるべき事項の広報を客観的かつ中立的に行うものとする。
4 第1項の放送において、政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、憲法改正案に対する賛成又は反対の意見を無料で放送することができる。この場合において、日本放送協会及び基幹放送事業者は、政党等が録音し、又は録画した意見をそのまま放送しなければならない。
5 政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、両議院の議長が協議して定める額の範囲内で、前項の意見の放送のための録音又は録画を無料ですることができる。
6 第1項の放送に関しては、憲法改正案に対する賛成の政党等及び反対の政党等の双方に対して同一の時間数及び同等の時間帯を与える等同等の利便を提供しなければならない。
7 第1項の放送において意見の放送をすることができる政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、当該放送の一部を、その指名する団体に行わせることができる。
8 第1項の放送の回数及び日時は、国民投票広報協議会が日本放送協会及び当該放送を行う基幹放送事業者と協議の上、定める。
(国民投票広報協議会及び政党等による新聞広告)
第107条 国民投票広報協議会は、両議院の議長が協議して定めるところにより、新聞に、憲法改正案の広報のための広告をするものとする。
2 前項の広告は、国民投票広報協議会が行う憲法改正案及びその要旨その他参考となるべき事項の広報並びに憲法改正案に対する賛成の政党等及び反対の政党等が行う意見の広告からなるものとする。
3 第1項の広告において、国民投票広報協議会は、憲法改正案及びその要旨その他参考となるべき事項の広報を客観的かつ中立的に行うものとする。
4 第1項の広告において、政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、無料で、憲法改正案に対する賛成又は反対の意見の広告をすることができる。
5 第1項の広告に関しては、憲法改正案に対する賛成の政党等及び反対の政党等の双方に対して同一の寸法及び回数を与える等同等の利便を提供しなければならない。
6 第1項の広告において意見の広告をすることができる政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、当該広告の一部を、その指名する団体に行わせることができる。
(公職選挙法による政治活動の規制との調整)
第108条 公職選挙法第201条の5から第201条の9までの規定は、これらの条に掲げる選挙が行われる場合において、政党その他の政治活動を行う団体が、国民投票運動を行うことを妨げるものではない。

第8節 罰則

(組織的多数人買収及び利害誘導罪)
第109条 国民投票に関し、次に掲げる行為をした者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
 組織により、多数の投票人に対し、憲法改正案に対する賛成又は反対の投票をし又はしないようその旨を明示して勧誘して、その投票をし又はしないことの報酬として、金銭若しくは憲法改正案に対する賛成若しくは反対の投票をし若しくはしないことに影響を与えるに足りる物品その他の財産上の利益(多数の者に対する意見の表明の手段として通常用いられないものに限る。)若しくは公私の職務の供与をし、若しくはその供与の申込み若しくは約束をし、又は憲法改正案に対する賛成若しくは反対の投票をし若しくはしないことに影響を与えるに足りる供応接待をし、若しくはその申込み若しくは約束をしたとき。
 組織により、多数の投票人に対し、憲法改正案に対する賛成又は反対の投票をし又はしないようその旨を明示して勧誘して、その投票をし又はしないことの報酬として、その者又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して憲法改正案に対する賛成又は反対の投票をし又はしないことに影響を与えるに足りる誘導をしたとき。
 前2号に掲げる行為をさせる目的をもって国民投票運動をする者に対し金銭若しくは物品の交付をし、若しくはその交付の申込み若しくは約束をし、又は国民投票運動をする者がその交付を受け、その交付を要求し若しくはその申込みを承諾したとき。
(組織的多数人買収及び利害誘導罪の場合の没収)
第110条 前条の場合において収受し、又は交付を受けた利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
(職権濫用による国民投票の自由妨害罪)
第111条 国民投票に関し、国若しくは地方公共団体の公務員、行政執行法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員、中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者又は国民投票分会長若しくは国民投票長が故意にその職務の執行を怠り、又は正当な理由がなくて国民投票運動をする者に追随し、その居宅に立ち入る等その職権を濫用して国民投票の自由を妨害したときは、4年以下の禁錮に処する。
2 国若しくは地方公共団体の公務員、行政執行法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員、中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者又は国民投票分会長若しくは国民投票長が、投票人に対し、その投票しようとし、又は投票した内容の表示を求めたときは、6月以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
(投票の秘密侵害罪)
第112条 中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長若しくは国民投票長、国民投票事務に関係のある国若しくは地方公共団体の公務員、立会人(第59条第2項の規定により投票を補助すべき者及び第61条第3項の規定により投票に関する記載をすべき者を含む。以下同じ。)又は監視者(投票所(第60条第1項に規定する期日前投票所を含む。以下この節において同じ。)、開票所、国民投票分会場又は国民投票会場を監視する職権を有する者をいう。以下同じ。)が投票人の投票した内容を表示したときは、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。その表示した事実が虚偽であるときも、また同様とする。
(投票干渉罪)
第113条 投票所又は開票所において、正当な理由がなくて、投票人の投票に干渉し、又は投票の内容を認知する方法を行った者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
2 法令の規定によらないで、投票箱を開き、又は投票箱の投票を取り出した者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(投票事務関係者、施設等に対する暴行罪、騒擾罪等)
第114条 投票管理者、開票管理者、国民投票分会長、国民投票長、立会人若しくは監視者に暴行若しくは脅迫を加え、投票所、開票所、国民投票分会場若しくは国民投票会場を騒擾し、又は投票、投票箱その他関係書類(関係の電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。)を含む。)を抑留し、損ない、若しくは奪取した者は、4年以下の懲役又は禁錮に処する。
(多衆の国民投票妨害罪)
第115条 多衆集合して前条の罪を犯した者は、次の区別に従って処断する。
 首謀者は、1年以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、6月以上5年以下の懲役又は禁錮に処する。
 付和随行した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪を犯すため多衆集合し当該公務員から解散の命令を受けることが3回以上に及んでもなお解散しないときは、首謀者は、2年以下の禁錮に処し、その他の者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。
(投票所、開票所、国民投票分会場又は国民投票会場における凶器携帯罪)
第116条 銃砲、刀剣、こん棒その他人を殺傷するに足るべき物件を携帯して投票所、開票所、国民投票分会場又は国民投票会場に入った者は、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(携帯凶器の没収)
第117条 前条の罪を犯した場合においては、その携帯した物件を没収する。
(詐偽登録、虚偽宣言罪等)
第118条 詐偽の方法をもって投票人名簿又は在外投票人名簿に登録をさせた者は、6月以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
2 投票人名簿に登録をさせる目的をもって住民基本台帳法第22条の規定による届出に関し虚偽の届出をすることによって投票人名簿に登録をさせた者も、前項と同様とする。
3 在外投票人名簿に登録させる目的をもって公職選挙法第30条の5第1項又は第4項の規定による申請に関し虚偽の申請をすることによって在外投票人名簿に登録をさせた者も、第1項と同様とする。
4 第63条第1項の場合において虚偽の宣言をした者は、20万円以下の罰金に処する。
(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)
第119条 投票人でない者が投票をしたときは、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
2 氏名を詐称し、その他詐偽の方法をもって投票し、又は投票しようとした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
3 投票を偽造し、又はその数を増減した者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
4 中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長若しくは国民投票長、国民投票事務に関係のある国若しくは地方公共団体の公務員、立会人又は監視者が前項の罪を犯したときは、5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(代理投票等における記載義務違反)
第120条 第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者が投票人の指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載しなかったときは、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
2 第61条第3項の規定により投票に関する記載をすべき者が投票人の指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載しなかったときは、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
3 前項に規定するもののほか、第61条第3項の規定により投票に関する記載をすべき者が、投票を無効とする目的をもって、投票に関する記載をせず、又は虚偽の記載をしたときも、前項と同様とする。
(立会人の義務を怠る罪)
第121条 立会人が、正当な理由がなくてこの法律に規定する義務を欠くときは、20万円以下の罰金に処する。
(国民投票運動の規制違反)
第122条 第101条又は第102条の規定に違反して国民投票運動をした者は、6月以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
(不在者投票の場合の罰則の適用)
第123条 第61条第1項の規定による投票については、その投票を管理すべき者は投票管理者と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
2 第61条第2項の規定による投票については、投票人が投票の記載の準備に着手してから投票を記載した投票用紙を郵便等により送付するためこれを封入するまでの間における当該投票に関する行為を行う場所を投票所とみなして、第113条第1項の規定を適用する。
3 第61条第4項の規定による投票については、その投票を管理すべき者は投票管理者と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
4 第61条第7項の規定による投票については、船舶において投票を管理すべき者及び投票を受信すべき市町村の選挙管理委員会の委員長は投票管理者と、投票の記載をし、これを送信すべき場所及び投票を受信すべき場所は投票所と、投票を受信すべきファクシミリ装置は投票箱と、船舶において投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
5 第61条第8項の規定による投票については、同項の施設又は船舶において投票を管理すべき者及び投票を受信すべき市町村の選挙管理委員会の委員長は投票管理者と、投票の記載をし、これを送信すべき場所及び投票を受信すべき場所は投票所と、投票を受信すべきファクシミリ装置は投票箱と、同項の施設又は船舶において投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
(在外投票の場合の罰則の適用)
第124条 第36条第2項及び第3項に規定する在外投票人名簿の登録の申請の経由に係る事務、第62条第1項第1号に規定する在外投票に係る事務その他のこの法律及びこの法律に基づく命令により在外公館の長に属させられた事務に従事する在外公館の長及び職員並びに第36条第2項及び第3項に規定する在外投票人名簿の登録の申請の経由に係る事務に従事する者は、第102条、第111条、第112条及び第119条第4項に規定する選挙管理委員会の職員とみなして、この節の規定を適用する。
2 第62条第1項第1号の規定による投票については、その投票を管理すべき在外公館の長は投票管理者(第114条に規定する投票管理者に限る。)と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第59条第2項の規定により賛成の文字又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
3 第62条第1項第2号の規定による投票については、投票人が投票の記載の準備に着手してから投票を記載した投票用紙を郵便等により送付するためこれを封入するまでの間における当該投票に関する行為を行う場所を投票所とみなして、第113条第1項の規定を適用する。
(国外犯)
第125条 第109条、第111条、第112条、第113条第1項、第114条から第116条まで、第119条から第121条まで及び第122条(第101条第2項又は第102条の規定に違反して国民投票運動をした者に係る部分に限る。)の罪は、刑法(明治40年法律第45号)第3条の例に従う。

第3章 国民投票の効果

第126条 国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第98条第2項に規定する投票総数の2分の1を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第96条第1項の国民の承認があったものとする。
2 内閣総理大臣は、第98条第2項の規定により、憲法改正案に対する賛成の投票の数が同項に規定する投票総数の2分の1を超える旨の通知を受けたときは、直ちに当該憲法改正の公布のための手続を執らなければならない。

第4章 国民投票無効の訴訟等

第1節 国民投票無効の訴訟

(国民投票無効の訴訟)
第127条 国民投票に関し異議がある投票人は、中央選挙管理会を被告として、第98条第2項の規定による告示の日から30日以内に、東京高等裁判所に訴訟を提起することができる。
(国民投票無効の判決)
第128条 前条の規定による訴訟の提起があった場合において、次に掲げる事項があり、そのために憲法改正案に係る国民投票の結果(憲法改正案に対する賛成の投票の数が第98条第2項に規定する投票総数の2分の1を超えること又は超えないことをいう。第135条において同じ。)に異動を及ぼすおそれがあるときは、裁判所は、その国民投票の全部又は一部の無効を判決しなければならない。
 国民投票の管理執行に当たる機関が国民投票の管理執行につき遵守すべき手続に関する規定に違反したこと。
 第101条、第102条、第109条及び第111条から第113条までの規定について、多数の投票人が一般にその自由な判断による投票を妨げられたといえる重大な違反があったこと。
 憲法改正案に対する賛成の投票の数又は反対の投票の数の確定に関する判断に誤りがあったこと。
2 前項第1号の国民投票の管理執行に当たる機関には、国民投票広報協議会を含まないものとする。
(国民投票無効の訴訟の処理)
第129条 第127条の規定による訴訟については、裁判所は、他の訴訟の順序にかかわらず速やかにその裁判をしなければならない。
2 当事者、代理人その他の第127条の規定による訴訟に関与する者は、前項の趣旨を踏まえ、充実した審理を特に迅速に行うことができるよう、裁判所に協力しなければならない。
(国民投票無効の訴訟の提起と国民投票の効力)
第130条 第127条の規定による訴訟の提起があっても、憲法改正案に係る国民投票の効力は、停止しない。
(国民投票無効の訴訟に対する訴訟法規の適用)
第131条 第127条の規定による訴訟については、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第43条の規定にかかわらず、同法第13条、第19条から第21条まで、第25条から第29条まで、第31条及び第34条の規定は、準用せず、また、同法第16条から第18条までの規定は、第127条の規定により憲法改正案に係る国民投票の無効を求める数個の請求に関してのみ準用する。
(国民投票無効の訴訟についての通知及び判決書謄本の送付)
第132条 第127条の規定による訴訟が提起されたときは、裁判所の長は、その旨を、総務大臣及び中央選挙管理会に通知しなければならない。その訴訟が係属しなくなったときも、また同様とする。
2 第127条の規定による訴訟につき判決が確定したときは、裁判所の長は、その判決書の謄本を、総務大臣及び中央選挙管理会並びに衆議院議長及び参議院議長に送付しなければならない。
(憲法改正の効果の発生の停止)
第133条 憲法改正が無効とされることにより生ずる重大な支障を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、憲法改正の効果の発生の全部又は一部の停止をするものとする。ただし、本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。
2 前項の規定による憲法改正の効果の発生を停止する決定が確定したときは、憲法改正の効果の発生は、本案に係る判決が確定するまでの間、停止する。
3 第1項の決定は、第三者に対しても効力を有する。
4 第1項の決定の管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。
5 第1項の決定は、疎明に基づいてする。
6 第1項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見を聴かなければならない。
(国民投票無効の告示等)
第134条 第127条の規定による訴訟の結果憲法改正案に係る国民投票を無効とする判決が確定したとき又は前条第1項の規定による憲法改正の効果の発生を停止する決定が確定したとき若しくはその決定が効力を失ったときは、中央選挙管理会は、直ちにその旨を官報で告示するとともに、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の通知を受けたときは、直ちにこれを衆議院議長及び参議院議長に通知しなければならない。

第2節 再投票及び更正決定

第135条 第127条の規定による訴訟の結果、憲法改正案に係る国民投票の全部又は一部が無効となった場合(第6項の規定により憲法改正案に係る国民投票の結果を定める場合を除く。)においては、更に国民投票を行わなければならない。
2 第127条の規定による訴訟を提起することができる期間又は同条の規定による訴訟が裁判所に係属している間は、前項の規定による国民投票を行うことができない。
3 第1項の規定による国民投票は、これを行うべき事由が生じた日から起算して60日以後180日以内において、国会の議決した期日に行う。
4 内閣は、国会法第65条第1項の規定により国民投票の再投票の期日に係る議案の送付を受けたときは、速やかに、総務大臣を経由して、当該国民投票の再投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
5 中央選挙管理会は、前項の通知があったときは、速やかに、国民投票の再投票の期日を官報で告示しなければならない。
6 第127条の規定による訴訟の結果、憲法改正案に係る国民投票の全部又は一部が無効となった場合において、更に国民投票を行わないで当該憲法改正案に係る国民投票の結果を定めることができるときは、国民投票会を開き、これを定めなければならない。この場合においては、国民投票長は、国民投票録の写しを添えて、直ちにその憲法改正案に係る国民投票の結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。

第5章 補則

(費用の国庫負担)
第136条 国民投票に関する次に掲げる費用その他の国民投票に関する一切の費用は、国庫の負担とする。
 投票人名簿及び在外投票人名簿の調製に要する費用(投票人名簿及び在外投票人名簿を調製するために必要な情報システムの構築及び維持管理に要する費用を含む。)
 投票所及び期日前投票所に要する費用
 開票所に要する費用
 国民投票分会及び国民投票会に要する費用
 投票所等における憲法改正案等の掲示に要する費用
 憲法改正案の広報に要する費用
 国民投票公報の印刷及び配布に要する費用
 国民投票の方法に関する周知に要する費用
 第106条及び第107条の規定による放送及び新聞広告に要する費用
 不在者投票に要する費用
十一 在外投票に要する費用
(国の支出金の算定の基礎等)
第137条 前条の負担に係る地方公共団体に対する支出金の額は、国民投票事務の円滑な執行を確保するため、地方公共団体が当該事務を行うために必要でかつ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。
2 前項の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。
(行政手続法の適用除外)
第138条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政手続法(平成5年法律第88号)第2章、第3章及び第4章の2の規定は、適用しない。
(審査請求の制限)
第139条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為又はその不作為については、審査請求をすることができない。
(特別区等に対する適用)
第140条 この法律中市に関する規定は、特別区に適用する。
2 この法律の規定の適用については、政令で定めるところにより、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区及び総合区は市と、指定都市の区及び総合区の選挙管理委員会及び選挙管理委員は市の選挙管理委員会及び選挙管理委員とみなす。
(国民投票に関する期日の国外における取扱い)
第141条 この法律に規定する国民投票に関する期日の国外における取扱い(第61条第1項、第4項、第7項及び第8項の規定による投票に関するものを除く。)については、政令で定める。
(国民投票に関する届出等の時間)
第142条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定によって総務大臣、中央選挙管理会、選挙管理委員会、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長、国民投票長等に対してする届出、請求、申出その他の行為は、午前8時30分から午後5時までの間にしなければならない。ただし、次に掲げる行為は、当該市町村の選挙管理委員会の職員につき定められている執務時間内にしなければならない。
 第30条において準用する公職選挙法第29条第2項の規定による投票人名簿の修正に関する調査の請求
 第43条第2項において準用する公職選挙法第29条第2項の規定による在外投票人名簿の修正に関する調査の請求
2 前項の規定にかかわらず、第61条第1項、第4項、第7項若しくは第8項の規定による投票に関し国外においてする行為、第62条第1項第1号の規定による投票又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定によって在外公館の長に対してする行為は、政令で定める時間内にしなければならない。
(不在者投票の時間)
第143条 前条第1項の規定にかかわらず、第61条第1項、第4項、第7項又は第8項の規定による投票に関し不在者投票管理者等に対してする行為(国外においてするものを除く。次項において同じ。)のうち政令で定めるものは、午前8時30分から午後8時(当該行為を行おうとする地の市町村の選挙管理委員会が地域の実情等を考慮して午後5時から午後8時までの間でこれと異なる時刻を定めている場合にあっては、当該定められている時刻)までの間にすることができる。
2 前条第1項の規定にかかわらず、第61条第1項、第4項、第7項又は第8項の規定による投票に関し不在者投票管理者等に対してする行為のうち政令で定めるものは、当該行為を行おうとする地の市町村の選挙管理委員会の職員につき定められている執務時間内にしなければならない。
(国民投票に関する届出等の期限)
第144条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定によって総務大臣、中央選挙管理会又は選挙管理委員会に対してする届出、請求、申出その他の行為(内閣総理大臣、選挙管理委員会等が総務大臣又は選挙管理委員会に対してする行為を含む。)の期限については、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号)第2条本文及び地方自治法第4条の2第4項本文の規定は、適用しない。
(一部無効による再投票の特例)
第145条 憲法改正案に係る国民投票の一部無効による再投票については、この法律に特別の規定があるものを除くほか、当該再投票の行われる区域等に応じて政令で特別の定めをすることができる。
(在外投票を行わせることができない場合の取扱い)
第146条 第62条第1項第1号の規定による投票を同号に定める期間内に行わせることができないときは、更に投票を行わせることは、しないものとする。
(政令への委任)
第147条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続及び費用の負担その他その施行に関し必要な事項は、政令で定める。
(国民投票事務の委嘱)
第148条 都道府県又は市町村の選挙管理委員会が、都道府県知事又は市町村長の承認を得て、当該都道府県又は市町村の補助機関たる職員に国民投票に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない。
(投票人に関する記録の保護)
第149条 市町村の委託を受けて行う投票人名簿又は在外投票人名簿に関する事務の処理に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た事項をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
(事務の区分)
第150条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。

附則

(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3年を経過した日から施行する。ただし、第6章の規定(国会法第11章の2の次に1章を加える改正規定を除く。)並びに附則第4条、第6条及び第7条の規定は公布の日以後初めて召集される国会の召集の日から、附則第3条第1項、第11条及び第12条の規定は公布の日から施行する。
(在外投票人名簿の登録の申請等に関する特例)
第2条 政令で定める日前に住民基本台帳に記録されたことがある者であって、同日以後いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがないものに対するこの法律の適用については、第36条第1項中「最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)」とあり、及び同条第3項中「当該申請をした者の最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(当該申請をした者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)」とあるのは「申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会」と、第38条第1項中「領事官をいう。以下この項において同じ」とあるのは「領事官をいう」と、「、最終住所及び生年月日(当該在外投票人名簿に登録した者がいずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、その者の氏名、経由領事官の名称及び生年月日)」とあるのは「及び生年月日」とする。
2 当分の間、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和57年法律第85号)第11条第1項に規定する北方地域に本籍を有する者に対するこの法律の適用については、第36条第1項中「申請の時におけるその者の本籍地の市町村」とあるのは「申請の時において北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和57年法律第85号。以下「特別措置法」という。)第11条第1項の規定により法務大臣が指名した者が長である市又は町」と、同条第3項中「申請の時におけるその者の本籍地の市町村」とあるのは「申請の時において特別措置法第11条第1項の規定により法務大臣が指名した者が長である市又は町」と、第43条第1項中「市町村長は、その市町村に本籍を有する者で」とあるのは「特別措置法第11条第1項の規定により法務大臣が指名した者は、同項に規定する北方地域に本籍を有する者で」と、前項の規定により読み替えて適用される第36条第1項及び第3項中「申請の時におけるその者の本籍地の市町村」とあるのは「申請の時において特別措置法第11条第1項の規定により法務大臣が指名した者が長である市又は町」とする。
附則 (平成22年12月3日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則 (平成24年8月22日法律第67号) 抄
この法律は、子ども・子育て支援法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第25条及び第73条の規定 公布の日
附則 (平成25年5月31日法律第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第7条 この法律の施行前にした行為及び附則第2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成26年5月30日法律第42号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成26年6月13日法律第67号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
(処分等の効力)
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第70号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成27年4月1日から施行する。
附則 (平成26年6月20日法律第75号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行後4年を経過するまでの間にその期日がある国民投票(日本国憲法の改正手続に関する法律第1条に規定する国民投票をいう。)に係る同法第3条、第22条第1項、第35条及び第36条第1項の規定の適用については、これらの規定中「満18年以上」とあるのは、「満20年以上」とする。
(法制上の措置)
3 国は、この法律の施行後速やかに、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、国民投票の投票権を有する者の年齢と選挙権を有する者の年齢との均衡等を勘案し、公職選挙法(昭和25年法律第100号)、民法(明治29年法律第89号)その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
4 国は、この法律の施行後速やかに、公務員の政治的中立性及び公務の公正性を確保する等の観点から、国民投票運動に関し、組織により行われる勧誘運動、署名運動及び示威運動の公務員による企画、主宰及び指導並びにこれらに類する行為に対する規制の在り方について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(憲法改正問題についての国民投票制度に関する検討)
5 国は、この法律の施行後速やかに、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し、その意義及び必要性について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から更に検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成28年12月2日法律第94号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第3条の規定(最高裁判所裁判官国民審査法第32条ただし書の改正規定を除く。)並びに次条第10項及び附則第3条の規定 公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日
 第2条の規定並びに附則第6条中国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律(昭和25年法律第179号)第13条の3の改正規定、附則第8条中住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第17条の2の改正規定並びに附則第9条、第10条及び第13条の規定 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日
(政令への委任)
第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (令和元年5月31日法律第16号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 略
 第2条中住民基本台帳法目次の改正規定(「第15条」を「第15条の4」に、「第20条」を「第21条の3」に、「第21条」を「第21条の4」に改める部分に限る。)、同法第2条及び第3条の改正規定、同法第10条の次に1条を加える改正規定、同法第12条第1項及び第5項、第12条の2第4項並びに第12条の4第4項の改正規定、同法第2章中第15条の次に3条を加える改正規定、同法第19条の次に1条を加える改正規定、同法第20条第1項の改正規定、同法第21条の改正規定(「すべて」を「全て」に改める部分に限る。)、同条を同法第21条の4とする改正規定、同法第3章に3条を加える改正規定(第21条の3第5項の表第12条第5項の項、第12条の2第4項の項及び第12条の3第7項の項に係る部分を除く。)並びに同法第24条、第30条の51、第36条の2第1項、第37条第1項、第43条、第46条第2号及び第48条第1項の改正規定並びに第3条中電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律第66条第2項の改正規定及び同法第79条に1項を加える改正規定並びに附則第4条第1項、第2項、第5項から第7項まで、第11項及び第12項、第57条、第58条、第61条並びに第63条(日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19年法律第51号)第36条第2項の改正規定に限る。)の規定 公布の日から起算して20日を経過した日
別記様式(第56条関係)
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