こうれいしゃ、しょうがいしゃとうのいどうとうのえんかつかのそくしんにかんするほうりつしこうれい
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令
平成18年政令第379号
内閣は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2条第6号、第9号、第13号、第16号から第18号まで及び第20号ただし書、第9条第1項及び第2項、第14条第1項、第19条、第32条第5項、第39条第1項及び第3項、第53条第3項並びに附則第4条第3項の規定に基づき、この政令を制定する。
(特定旅客施設の要件)
第1条 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「法」という。)第2条第6号の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。
一 当該旅客施設の1日当たりの平均的な利用者の人数(当該旅客施設が新たに建設される場合にあっては、当該旅客施設の1日当たりの平均的な利用者の人数の見込み)が5000人以上であること。
二 次のいずれかに該当することにより当該旅客施設を利用する高齢者又は障害者の人数(当該旅客施設が新たに建設される場合にあっては、当該旅客施設を利用する高齢者又は障害者の人数の見込み)が前号の要件に該当する旅客施設を利用する高齢者又は障害者の人数と同程度以上であると認められること。
イ 当該旅客施設が所在する市町村の区域における人口及び高齢者の人数を基準として国土交通省令・内閣府令・総務省令の定めるところにより算定した当該旅客施設を利用する高齢者の人数が、全国の区域における人口及び高齢者の人数を基準として国土交通省令・内閣府令・総務省令の定めるところにより算定した前号の要件に該当する旅客施設を利用する高齢者の人数以上であること。
ロ 当該旅客施設が所在する市町村の区域における人口及び障害者の人数を基準として国土交通省令・内閣府令・総務省令の定めるところにより算定した当該旅客施設を利用する障害者の人数が、全国の区域における人口及び障害者の人数を基準として国土交通省令・内閣府令・総務省令の定めるところにより算定した前号の要件に該当する旅客施設を利用する障害者の人数以上であること。
三 前2号に掲げるもののほか、当該旅客施設及びその周辺に所在する官公庁施設、福祉施設その他の施設の利用の状況並びに当該旅客施設の周辺における移動等円滑化の状況からみて、当該旅客施設について移動等円滑化のための事業を優先的に実施する必要性が特に高いと認められるものであること。
(特定道路)
第2条 法第2条第9号の政令で定める道路は、生活関連経路を構成する道路法(昭和27年法律第180号)による道路のうち多数の高齢者、障害者等の移動が通常徒歩で行われるものであって国土交通大臣がその路線及び区間を指定したものとする。
(特定公園施設)
第3条 法第2条第13号の政令で定める公園施設は、公園施設のうち次に掲げるもの(法令又は条例の定める現状変更の規制及び保存のための措置がとられていることその他の事由により法第13条の都市公園移動等円滑化基準に適合させることが困難なものとして国土交通省令で定めるものを除く。)とする。
一 都市公園の出入口と次号から第12号までに掲げる公園施設その他国土交通省令で定める主要な公園施設(以下この号において「屋根付広場等」という。)との間の経路及び第6号に掲げる駐車場と屋根付広場等(当該駐車場を除く。)との間の経路を構成する園路及び広場
二 屋根付広場
三 休憩所
四 野外劇場
五 野外音楽堂
六 駐車場
七 便所
八 水飲場
九 手洗場
十 管理事務所
十一 掲示板
十二 標識
(特定建築物)
第4条 法第2条第16号の政令で定める建築物は、次に掲げるもの(建築基準法(昭和25年法律第201号)第3条第1項に規定する建築物及び文化財保護法(昭和25年法律第214号)第143条第1項又は第2項の伝統的建造物群保存地区内における同法第2条第1項第6号の伝統的建造物群を構成している建築物を除く。)とする。
一 学校
二 病院又は診療所
三 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
四 集会場又は公会堂
五 展示場
六 卸売市場又は百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
七 ホテル又は旅館
八 事務所
九 共同住宅、寄宿舎又は下宿
十 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
十一 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
十二 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場
十三 博物館、美術館又は図書館
十四 公衆浴場
十五 飲食店又はキャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの
十六 理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
十七 自動車教習所又は学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類するもの
十八 工場
十九 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
二十 自動車の停留又は駐車のための施設
二十一 公衆便所
二十二 公共用歩廊
(特別特定建築物)
第5条 法第2条第17号の政令で定める特定建築物は、次に掲げるものとする。
一 特別支援学校
二 病院又は診療所
三 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
四 集会場又は公会堂
五 展示場
六 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
七 ホテル又は旅館
八 保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署
九 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(主として高齢者、障害者等が利用するものに限る。)
十 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
十一 体育館(一般公共の用に供されるものに限る。)、水泳場(一般公共の用に供されるものに限る。)若しくはボーリング場又は遊技場
十二 博物館、美術館又は図書館
十三 公衆浴場
十四 飲食店
十五 理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
十六 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
十七 自動車の停留又は駐車のための施設(一般公共の用に供されるものに限る。)
十八 公衆便所
十九 公共用歩廊
(建築物特定施設)
第6条 法第2条第18号の政令で定める施設は、次に掲げるものとする。
一 出入口
二 廊下その他これに類するもの(以下「廊下等」という。)
三 階段(その踊場を含む。以下同じ。)
四 傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)
五 エレベーターその他の昇降機
六 便所
七 ホテル又は旅館の客室
八 敷地内の通路
九 駐車場
十 その他国土交通省令で定める施設
(都道府県知事が所管行政庁となる建築物)
第7条 法第2条第20号ただし書の政令で定める建築物のうち建築基準法第97条の2第1項の規定により建築主事を置く市町村の区域内のものは、同法第6条第1項第4号に掲げる建築物(その新築、改築、増築、移転又は用途の変更に関して、法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定により都道府県知事の許可を必要とするものを除く。)以外の建築物とする。
2 法第2条第20号ただし書の政令で定める建築物のうち建築基準法第97条の3第1項の規定により建築主事を置く特別区の区域内のものは、次に掲げる建築物(第2号に掲げる建築物にあっては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2第1項の規定により同号に規定する処分に関する事務を特別区が処理することとされた場合における当該建築物を除く。)とする。
一 延べ面積(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第4号の延べ面積をいう。第24条において同じ。)が1万平方メートルを超える建築物
二 その新築、改築、増築、移転又は用途の変更に関して、建築基準法第51条(同法第87条第2項及び第3項において準用する場合を含み、市町村都市計画審議会が置かれている特別区にあっては、卸売市場に係る部分に限る。)の規定又は同法以外の法律若しくはこれに基づく命令若しくは条例の規定により都知事の許可を必要とする建築物
(基準適合性審査を行うべき許可、認可その他の処分に係る法令の規定等)
第8条 法第9条第1項の法令の規定で政令で定めるものは、次に掲げる規定とする。
一 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第8条第1項、第9条第1項(同法第12条第4項において準用する場合を含む。)、第10条第1項、第12条第1項及び第3項並びに第13条第1項及び第2項並びに全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)第9条第1項
二 軌道法(大正10年法律第76号)第5条第1項及び第10条並びに軌道法施行令(昭和28年政令第258号)第6条第1項本文
三 自動車ターミナル法(昭和34年法律第136号)第3条及び第11条第1項
2 法第9条第2項の法令の規定で政令で定めるものは、次に掲げる規定とする。
一 鉄道事業法第9条第3項(同法第12条第4項において準用する場合を含む。)及び第12条第2項
二 軌道法施行令第6条第1項ただし書
三 自動車ターミナル法第11条第3項
(基準適合義務の対象となる特別特定建築物の規模)
第9条 法第14条第1項の政令で定める規模は、床面積(増築若しくは改築又は用途の変更の場合にあっては、当該増築若しくは改築又は用途の変更に係る部分の床面積)の合計2000平方メートル(第5条第18号に掲げる公衆便所にあっては、50平方メートル)とする。
(建築物移動等円滑化基準)
第10条 法第14条第1項の政令で定める建築物特定施設の構造及び配置に関する基準は、次条から第23条までに定めるところによる。
(廊下等)
第11条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する廊下等は、次に掲げるものでなければならない。
一 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
二 階段又は傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)の上端に近接する廊下等の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、視覚障害者に対し段差又は傾斜の存在の警告を行うために、点状ブロック等(床面に敷設されるブロックその他これに類するものであって、点状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより容易に識別できるものをいう。以下同じ。)を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
(階段)
第12条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段は、次に掲げるものでなければならない。
一 踊場を除き、手すりを設けること。
二 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
三 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとすること。
四 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
五 段がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、視覚障害者に対し警告を行うために、点状ブロック等を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
六 主たる階段は、回り階段でないこと。ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。
(階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路)
第13条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げるものでなければならない。
一 勾配が12分の1を超え、又は高さが16センチメートルを超える傾斜がある部分には、手すりを設けること。
二 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
三 その前後の廊下等との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことによりその存在を容易に識別できるものとすること。
四 傾斜がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、視覚障害者に対し警告を行うために、点状ブロック等を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
(便所)
第14条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合には、そのうち1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)は、次に掲げるものでなければならない。
一 便所内に、車椅子を使用している者(以下「車椅子使用者」という。)が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造の便房(以下「車椅子使用者用便房」という。)を1以上設けること。
二 便所内に、高齢者、障害者等が円滑に利用することができる構造の水洗器具を設けた便房を1以上設けること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する男子用小便器のある便所を設ける場合には、そのうち1以上に、床置式の小便器、壁掛式の小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を1以上設けなければならない。
(ホテル又は旅館の客室)
第15条 ホテル又は旅館には、客室の総数が50以上の場合は、車椅子使用者が円滑に利用できる客室(以下「車椅子使用者用客室」という。)を客室の総数に100分の1を乗じて得た数(その数に1未満の端数があるときは、その端数を切り上げた数)以上設けなければならない。
2 車椅子使用者用客室は、次に掲げるものでなければならない。
一 便所は、次に掲げるものであること。ただし、当該客室が設けられている階に不特定かつ多数の者が利用する便所(車椅子使用者用便房が設けられたものに限る。)が1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)設けられている場合は、この限りでない。
イ 便所内に車椅子使用者用便房を設けること。
ロ 車椅子使用者用便房及び当該便房が設けられている便所の出入口は、次に掲げるものであること。
(1) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(2) 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
二 浴室又はシャワー室(以下この号において「浴室等」という。)は、次に掲げるものであること。ただし、当該客室が設けられている建築物に不特定かつ多数の者が利用する浴室等(次に掲げるものに限る。)が1以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)設けられている場合は、この限りでない。
イ 車椅子使用者が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造であること。
ロ 出入口は、前号ロに掲げるものであること。
(敷地内の通路)
第16条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する敷地内の通路は、次に掲げるものでなければならない。
一 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
二 段がある部分は、次に掲げるものであること。
イ 手すりを設けること。
ロ 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとすること。
ハ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
三 傾斜路は、次に掲げるものであること。
イ 勾配が12分の1を超え、又は高さが16センチメートルを超え、かつ、勾配が20分の1を超える傾斜がある部分には、手すりを設けること。
ロ その前後の通路との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことによりその存在を容易に識別できるものとすること。
(駐車場)
第17条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合には、そのうち1以上に、車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を1以上設けなければならない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げるものでなければならない。
一 幅は、350センチメートル以上とすること。
二 次条第1項第3号に定める経路の長さができるだけ短くなる位置に設けること。
(移動等円滑化経路)
第18条 次に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める経路のうち1以上(第4号に掲げる場合にあっては、その全て)を、高齢者、障害者等が円滑に利用できる経路(以下この条において「移動等円滑化経路」という。)にしなければならない。
一 建築物に、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する居室(以下「利用居室」という。)を設ける場合 道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)から当該利用居室までの経路(直接地上へ通ずる出入口のある階(以下この条において「地上階」という。)又はその直上階若しくは直下階のみに利用居室を設ける場合にあっては、当該地上階とその直上階又は直下階との間の上下の移動に係る部分を除く。)
二 建築物又はその敷地に車椅子使用者用便房(車椅子使用者用客室に設けられるものを除く。以下同じ。)を設ける場合 利用居室(当該建築物に利用居室が設けられていないときは、道等。次号において同じ。)から当該車椅子使用者用便房までの経路
三 建築物又はその敷地に車椅子使用者用駐車施設を設ける場合 当該車椅子使用者用駐車施設から利用居室までの経路
四 建築物が公共用歩廊である場合 その一方の側の道等から当該公共用歩廊を通過し、その他方の側の道等までの経路(当該公共用歩廊又はその敷地にある部分に限る。)
2 移動等円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。
一 当該移動等円滑化経路上に階段又は段を設けないこと。ただし、傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する場合は、この限りでない。
二 当該移動等円滑化経路を構成する出入口は、次に掲げるものであること。
イ 幅は、80センチメートル以上とすること。
ロ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
三 当該移動等円滑化経路を構成する廊下等は、第11条の規定によるほか、次に掲げるものであること。
イ 幅は、120センチメートル以上とすること。
ロ 50メートル以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所を設けること。
ハ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
四 当該移動等円滑化経路を構成する傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、第13条の規定によるほか、次に掲げるものであること。
イ 幅は、階段に代わるものにあっては120センチメートル以上、階段に併設するものにあっては90センチメートル以上とすること。
ロ 勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが16センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超えないこと。
ハ 高さが75センチメートルを超えるものにあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメートル以上の踊場を設けること。
五 当該移動等円滑化経路を構成するエレベーター(次号に規定するものを除く。以下この号において同じ。)及びその乗降ロビーは、次に掲げるものであること。
イ 籠(人を乗せ昇降する部分をいう。以下この号において同じ。)は、利用居室、車椅子使用者用便房又は車椅子使用者用駐車施設がある階及び地上階に停止すること。
ロ 籠及び昇降路の出入口の幅は、80センチメートル以上とすること。
ハ 籠の奥行きは、135センチメートル以上とすること。
ニ 乗降ロビーは、高低差がないものとし、その幅及び奥行きは、150センチメートル以上とすること。
ホ 籠内及び乗降ロビーには、車椅子使用者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。
ヘ 籠内に、籠が停止する予定の階及び籠の現在位置を表示する装置を設けること。
ト 乗降ロビーに、到着する籠の昇降方向を表示する装置を設けること。
チ 不特定かつ多数の者が利用する建築物(床面積の合計が2000平方メートル以上の建築物に限る。)の移動等円滑化経路を構成するエレベーターにあっては、イからハまで、ホ及びヘに定めるもののほか、次に掲げるものであること。
(1) 籠の幅は、140センチメートル以上とすること。
(2) 籠は、車椅子の転回に支障がない構造とすること。
リ 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するエレベーター及び乗降ロビーにあっては、イからチまでに定めるもののほか、次に掲げるものであること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
(1) 籠内に、籠が到着する階並びに籠及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置を設けること。
(2) 籠内及び乗降ロビーに設ける制御装置(車椅子使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては、当該その他の位置に設けるものに限る。)は、点字その他国土交通大臣が定める方法により視覚障害者が円滑に操作することができる構造とすること。
(3) 籠内又は乗降ロビーに、到着する籠の昇降方向を音声により知らせる装置を設けること。
六 当該移動等円滑化経路を構成する国土交通大臣が定める特殊な構造又は使用形態のエレベーターその他の昇降機は、車椅子使用者が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造とすること。
七 当該移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、第16条の規定によるほか、次に掲げるものであること。
イ 幅は、120センチメートル以上とすること。
ロ 50メートル以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所を設けること。
ハ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。
ニ 傾斜路は、次に掲げるものであること。
(1) 幅は、段に代わるものにあっては120センチメートル以上、段に併設するものにあっては90センチメートル以上とすること。
(2) 勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが16センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超えないこと。
(3) 高さが75センチメートルを超えるもの(勾配が20分の1を超えるものに限る。)にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメートル以上の踊場を設けること。
3 第1項第1号に定める経路を構成する敷地内の通路が地形の特殊性により前項第7号の規定によることが困難である場合における前2項の規定の適用については、第1項第1号中「道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)」とあるのは、「当該建築物の車寄せ」とする。
(標識)
第19条 移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設の付近には、国土交通省令で定めるところにより、それぞれ、当該エレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設があることを表示する標識を設けなければならない。
(案内設備)
第20条 建築物又はその敷地には、当該建築物又はその敷地内の移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設の配置を表示した案内板その他の設備を設けなければならない。ただし、当該エレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設の配置を容易に視認できる場合は、この限りでない。
2 建築物又はその敷地には、当該建築物又はその敷地内の移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機又は便所の配置を点字その他国土交通大臣が定める方法により視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。
3 案内所を設ける場合には、前2項の規定は適用しない。
(案内設備までの経路)
第21条 道等から前条第2項の規定による設備又は同条第3項の規定による案内所までの経路(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)は、そのうち1以上を、視覚障害者が円滑に利用できる経路(以下この条において「視覚障害者移動等円滑化経路」という。)にしなければならない。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。
2 視覚障害者移動等円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。
一 当該視覚障害者移動等円滑化経路に、視覚障害者の誘導を行うために、線状ブロック等(床面に敷設されるブロックその他これに類するものであって、線状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより容易に識別できるものをいう。)及び点状ブロック等を適切に組み合わせて敷設し、又は音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設けること。ただし、進行方向を変更する必要がない風除室内においては、この限りでない。
二 当該視覚障害者移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路の次に掲げる部分には、視覚障害者に対し警告を行うために、点状ブロック等を敷設すること。
イ 車路に近接する部分
ロ 段がある部分又は傾斜がある部分の上端に近接する部分(視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除く。)
(増築等に関する適用範囲)
第22条 建築物の増築又は改築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。第1号において「増築等」という。)をする場合には、第11条から前条までの規定は、次に掲げる建築物の部分に限り、適用する。
一 当該増築等に係る部分
二 道等から前号に掲げる部分にある利用居室までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
三 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所
四 第1号に掲げる部分にある利用居室(当該部分に利用居室が設けられていないときは、道等)から車椅子使用者用便房(前号に掲げる便所に設けられるものに限る。)までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
五 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場
六 車椅子使用者用駐車施設(前号に掲げる駐車場に設けられるものに限る。)から第1号に掲げる部分にある利用居室(当該部分に利用居室が設けられていないときは、道等)までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、エレベーターその他の昇降機及び敷地内の通路
(条例で定める特定建築物に関する読替え)
第23条 法第14条第3項の規定により特別特定建築物に条例で定める特定建築物を追加した場合における第11条から第14条まで、第16条、第17条第1項、第18条第1項及び前条の規定の適用については、これらの規定中「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する」とあるのは「多数の者が利用する」と、同条中「特別特定建築物」とあるのは「法第14条第3項の条例で定める特定建築物」とする。
(認定特定建築物等の容積率の特例)
第24条 法第19条(法第22条の2第5項において準用する場合を含む。)の政令で定める床面積は、認定特定建築物又は認定協定建築物の延べ面積の10分の1を限度として、当該認定特定建築物の建築物特定施設又は当該認定協定建築物の協定建築物特定施設の床面積のうち、通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超えることとなるものとして国土交通大臣が定めるものとする。
(移動等円滑化の促進に支障を及ぼすおそれのある行為)
第25条 法第24条の6第1項の政令で定める行為は、次に掲げるもの(法第28条第1項の公共交通特定事業又は法第31条第1項の道路特定事業の施行として行うものを除く。)とする。
一 生活関連施設である旅客施設(以下この条において「生活関連旅客施設」という。)の建設又は改良であって、当該生活関連旅客施設における車両等の乗降口と次のイ若しくはロに掲げる施設で当該生活関連旅客施設に隣接するものとの間の経路又は高齢者、障害者等の円滑な利用に適するものとして国土交通省令で定める経路を構成する出入口の新設又は構造若しくは配置の変更を伴うもの
イ 他の生活関連旅客施設
ロ 生活関連経路を構成する一般交通用施設(移動等円滑化の促進の必要性その他の事情を勘案して国土交通省令で定めるものに限る。)
二 生活関連経路を構成する道路法による道路のうち、次のイ又はロに掲げる施設で当該道路に接するものの高齢者、障害者等による円滑な利用を確保するため必要があると認めて市町村が国土交通省令で定めるところにより指定する部分の新設、改築又は修繕
イ 生活関連旅客施設
ロ 生活関連経路を構成する一般交通用施設(移動等円滑化の促進の必要性その他の事情を勘案して国土交通省令で定めるものに限る。)
(道路管理者の権限の代行)
第26条 法第32条第5項の規定により市町村が道路管理者に代わって行う権限は、道路法施行令(昭和27年政令第479号)第4条第1項第4号、第19号、第20号(道路法第46条第1項第2号の規定による通行の禁止又は制限に係る部分に限る。次項において同じ。)、第27号、第28号、第30号、第31号及び第36号(道路法第95条の2第1項の規定による意見の聴取又は通知に係る部分に限る。)に掲げるもののうち、市町村が道路管理者と協議して定めるものとする。この場合において、当該市町村は、成立した協議の内容を公示しなければならない。
2 市町村は、法第32条第5項の規定により道路管理者に代わって道路法施行令第4条第1項第19号又は第20号に掲げる権限を行った場合には、遅滞なく、その旨を道路管理者に通知しなければならない。
3 第1項に規定する市町村の権限は、法第32条第4項の規定に基づき公示される工事の開始の日から工事の完了の日までに限り行うことができるものとする。ただし、道路法施行令第4条第1項第30号及び第31号に掲げる権限については、工事の完了の日後においても行うことができる。
(保留地において生活関連施設等を設置する者)
第27条 法第39条第1項の政令で定める者は、国(国の全額出資に係る法人を含む。)又は地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人とする。
(生活関連施設等の用地として処分された保留地の対価に相当する金額の交付基準)
第28条 法第39条第3項の規定により交付すべき額は、処分された保留地の対価に相当する金額を土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額で除して得た数値を土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第103条第4項の規定による公告があった日における従前の宅地又はその宅地について存した地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、若しくは収益することができる権利の土地区画整理事業の施行前の価額に乗じて得た額とする。
(報告及び立入検査)
第29条 所管行政庁は、法第53条第3項の規定により、法第14条第1項の政令で定める規模(同条第3項の条例で別に定める規模があるときは、当該別に定める規模。以下この項において同じ。)以上の特別特定建築物(同条第3項の条例で定める特定建築物を含む。以下この項において同じ。)の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。)若しくは維持保全をする建築主等に対し、当該特別特定建築物につき、当該特別特定建築物の建築物移動等円滑化基準(同条第3項の条例で付加した事項を含む。次項において同じ。)への適合に関する事項に関し報告をさせ、又はその職員に、同条第1項の政令で定める規模以上の特別特定建築物若しくはその工事現場に立ち入り、当該特別特定建築物の建築物特定施設及びこれに使用する建築材料並びに設計図書その他の関係書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 所管行政庁は、法第53条第3項の規定により、法第35条第1項の規定に基づき建築物特定事業を実施すべき建築主等に対し、当該建築物特定事業が実施されるべき特定建築物につき、当該特定建築物の建築物移動等円滑化基準への適合に関する事項に関し報告をさせ、又はその職員に、当該特定建築物若しくはその工事現場に立ち入り、当該特定建築物の建築物特定施設及びこれに使用する建築材料並びに設計図書その他の関係書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
附則
(施行期日)
第1条 この政令は、法の施行の日(平成18年12月20日)から施行する。
(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行令及び高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律施行令の廃止)
第2条 次に掲げる政令は、廃止する。
一 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行令(平成6年政令第311号)
二 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律施行令(平成12年政令第443号)
(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行令の廃止に伴う経過措置)
第3条 この政令の施行の日から起算して6月を経過する日までの間は、第5条第19号、第9条、第14条、第15条、第18条第1項第4号及び第19条から第21条までの規定は適用せず、なお従前の例による。
(類似の用途)
第4条 法附則第4条第3項の政令で指定する類似の用途は、当該特別特定建築物が次の各号のいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該各号に掲げる他の用途とする。
一 病院又は診療所(患者の収容施設があるものに限る。)
二 劇場、映画館又は演芸場
三 集会場又は公会堂
四 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
五 ホテル又は旅館
六 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(主として高齢者、障害者等が利用するものに限る。)
七 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
八 博物館、美術館又は図書館
附則 (平成19年3月22日政令第55号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成19年4月1日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第3条 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成19年8月3日政令第235号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成19年10月1日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第41条 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成19年9月20日政令第292号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (平成19年9月25日政令第304号)
(施行期日)
1 この政令は、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日(平成19年9月28日)から施行する。
(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部改正に伴う経過措置)
2 この政令の施行前に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第32条第2項において読み替えて準用する同法第31条第6項の規定により公表された道路特定事業計画に基づき市町村(道路法(昭和27年法律第180号)第17条第1項の指定市を除く。)が高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第2条第24号に規定する道路特定事業(以下この項において単に「道路特定事業」という。)を実施する場合における同法第32条第5項の規定による権限の行使については、第19条の規定による改正後の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第25条の規定にかかわらず、当該道路特定事業計画に定められた道路特定事業の実施予定期間内に限り、なお従前の例による。
附則 (平成26年5月28日政令第187号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、道路法等の一部を改正する法律附則第1条ただし書に規定する規定の施行の日(平成26年5月30日)から施行する。
附則 (平成27年1月23日政令第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、道路法等の一部を改正する法律附則第1条ただし書に規定する規定の施行の日(平成27年4月1日)から施行する。
附則 (平成28年3月31日政令第182号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成28年4月1日から施行する。
附則 (平成30年9月28日政令第280号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、道路法等の一部を改正する法律の施行の日(平成30年9月30日)から施行する。
附則 (平成30年10月19日政令第298号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第32号)の施行の日(平成30年11月1日)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第24条(見出しを含む。)の改正規定及び附則第3項の規定 平成31年4月1日
二 第15条の改正規定(同条第1項中「1以上」を「客室の総数に100分の1を乗じて得た数(その数に1未満の端数があるときは、その端数を切り上げた数)以上」に改める部分に限る。)及び次項の規定 平成31年9月1日
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。