けいじしせつおよびひしゅうようしゃのしょぐうにかんするきそく
刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則
平成18年法務省令第57号
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成17年法律第50号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律施行規則を次のように定める。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、刑事施設及び被収容者の処遇に関し、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号。以下「法」という。)の規定による委任に基づく事項その他法の施行に必要な事項を定めるものとする。
(刑事施設視察委員会の名称)
第2条 刑事施設視察委員会(以下「委員会」という。)の名称は、視察委員会という文字にその置かれる刑事施設の名称を冠したものとする。
(委員長)
第3条 委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 委員長は、委員会の会務を総理する。
3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。
(委員会の議事)
第4条 委員会の会議は、委員長が招集する。
2 委員会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 前2項に定めるもののほか、委員会の議事に関し必要な事項は、委員会が定める。
(委員会の庶務)
第5条 委員会の庶務は、その置かれる刑事施設の総務部庶務課において処理する。
(委員会に対する情報の提供)
第6条 刑事施設の長は、毎年度、その年度における最初の委員会の会議において、刑事施設に関する次に掲げる事項について、刑事施設の運営の状況を把握するのに必要な情報を記載した書面を提出するものとする。
一 敷地及び建物の概況
二 収容定員及び収容人員の推移
三 職員定員及びその充足の状況
四 参観の許否の状況
五 法第40条の規定による物品の貸与及び支給並びに法第41条の規定による自弁の物品の使用又は摂取の許否の状況
六 被収容者に対して講じた保健衛生上及び医療上の措置の状況
七 宗教家による宗教上の儀式行事及び教誨の実施の状況
八 自弁の書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧の禁止又は制限の状況
九 規律及び秩序を維持するために執った措置の状況
十 民間の篤志家、関係行政機関その他の者による受刑者の処遇に関する協力の状況
十一 矯正処遇等(矯正処遇及び法第85条第1項の規定による指導をいう。以下同じ。)の実施の状況
十二 被収容者による面会、信書の発受及び法第146条第1項に規定する通信の許否、禁止、差止め又は制限の状況
十三 懲罰の科罰の状況
十四 審査の申請、再審査の申請、法第163条第1項又は第165条第1項の規定による申告及び苦情の申出の状況並びにそれらの処理の結果
十五 仮釈放及び仮出場を許すべき旨の申出の状況
2 刑事施設の長は、次に掲げる場合には、委員会の会議において、その状況を把握するのに必要な情報を記載した書面を提出するものとする。
一 刑事施設の運営の状況に相当程度の変更があった場合
二 委員会から刑事施設の運営の状況について説明を求められた場合
三 委員会の意見を受けて措置を講じた場合
(委員会の意見の反映)
第6条の2 刑事施設の長は、できる限り、委員会が述べた意見を刑事施設の運営に反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(刑務官の指定)
第7条 刑務官は、次に掲げる者のうちから指定する。
一 刑事施設の長
二 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)別表第4イ公安職俸給表(一)の適用を受ける法務事務官
(刑務官の階級)
第8条 刑務官の階級は、矯正監、矯正長、矯正副長、看守長、副看守長、看守部長及び看守とする。
第2章 収容の開始
(収容開始時の告知の方法等)
第9条 法第33条の規定による告知を行う際には、同条第1項第6号及び第8号から第11号までに掲げる事項については、刑事施設の職員により、その概要を口頭で説明するものとする。
2 法第33条第2項の書面は、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。以下同じ。)に備え付けるものとする。
3 刑事施設の長は、法第33条の規定による告知を行った後、告知した内容に変更があった場合には、その都度、被収容者に対し、変更された内容を書面で告知しなければならない。この場合においては、前2項の規定を準用する。
(識別のための身体検査の方法)
第10条 法第34条第1項の規定による検査は、次に掲げる方法により行うものとする。
一 顔写真の撮影
二 身体の特徴の見分
三 指紋の採取
四 手の静脈の電子計算機の用に供される画像情報の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。)による採取
第3章 処遇の態様
(法第35条第1項に規定する法務省令で定める場合)
第11条 法第35条第1項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 運動、入浴又は面会の場合
二 健康診断又は診療の場合
三 前2号に掲げる場合のほか、居室において行うことが困難な処遇を行う場合
第4章 起居動作の時間帯等
(起居動作の時間帯)
第12条 法第38条第1号に掲げる時間帯は、次の各号に規定する時間帯について次に掲げる基準に従い定めるほか、居室に在室していることを確認するための点検の時間帯について定めるものとする。
一 食事の時間帯は、朝食については午前6時30分から午前8時30分までの間で、昼食については午前11時から午後一時までの間で、夕食については午後4時から午後7時までの間で定めること。
二 就寝の時間帯は、午後9時から翌日の午前8時までの間で、連続する8時間以上の時間帯を定めること。
三 運動の時間帯は、午前7時から午後5時までの間で定めること。ただし、居室内において運動を行う機会を与えるときは、午前7時から午後7時までの間で定めることができる。
四 入浴の時間帯は、午前7時から午後9時までの間で定めること。
2 法第38条第2号に掲げる時間帯は、次に掲げる基準に従い定めるものとする。
一 矯正処遇等の時間帯は、午前7時から午後7時までの間で定め、矯正処遇等を行う時間が6時間を超えるときは、その途中に、20分以上の休憩の時間帯を定めること。
二 余暇に充てられるべき時間帯(以下「余暇時間帯」という。)は、矯正処遇等を行う日においては、2時間以上の時間帯を定めること。
3 法第38条各号に掲げる時間帯は、受刑者について、作業の性質、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、前2項各号に掲げる基準によらないで定めることができる。
(余暇活動の援助)
第13条 法第39条第2項の規定による援助は、次項に定めるところによるほか、運動競技その他の複数の被収容者が共同で参加することができる活動の企画、刑事施設に備え付けた書籍等、運動器具、遊具その他の物品の貸与その他余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。以下同じ。)における活動を行うのに必要かつ適切な措置を講ずることにより行うものとする。
2 受刑者の余暇時間帯における教育的活動に要する費用については、刑事施設の長がその活動の内容に照らして相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。
第5章 物品の貸与等及び自弁
(室内装飾品の貸与等)
第14条 被収容者には、室内装飾品は、法第89条の規定による優遇措置(以下「優遇措置」という。)として貸与するほか、その者の処遇上特に適当と認める場合に限り、貸与することができるものとする。
2 被収容者には、嗜好品は、優遇措置として支給するほか、受刑者の処遇として特別な行事を行う場合並びに国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第2条に規定する国民の祝日、1月2日及び1月3日に限り、支給することができるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、法第40条第2項の規定により被収容者に貸与し、又は支給する物品の品名及びその貸与又は支給の基準は、法務大臣が定める。
(受刑者の自弁の物品の使用等)
第15条 受刑者には、法第41条第1項各号に掲げる物品(法第42条第1項各号に掲げる物品を除く。以下この条及び次条において同じ。)について、この条の定めるところにより、必要な数量の範囲内で、自弁のものの使用又は摂取を許すことができるものとする。
2 受刑者には、法第41条第1項第1号に掲げる物品は、下着(法務大臣が定める品名のものに限る。)及び靴下について、自弁のものの使用を許し、寝衣について、優遇措置として自弁のものの使用を許すものとするほか、それら以外の物品については、護送する場合及び外部通勤作業(法第96条第1項の規定による作業をいう。以下同じ。)を行わせる場合において適当と認めるときに限り、自弁のものの使用を許すことができるものとする。
3 受刑者には、法第41条第1項第2号及び第4号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、優遇措置として自弁のものの摂取を許すほか、外部通勤作業を行わせる場合、法第106条第1項の規定により外出又は外泊を許す場合その他法務大臣が定める場合において適当と認めるときに限り、自弁のものの摂取を許すことができるものとする。
4 受刑者には、法第41条第1項第3号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、優遇措置として自弁のものの使用を許すほか、その者の処遇上適当と認める場合に限り、自弁のものの使用を許すことができるものとする。
5 受刑者には、法第41条第1項第5号に掲げる物品は、サンダル、座布団及び余暇時間帯における娯楽的活動に用いる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、優遇措置として自弁のものの使用を許すほか、次に掲げる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、自弁のものの使用を許すことができるものとする。
一 タオル、石けん、洗髪剤、洗顔用具、調髪用具、靴その他の日用品
二 文房具その他の余暇時間帯における知的及び教育的活動に用いる物品
三 手袋、マスクその他の身体に装着する物品(衣類を除く。)であって、受刑者の健康状態その他の事情に照らして使用することが必要なもの
6 受刑者には、法第41条第1項各号に掲げる物品についての自弁のものの使用及び摂取は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに法第2編第2章第12節の規定により禁止される場合には、これを許さないものとする。受刑者としての地位に照らして使用又は摂取を許すことが適当でない物品についても、同様とする。
7 前各項に定めるもののほか、法第41条第1項の規定により受刑者に自弁の物品の使用又は摂取を許す基準は、法務大臣が定める。
(受刑者以外の被収容者の自弁の物品の使用等)
第16条 受刑者以外の被収容者には、法第41条第1項各号に掲げる物品及び寝具について、この条の定めるところにより、必要な数量の範囲内で、自弁のものの使用又は摂取を許すものとする。
2 受刑者以外の被収容者には、法第41条第1項第3号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、自弁のものの使用を許すものとする。
3 受刑者以外の被収容者には、法第41条第1項第4号に掲げる物品は、たばこ以外の物品について、自弁のものの摂取を許すものとする。
4 受刑者以外の被収容者には、法第41条第1項第5号に掲げる物品は、次に掲げる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、自弁のものの使用又は摂取を許すものとする。
一 タオル、石けん、洗髪剤、洗顔用具、調髪用具、サンダル、座布団、ハンガーその他の日用品
二 文房具、遊具その他の余暇時間帯等における知的、教育的及び娯楽的活動に用いる物品
三 手袋、マスクその他の身体に装着する物品(衣類を除く。)であって、受刑者以外の被収容者の健康状態その他の事情に照らして使用することが必要なもの
(法第42条第1項第5号に規定する法務省令で定める物品)
第17条 法第42条第1項第5号に規定する法務省令で定める物品は、次に掲げる物品とする。
一 印紙及び印鑑
二 かつら(法第106条第1項の規定により外出し、又は外泊する場合、裁判所に出頭する場合その他の刑事施設の長がかつらの着用を許すことが適当と認める場合に限る。)
第6章 金品の取扱い
(差入れの申出書の提出等)
第18条 刑事施設の長は、被収容者に金品を交付しようとする者に対し、次に掲げる事項について、これを記載した申出書の提出を求め、又は質問することができる。
一 氏名、生年月日、住所、電話番号及び職業
二 交付の相手方である被収容者の氏名及びその者との関係
三 交付しようとする現金の額又は物品の品名及び数量
2 刑事施設の長は、前項に規定する者に対し、同項第1号及び第2号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。
(保管私物の保管方法)
第19条 法第48条第1項に規定する保管私物(以下この条及び次条において「保管私物」という。)は、刑事施設の長が指定する居室内又は居室外の棚、容器その他の保管設備に保管させるものとする。
2 保管私物を居室外の保管設備に保管させるときは、被収容者に、1日に1回以上、その設備に保管私物を出し入れする機会を与えなければならない。ただし、居室棟外の保管設備について、次に掲げる日にその機会を与えることが刑事施設の管理運営上困難であるときは、この限りでない。
一 日曜日
二 土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、1月2日、1月3日及び12月29日から12月31日までの日
三 法務大臣が定める7月から9月までの間の前2号に掲げる日を除いて連続する3日
四 刑事施設の長が、1月につき4日の範囲内で、その刑事施設において矯正処遇等のうち専ら作業(連日作業(炊事、食事の配給又は畜産に関する作業その他その性質上連日行うことが必要な作業をいう。以下同じ。)を除く。)以外のものを行う日として定める日
(法第48条第2項に規定する法務省令で定めるもの)
第20条 法第48条第2項に規定する保管私物及び被収容者について領置している物品から除くものとして法務省令で定めるものは、次に掲げる物品とする。
一 被収容者が当事者である係属中の裁判所の事件に関する記録その他の書類又はその写し
二 眼鏡その他の補正器具
(差入れ等に関する制限)
第21条 法第51条の規定による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入についての制限は、次に掲げる制限をすることにより行うことができるものとする。
一 次のイ又はロに掲げる事項についての制限
イ 被収容者に対する金品の交付の申出及び被収容者による自弁物品等の購入の申請の日及び時間帯
ロ 1人の者が一定の期間内に1人の被収容者に交付する物品の種類ごとの数量及び被収容者が一定の期間内に購入する自弁物品等の種類ごとの数量
二 被収容者に交付しようとする物品又は被収容者が購入しようとする自弁物品等であって、刑事施設の長が定める種類のものについて、刑事施設の長が指定する事業者から購入するものに制限すること。
(法第55条第1項に規定する法務省令で定める遺族その他の者)
第22条 法第55条第1項に規定する法務省令で定める遺族その他の者は、次に掲げる者とする。
一 被収容者が指定した者(1人に限る。)
二 被収容者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
三 被収容者がその国籍を有する外国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者
(死亡者の遺留物の引渡し)
第23条 死亡した被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下同じ。)は、前条各号に掲げる者のうち、最初にその引渡しを申請した者に引き渡すものとする。ただし、第92条第1項各号に掲げる順序に従いその者より先順位の者に対し法第176条の規定による通知を行った場合(その者がその遺留物の交付を申請しない旨の意思表示をしたときを除く。)において、相当の期間内に、その者からその引渡しの申請があったときは、その遺留物は、その者に引き渡す。
第7章 保健衛生及び医療
(法第57条に規定する法務省令で定める日等)
第24条 法第57条に規定する法務省令で定める日は、次に掲げる日とする。
一 第19条第2項第2号から第4号までに掲げる日
二 戸外で矯正処遇として運動競技を行う日
2 被収容者には、1日に30分以上、かつ、できる限り長時間、運動の機会を与えるものとする。
(入浴の回数等)
第25条 被収容者には、収容の開始後速やかに、及び1週間に2回以上(閉居罰(法第151条第1項第6号の懲罰をいう。以下同じ。)を科されている者については、1週間に1回以上)、入浴を行わせる。
2 女子の被収容者の入浴の立会いは、女子の職員が行わなければならない。
(受刑者の調髪及びひげそりの回数等)
第26条 男子の受刑者には、刑の執行開始後速やかに、及びおおむね1月に1回、調髪を行わせる。
2 男子の受刑者には、刑の執行開始後速やかに、及び1週間に2回以上(閉居罰を科されている者については、1週間に1回以上)、ひげそりを行わせる。
3 女子の受刑者には、必要があるときに、調髪及び顔そりを行わせる。
4 前3項の規定にかかわらず、受刑者が調髪又はひげそりを行わないことを希望する場合において、その宗教、その者が国籍を有する国における風俗慣習、釈放の時期その他の事情を考慮して相当と認めるときは、調髪又はひげそりを行わせないものとする。
5 受刑者に行わせる調髪の髪型の基準は、法務大臣が定める。
(受刑者以外の被収容者の調髪及びひげそりの回数等)
第27条 受刑者以外の被収容者であって男子であるものには、おおむね2月に1回以上、調髪を行うことを許すものとする。
2 受刑者以外の被収容者であって女子であるものには、おおむね3月に1回以上、調髪を行うことを許すものとする。
3 受刑者以外の被収容者であって男子であるものには、1週間に2回以上(閉居罰を科されている者については、1週間に1回以上)、ひげそりを行うことを許すものとする。
4 受刑者以外の被収容者であって女子であるものには、1月に1回以上、顔そりを行うことを許すものとする。
5 受刑者以外の被収容者の行う調髪(自弁により行うものを除く。)の髪型の基準は、法務大臣が定める。
(調髪及びひげそりの方法の基準)
第28条 被収容者の行う調髪、ひげそり及び顔そりの方法の基準は、法務大臣が定める。
(健康診断の事項)
第29条 法第61条第1項前段の規定による健康診断は、次に掲げる事項について行うものとする。ただし、第1号、第3号(体重の測定を除く。)及び第5号から第11号までに掲げる事項については、医師が法務大臣が定める基準に従い必要でないと認めるときは、健康診断を省略することができる。
一 既往歴、生活歴及び家族の病歴の調査
二 自覚症状及び他覚症状の検査
三 身長及び体重の測定並びに視力及び聴力の検査
四 血圧の測定
五 尿中の糖及び蛋白の有無の検査
六 胸部エックス線検査
七 血色素量及び赤血球数の検査
八 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ—グルタミルトランスペプチダーゼ(γ—GTP)の検査
九 血清総コレステロール、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査
十 血糖検査
十一 心電図検査
2 法第61条第1項後段の規定による健康診断は、前項第2号に掲げる事項のほか、医師が必要と認める事項について行うものとする。
(指名医の遵守事項)
第30条 刑事施設の長は、法第63条第1項の規定による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を受けることを許す場合には、同項の診療を行う医師又は歯科医師に対し、次に掲げる事項を具体的に指示するものとする。
一 正当な理由なく、診療を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。
二 診療に用いる器具、材料、薬剤その他の物品について、刑事施設の長が指定するもの以外のものを使用してはならないこと。
三 被収容者と金品の授受をしてはならないこと。
四 被収容者と診療のため必要な範囲を明らかに逸脱した会話をしてはならないこと。
五 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項
(法第64条に規定する法務省令で定める措置)
第31条 法第64条に規定する法務省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。
一 感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類その他の物品についての消毒、廃棄その他病原体の繁殖及び飛散を防止する措置
二 作業を行わせないこと。
三 入浴又は調髪を行わせないこと。
(一般用医薬品の自弁)
第32条 法務大臣が指定する刑事施設においては、刑事施設の長は、被収容者に対し、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第25条第1号に規定する一般用医薬品(法務大臣が定める品名のものに限る。)であって、被収容者の健康状態に照らして、使用することが必要となる可能性があり、かつ、使用することがその健康を害するおそれが少ないものについて、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、必要な数量の範囲内で、自弁のものを使用するために保管することを許すものとする。
2 被収容者が前項の規定により保管する一般用医薬品は、必要があるときにその使用を不当に妨げることにならない限りにおいて、刑事施設の長が指定する居室内又は居室外の棚、容器その他の保管設備に保管させるものとする。
第8章 書籍等の閲覧
(翻訳の費用の負担)
第33条 法第70条第2項に規定する翻訳の費用は、書籍等の閲覧の目的及び被収容者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められるときに限り、その者に負担させることができるものとする。ただし、被収容者が次の各号のいずれかに該当する者である場合は、特別の事情があるときを除き、この限りでない。
一 国語を読解する能力を有しない者
二 点字によらなければ書籍等を閲覧できない者
(新聞紙に関する制限)
第34条 法第71条の規定による被収容者が取得することができる新聞紙の範囲の制限は、時事に関する事項を総合して報道する日刊新聞紙について、刑事施設の長が指定する2紙以上の新聞紙のうち、被収容者が選択する1紙以上の新聞紙に制限することにより行うことができるものとする。時事に関する事項を総合して報道する日刊新聞紙以外の日刊新聞紙についても、同様とする。
2 法第71条の規定による被収容者が取得することができる新聞紙の取得方法の制限は、日刊新聞紙について、刑事施設の長が指定する事業者からの1月以上の継続的な購入に制限することにより行うことができるものとする。
第9章 規律及び秩序の維持
(法第76条第1項に規定する法務省令で定める場合)
第35条 法第76条第1項に規定する法務省令で定める場合は、第11条各号に掲げる場合とする。
(警備用具)
第36条 法第77条第1項又は第2項の措置に必要な警備用具は、次に掲げるものとする。
一 警棒
二 警じょう
三 さすまた
四 盾
五 催涙弾、催涙ガス筒及び着色弾並びにこれらの発射機
六 催涙スプレー
(捕縄及び手錠の使用方法)
第37条 被収容者を護送する場合に使用することができる手錠は、被収容者が法第78条第1項各号のいずれかの行為をするおそれがある場合を除き、別表第1に定める第1種の手錠とする。
2 被収容者に捕縄を使用する場合には、血液の循環を著しく妨げることとならないよう留意しなければならない。
(捕縄、手錠及び拘束衣の制式)
第38条 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、別表第1のとおりとする。
(保護室の構造及び設備の基準)
第39条 保護室の構造及び設備の基準は、次のとおりとする。
一 収容された者の身体を傷つけにくい構造及び設備を有すること。
二 損壊し、又は汚損しにくい構造及び設備を有すること。
三 防音上有効な構造及び設備を有すること。
四 室内の視察に支障がない構造及び設備を有すること。
五 適当な換気、採光、照明、保温、防湿及び排水のための構造及び設備を有すること。
(法第80条第1項に規定する法務省令で定める場合)
第40条 法第80条第1項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 被収容者が法第80条第2項各号のいずれかに該当することとなり、又は被収容者以外の者が同条第3項各号のいずれかに該当することとなるおそれがある場合において、刑事施設の長が小型武器を携帯することを命令したとき。
二 前号に規定する場合において、小型武器を携帯することについて、刑事施設の長の命令を待ついとまがないとき。
三 刑事施設の長の命令により、小型武器の使用の訓練又は点検、整備若しくは運搬を行う場合
(捕縄の使用等の報告)
第41条 刑務官は、次に掲げる場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。
一 被収容者が法第78条第1項各号のいずれかの行為をするおそれがある場合において、捕縄又は手錠を使用したとき。
二 前条第2号に掲げる場合において、小型武器を携帯したとき。
三 武器を使用したとき。
(応急の用務に就いて死亡等した被収容者に対する手当金)
第42条 第61条から第63条までの規定は、被収容者が法第82条第1項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合に同条第2項において準用する法第100条の規定により支給する手当金について準用する。
第10章 矯正処遇の実施等
(処遇要領の策定等)
第43条 処遇要領(法第84条第2項に規定する処遇要領をいう。以下この条において同じ。)は、法第85条第1項第1号に定める指導(以下「開始時指導」という。)が終了するまでに定めるものとする。
2 刑事施設の長は、矯正処遇の進展状況その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、処遇要領を変更するものとする。
3 前2項に定めるもののほか、処遇要領の策定及び変更に関し必要な事項は、法務大臣が定める。
(法第85条第1項第1号に規定する法務省令で定める期間)
第44条 法第85条第1項第1号に規定する法務省令で定める期間は、2週間とする。
2 刑の執行開始後、受刑者を他の刑事施設に移送する場合において、移送元の刑事施設において開始時指導を行わないときは、移送元の刑事施設に収容されている期間は、前項の期間に算入しない。
3 刑事施設の長は、前2項の規定にかかわらず、開始時指導の進展状況、受刑者の年齢、執行すべき刑期、刑事施設への収容歴その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、開始時指導を行う期間を延長し、又は短縮することができる。
(法第85条第1項第2号に規定する法務省令で定める期間)
第45条 法第85条第1項第2号に規定する法務省令で定める期間は、2週間とする。
2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、受刑者が刑事施設に収容されていた期間その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、法第85条第1項第2号に定める指導を行う期間を延長し、又は短縮することができる。
(矯正処遇等を行う日)
第46条 法第85条第1項、第103条又は第104条の規定による指導(以下「矯正指導」という。)を行う日は、次に掲げる日以外の日を定めるものとする。
一 第19条第2項第1号から第3号までに掲げる日
二 受刑者がその配偶者又は2親等内の血族が死亡したことを知り、服喪を希望する場合において、その日から1週間以内の刑事施設の長が指定する日
2 作業(連日作業を除く。次項において同じ。)を行わない日は、前項各号及び第19条第2項第4号に掲げる日とする。
3 前2項の規定にかかわらず、矯正指導を行う場所の確保、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、第1項第1号及び第19条第2項第4号に掲げる日を矯正指導又は作業を行う日と定めることができる。この場合において、その日に6時間以上作業を行うときは、その作業を行う受刑者には、できる限り、その日から1月以内の前項に規定する日以外の日を作業を行わない日と定めるものとする。
4 連日作業を行う受刑者については、第2項に規定する日の日数及び1日の作業時間を考慮し、作業を行わない日を定めるものとする。
(矯正処遇等を行う時間)
第47条 矯正指導及び作業を行う時間は、これらを合算して1日につき8時間を超えない範囲内で定めるものとする。
2 前項の規定にかかわらず、矯正指導を行う場所の確保、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、矯正指導及び作業を行う時間は、これらを合算して1日につき12時間を超えない範囲内で、同項の範囲を超えて定めることができる。
(制限の緩和)
第48条 刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、開始時指導が終了した受刑者について、第1種、第2種、第3種又は第4種の区分(以下「制限区分」という。)を指定し、又はその指定を変更し、その制限区分の指定に応じ次条に定めるところにより処遇を行うことにより、順次緩和するものとする。
2 刑事施設の長は、開始時指導を終了した後速やかに、法第30条の目的を達成する見込みを評価し、その評価に応じて、制限区分を指定するものとする。
3 刑事施設の長は、定期的に、及び随時、前項の見込みを評価し、適当であると認めるときは、その評価に応じて、制限区分の指定を変更するものとする。
(居室の指定等)
第49条 第1種の制限区分に指定されている受刑者の居室は、収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の全部又は一部を設けず、又は講じない室を指定するものとする。
2 第2種又は第3種の制限区分に指定されている受刑者の居室は、刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがない場合において、処遇上適当と認めるときに限り、前項の室を指定することができるものとする。
3 第1種又は第2種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、主として居室棟外の適当な場所で行うものとし、処遇上適当と認めるときは法第87条の規定により刑事施設の外の適当な場所で行うことができるものとする。
4 第3種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、刑事施設内において、主として居室棟外の適当な場所で行うものとする。
5 第4種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、刑事施設内において、特に必要がある場合を除き、居室棟内で行うものとする。
6 法第75条第1項の規定による検査、法第112条本文の規定による面会の立会い又はその状況の録音若しくは録画その他の刑事施設の規律及び秩序を維持するための措置は、個別具体の事情から実施する必要があると認める場合を除き、刑事施設の長が制限区分に応じた実施の頻度及び態様の基準として定めるところに従い、実施するものとする。
(第4種の制限区分に係る留意事項)
第49条の2 刑事施設の長は、第4種の制限区分に指定されている受刑者(法の規定により隔離されている者を除く。)に対し、上位の制限区分に指定を変更することができるよう働きかけを行うとともに、できる限り集団処遇の機会を付与するよう努めるものとする。
(開放的施設における処遇)
第50条 法第88条第2項の規定による開放的施設での処遇は、第1種の制限区分に指定されている受刑者について行うことができるものとする。
(制限区分の指定の手続等)
第51条 前4条に定めるもののほか、制限区分の指定及びその指定の変更の手続その他刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限の緩和に関し必要な事項は、法務大臣が定める。
(法第89条第4号に規定する法務省令で定める処遇)
第52条 法第89条第4号に規定する法務省令で定める処遇は、次に掲げる処遇とする。
一 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を定めること。
二 余暇時間帯において、テレビ若しくはビデオを視聴し、又は刑事施設の長が企画する活動に参加することを許すことその他の刑事施設の長が定める処遇
(優遇措置)
第53条 優遇措置は、次に定めるところにより、受刑者について、その受刑態度の評価に基づき優遇区分を指定し、その区分に応じて処遇を行うことにより、講ずるものとする。
一 優遇区分は、第1類、第2類、第3類、第4類及び第5類の区分とする。
二 刑事施設の長は、4月から9月まで又は10月から翌年3月までの期間(以下「評価期間」という。)の初日以前から継続して刑事施設において刑の執行を受けている受刑者又は評価期間の末日に優遇区分の指定を受けている受刑者であって、その評価期間内に1月以上刑の執行を受けたものについて、その評価期間が経過した後10日以内に、その評価期間における受刑態度の評価に基づき、優遇区分を指定するものとする。
三 刑事施設の長は、前号に規定する受刑者に対しその評価期間が経過した後に法第149条の規定による褒賞を行った場合において、必要があると認めるときは、その評価期間における受刑態度に加えて、その褒賞に係る行為の内容その他の事情を評価し、その評価に基づき、優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を上位の優遇区分の指定に変更することができるものとする。
四 刑事施設の長は、第2号に規定する受刑者がその評価期間が経過した後に反則行為(懲罰を科せられるべき行為をいう。以下同じ。)をした場合において、必要があると認めるときは、その評価期間における受刑態度に加えて、その反則行為の性質、軽重及び動機、反則行為後におけるその者の態度その他の事情を評価し、その評価に基づき、優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を下位の優遇区分の指定に変更することができるものとする。
五 前2号の規定により優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を変更した場合には、受刑者に対して褒賞を行った日又は受刑者がその反則行為をした日の属する評価期間に係る優遇区分の指定を行うに当たっては、その褒賞を行わず、又はその反則行為をしなかったものとして、受刑態度を評価しなければならないものとする。ただし、第3号の規定により優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を変更した場合において、相当と認めるときは、この限りでない。
六 刑事施設の長は、刑事施設における刑の執行の開始の日(刑事施設において残刑の執行が開始された場合には、その開始の日)から起算して6月を経過する日の属する月の翌月の初日まで継続して刑事施設において刑の執行を受けている受刑者であって、優遇区分の指定を受けていないものについて、第2号の規定により優遇区分を指定すべき場合を除き、その日に、懲罰を科されたことがある場合には第5類の優遇区分を、懲罰を科されたことがない場合であって受刑態度が不良であることを示す事由として法務大臣が定める事由がある場合には第4類の優遇区分を、それら以外の場合には第3類の優遇区分を指定するものとする。
七 刑事施設の長は、前号の規定により第3類又は第4類の優遇区分に指定されている受刑者に懲罰を科した場合には、優遇区分の指定を第5類の優遇区分の指定に変更するものとする。
八 優遇区分の指定は、次に掲げる場合には、その効力を失うものとする。
イ 刑事施設の長が次に優遇区分を指定し、又はその指定を変更したとき。
ロ 受刑者が刑事施設から釈放されたとき。
九 第1類から第4類までの優遇区分に指定されている受刑者には、法及びこの規則の規定の範囲内で、次条に定めるところによる処遇を行うものとする。
(処遇内容)
第54条 第1類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。
一 法第40条第2項の規定により、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品を貸与し、又は1月に1回以上、嗜好品を支給すること。
二 法第41条第1項の規定により、寝衣、室内装飾品、サンダル、座布団及び余暇時間帯における娯楽的活動に用いる物品について、自弁のものの使用を許すこと。
三 法第41条第1項の規定により、食料品及び飲料について1月に1回以上、嗜好品について1月に2回以上、自弁のものの摂取を許すこと。
四 面会をすることができる時間を第1類の優遇区分に指定されている受刑者以外の受刑者が面会をすることができる時間のおおむね2倍に定めること。
五 面会をすることができる回数を1月につき7回以上に定めること。
六 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を1月につき10通以上に定めること。
七 刑事施設の長が第1類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの
2 第2類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。
一 法第41条第1項の規定により、室内装飾品、サンダル及び座布団について、自弁のものの使用を許すこと。
二 法第41条第1項の規定により、嗜好品について、1月に2回以上、自弁のものの摂取を許すこと。
三 面会をすることができる回数を1月につき5回以上に定めること。
四 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を1月につき7通以上に定めること。
五 刑事施設の長が第2類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの
3 第3類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。
一 法第41条第1項の規定により、室内装飾品、サンダル及び座布団について、自弁のものの使用を許すこと。
二 法第41条第1項の規定により、嗜好品について、1月に1回以上、自弁のものの摂取を許すこと。
三 面会をすることができる回数を1月につき3回以上に定めること。
四 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を1月につき5通以上に定めること。
五 刑事施設の長が第3類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの
4 第4類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。
一 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を1月につき5通以上に定めること。
二 刑事施設の長が第4類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの
(優遇区分の指定の手続等)
第55条 前3条に定めるもののほか、優遇区分の指定及びその指定の変更の手続その他優遇措置に関し必要な事項は、法務大臣が定める。
(禁錮受刑者等の作業)
第56条 禁錮受刑者又は拘留受刑者には、刑事施設の管理運営上支障を生じるおそれがある場合を除き、法第93条に規定する作業を行うことを許すものとする。ただし、正当な理由なく、作業を怠ったことがある者については、この限りでない。
2 法第93条の規定により作業を行うことを許された者は、作業を行わないことを希望する場合には、2週間前までに申し出なければならない。
(法第96条第1項に規定する法務省令で定める事由)
第57条 法第96条第1項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。
一 法第88条第2項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。
二 第1種又は第2種の制限区分に指定されていること。
三 仮釈放を許す決定がされていること。
(位置把握装置の携帯又は装着)
第57条の2 刑事施設の長は、外部通勤作業を行わせる場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、外部通勤作業を行う受刑者が位置把握装置(その者の位置を把握できる小型軽量な装置をいう。以下この条及び第65条の2において同じ。)を携帯し、又は装着することを条件とすることができる。
一 外部通勤作業を行っている間の位置を随時把握することができる状態に置く措置を執る必要があると認められること。
二 位置把握装置を携帯し、又は装着することが、外部通勤作業の目的を妨げないこと。
(外部事業主との取決め)
第58条 法第96条第3項の規定による外部事業主との間の取決めは、次に掲げる事項について行うものとする。
一 外部通勤作業を行わせる期間
二 受刑者の行う作業の種類及び内容並びに作業時間
三 受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置
四 外部事業主による受刑者の指導監督の方法
五 前各号に掲げるもののほか、外部通勤作業の実施に関し必要な事項
2 前項の取決めは、書面で行うものとする。
(報奨金計算額の加算)
第59条 法第98条第2項本文の規定による加算は、毎月15日までに行うものとする。
2 刑事施設の長は、前項の加算を行ったときは、遅滞なく、その加算に係る金額を受刑者に告知するものとする。
3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、法第98条第2項ただし書の規定による加算に係る金額をその者に告知するものとする。
(釈放前における作業報奨金の支給)
第60条 法第98条第4項の規定により支給する金額は、その支給の時における報奨金計算額の2分の1を超えてはならない。ただし、その範囲を超えた金額を支給することがその使用の目的に照らして適当であると特に認めるときは、この限りでない。
(作業報奨金に相当する金額等の支給)
第61条 法第99条又は第100条第1項の規定による作業報奨金に相当する金額又は死亡手当金の支給については、第23条の規定を準用する。
2 法第100条第2項の規定による障害手当金の支給は、被収容者が治った後遅滞なく行い、法第100条第4項の規定による特別手当金の支給は、釈放の際に行うものとする。
(死亡手当金及び障害手当金の額の算出の基準)
第62条 法第100条第1項又は第2項の規定により支給する死亡手当金及び障害手当金の額は、この条に定めるところにより算出する金額を基準とする。
2 死亡手当金及び障害手当金の額の算出の基礎となる額(以下この条において「支給基礎日額」という。)は、3950円とする。
3 死亡手当金の額は、支給基礎日額に1060を乗じて得た金額とする。
4 障害手当金の額は、別表第2に定める障害の等級に応じ、支給基礎日額に同表に定める倍数を乗じて得た金額とする。
5 別表第2に定める程度の障害が2以上ある場合の障害の等級は、重い障害に応ずる等級による。
6 次に掲げる場合の等級は、次の各号のうち最も有利なものによる。
一 第13級以上に該当する障害が2以上ある場合には、前項の規定による等級の1級上位の等級
二 第8級以上に該当する障害が2以上ある場合には、前項の規定による等級の2級上位の等級
三 第5級以上に該当する障害が2以上ある場合には、前項の規定による等級の3級上位の等級
7 前項第1号の規定による障害手当金の額は、それぞれの障害に応ずる等級による障害手当金の額を合算した額を超えてはならない。
8 別表第2に定める各等級の障害に該当しない障害であって、同表に定める各等級の障害に相当するものは、同表に定める当該等級の障害とする。
9 既に障害のある受刑者が、法による支給の原因となる負傷又は疾病によって同一部位について障害の程度を加重した場合において行う障害手当金の額の算出については、その者の加重後の障害の等級に応ずる障害手当金の額から、加重前の障害の等級に応ずる障害手当金の額を差し引くものとする。
(特別手当金の額等)
第63条 法第100条第4項の規定により支給する特別手当金の額は、被収容者が治った場合において身体に残ると予想される障害を身体に残った障害とみなし、前条第2項及び第4項から第9項までの規定に準じて算出した金額とする。ただし、受刑者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。
(法第103条第2項第3号に規定する法務省令で定める事情)
第64条 法第103条第2項第3号に規定する法務省令で定める事情は、次に掲げる事情とする。
一 人の生命又は身体を害する罪により刑の執行を受けている者について、その被害者及びその親族その他の関係者に対する謝罪の意識が低いこと。
二 刑法(明治40年法律第45号)第176条から第179条まで、第181条、第225条(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第226条の2第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第227条第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第228条(同法第225条、第226条の2第3項又は第227条第3項に係る部分に限る。)、第241条又は第243条(同法第241条に係る部分に限る。)の罪の原因となる認知の偏り又は自己統制力の不足があること。
三 道路交通法(昭和35年法律第105号)第116条から第117条の2(第1号及び第3号に係る部分に限る。)まで、第117条の2の2(第1号、第3号及び第7号に係る部分に限る。)、第117条の3、第117条の4(第1号の2に係る部分に限る。)、第117条の5(第1号に係る部分に限る。)、第118条第1項(第1号、第2号、第3号の2、第7号及び第8号に係る部分に限る。)若しくは第2項若しくは第119条第1項(第1号から第2号の2まで、第3号の2、第4号、第5号(自動車を運転する行為に係る部分に限る。)、第7号、第9号から第10号まで、第12号の2、第12号の3及び第15号に係る部分に限る。)の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第2条から第5条までの罪を犯した者について、交通安全に関する意識が低いこと。
四 職場における人間関係に適応するのに必要な心構え及び行動様式が身に付いていないこと。
(法第106条第1項に規定する法務省令で定める事由)
第65条 法第106条第1項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。
一 法第88条第2項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。
二 第1種の制限区分に指定されていること。
三 仮釈放を許す決定がされていること。
(位置把握装置の携帯又は装着)
第65条の2 刑事施設の長は、法第106条第1項の規定により外出又は外泊を許す場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、同項の規定による外出又は外泊(以下この条において「外出等」という。)をする受刑者が位置把握装置を携帯し、又は装着することを条件とすることができる。
一 外出等をしている間の位置を随時把握することができる状態に置く措置を執る必要があると認められること。
二 位置把握装置を携帯し、又は装着することが、外出等の目的を妨げないこと。
第11章 外部交通
(面会の相手方の届出)
第66条 刑事施設の長は、受刑者及び死刑確定者に対し、面会の申出をすることが予想される者について、次に掲げる事項を届け出るよう求めることができる。
一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 自己との関係
三 予想される面会の目的
四 その他刑事施設の長が必要と認める事項
2 刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、受刑者及び死刑確定者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。
(面会の申出書の提出)
第67条 刑事施設の長は、被収容者との面会の申出をする者に対し、次の各号(受刑者及び死刑確定者以外の被収容者との面会の場合にあっては、第1号及び第2号に限る。次項において同じ。)に掲げる事項を記載した申出書の提出を求めることができる。
一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 面会を希望する被収容者の氏名及びその者との関係
三 面会の目的
2 刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、被収容者との面会の申出をする者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。
(面会の相手方の確認)
第68条 刑事施設の長は、被収容者との面会の申出があったときは、被収容者に対して、その申出をした者の氏名及び被収容者との関係について質問することができる。
(面会の相手方の人数の制限)
第69条 法第114条第1項(法第118条第5項(法第123条において準用する場合を含む。)、第119条、第122条及び第125条において準用する場合を含む。第72条及び第73条において同じ。)の規定により被収容者の面会の相手方の人数について制限をするときは、その人数は、3人を下回ってはならない。
(面会の場所の制限)
第70条 被収容者の面会の場所は、刑事施設の長が指定するものとする。
2 被収容者の面会の場所は、被収容者と面会の相手方との間を仕切る設備を有する室(以下「仕切り室」という。)とする。ただし、次に掲げる場合(受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)以外の被収容者の面会にあっては、第1号に掲げる場合に限る。)において、刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがないときは、この限りでない。
一 被収容者が病室に収容されている場合その他の法務大臣が定める場合
二 親族と面会する場合その他の仕切り室以外の場所で面会することを適当とする事情がある場合
(面会の日の制限)
第71条 刑事施設の長は、被収容者としての地位の別ごとに、その刑事施設において面会(弁護人又は刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第39条第1項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)との面会を除く。)を許す日(以下この条及び次条において「面会日」という。)を定めるものとする。
2 1月につき面会日として定める日数は、その月の日数からその月の第19条第2項第1号及び第2号に掲げる日の日数を差し引いた日数を下回ってはならない。
3 各月の面会日は、その月の初日の1月前までに被収容者に告知するとともに、その月の初日の1月前から刑事施設の公衆の見やすい場所に掲示する方法その他の方法により公告するものとする。
(面会の時間帯の制限)
第72条 法第114条第1項の規定により被収容者の面会の時間帯について制限をするときは、その時間は、1日につき6時間(第19条第2項第1号及び第2号に掲げる日を面会日として定めるときは、4時間)を下回ってはならない。
(面会の時間の制限)
第73条 法第114条第1項の規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは、その時間は、30分を下回ってはならない。ただし、面会の申出の状況、面会の場所として指定する室の数その他の事情に照らしてやむを得ないと認めるときは、5分を下回らない範囲内で、30分を下回る時間に制限することができる。
(面会の回数の制限)
第74条 法第114条第1項(法第122条及び第125条において準用する場合を含む。)の規定による被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものの面会の回数についての制限は、弁護人等以外の者との面会の回数について行うことができるものとする。
(面会の相手方の遵守事項の掲示)
第75条 刑事施設の長は、被収容者の面会の相手方(弁護人等を除く。)が遵守すべき次に掲げる事項を具体的に明らかにして刑事施設内の見やすい場所に掲示するものとする。
一 法第113条第1項第1号イ又はロ(これらの規定を法第117条、第119条、第122条、第123条及び第125条において準用する場合を含む。)に該当する行為をしてはならないこと。
二 法第113条第1項第2号イからハまで(これらの規定を法第117条、第119条、第122条、第123条及び第125条において準用する場合を含む。)、ニ(法第117条、第119条及び第123条において準用する場合を含む。)及びホ(法第119条、第122条及び第123条において準用する場合を含む。)に該当する内容の発言をしてはならないこと。
(信書の発受の相手方の届出)
第76条 刑事施設の長は、受刑者及び死刑確定者に対し、信書を発受することが予想される者について、次に掲げる事項を届け出るよう求めることができる。
一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 自己との関係
三 予想される信書の発受の目的
四 その他刑事施設の長が必要と認める事項
2 第66条第2項の規定は、前項の規定により届出を求めた場合について準用する。
(信書の作成要領の制限)
第77条 法第130条第1項(法第136条、第138条、第141条、第142条及び第144条において準用する場合を含む。次条から第80条までにおいて同じ。)の規定による被収容者が発する信書の作成要領についての制限は、次に掲げる事項(弁護人等に対して発する信書については、第2号に掲げる事項を除く。)について行うことができるものとする。
一 信書の用紙及び封筒の規格並びに信書の作成に用いる筆記具の種類
二 1通の信書に用いる用紙の枚数
三 1枚の用紙に記載する字数その他信書の検査を円滑に行うために必要な記載方法
2 被収容者が発する信書に用いる用紙の枚数について制限をするときは、その枚数は、5枚を下回ってはならない。
3 被収容者が発する信書の1枚の用紙に記載する字数について制限をするときは、その字数は、400字を下回ってはならない。
(信書の発信の申請の日及び時間帯の制限)
第78条 刑事施設の長は、法第130条第1項の規定により被収容者がする信書の発信の申請の日及び時間帯について制限をする場合にも、緊急の発信の必要があるときは、その発信の申請を受け付けなければならない。
(発信を申請する信書の通数の制限)
第79条 法第130条第1項の規定による被収容者が発信を申請する信書の通数についての制限は、次に掲げる信書以外の信書について行うことができるものとする。
一 委員会に対して提出する書面
二 審査の申請、再審査の申請、法第163条第1項又は第165条第1項の規定による申告及び苦情の申出の書面
三 被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものについて、弁護人等に対して発する信書
(信書の発受の方法の制限)
第80条 法第130条第1項の規定による被収容者が信書を発する方法についての制限は、次に掲げる方法に制限することにより行うことができるものとする。
一 郵便(郵便法(昭和22年法律第165号)第44条に規定する特殊取扱(速達及び年賀特別郵便の取扱いを除く。)によるものを除く。)による方法
二 電報による方法(緊急の必要がある場合及び弁護人等に対して信書を発する場合に限る。)
2 法第130条第1項の規定による被収容者が信書を受ける方法についての制限は、次に掲げる方法に制限することにより行うことができるものとする。
一 郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便による方法
二 電報による方法
(複数の被収容者にあてた信書等の取扱い)
第81条 複数の被収容者にあてた信書であって、被収容者が受けることを許すものは、そのうちの1人に交付する。
2 被収容者にあてた信書であって、被収容者が受けることを許すもののうち、紙以外の物品にその内容が記載されたもの、音を発する装置の付いたものその他信書以外の物品としての性質を有するものについて、法第47条第1項の規定によりその者に引き渡すこととならない場合には、法第128条(法第138条において準用する場合を含む。)、第129条(法第136条、第138条、第141条、第142条及び第144条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)又は第148条第3項の規定によりその者がこれを受けることを禁止し、又は差し止める場合を除き、その者に、その物品の提示その他の方法によりその内容(法第129条の規定により削除し、又は抹消すべき箇所を除く。)を了知させるものとする。
(死亡者の発受禁止信書等の引渡し)
第82条 法第132条第1項又は第2項(これらの規定を法第136条、第138条、第141条、第142条及び第144条において準用する場合を含む。)の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(法第132条第5項(法第136条、第138条、第141条、第142条及び第144条において準用する場合を含む。)の規定により引き渡さないこととされたものを除く。第92条第1項及び第98条において「発受禁止信書等」という。)については、第23条の規定を準用する。
(法第146条第1項に規定する法務省令で定める事由)
第83条 法第146条第1項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。
一 法第88条第2項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。
二 第1種又は第2種の制限区分に指定されていること。
三 法第85条第1項第2号に定める指導を受けていること。
四 面会することが極めて困難である親族と法第146条第1項に規定する通信を行うことが人道上の観点から特に必要と認められること。
(翻訳等の費用の負担)
第84条 法第148条第1項後段又は第2項後段に規定する通訳又は翻訳の費用は、次に掲げる場合を除き、面会等(面会又は法第146条第1項の規定による通信をいう。以下この条において同じ。)又は信書の発受の目的及び被収容者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められる特別の事情があるときに限り、その者に負担させることができるものとする。
一 被収容者がその国籍を有する外国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者と面会し、又はその者との間で信書の発受をする場合
二 次に掲げる場合において、被収容者がその費用を負担することができないとき。
イ 被収容者が次に掲げる者と面会する場合
(1) 被収容者の親族
(2) 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被収容者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会等をすることが必要な者
(3) 受刑者について、その更生保護に関係のある者、その釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会等又は信書の発受によりその改善更生に資すると認められる者
(4) 死刑確定者について、面会によりその者の心情の安定に資すると認められる者
ロ 被収容者が次に掲げる信書の発受をする場合
(1) 被収容者の親族との間で発受する信書
(2) 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被収容者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書
(3) 受刑者について、その更生保護に関係のある者又はその釈放後にこれを雇用しようとする者との間で発受する信書その他信書の発受によりその改善更生に資すると認められる信書
(4) 死刑確定者について、信書の発受によりその心情の安定に資すると認められる信書
第12章 賞罰
(褒賞)
第85条 法第149条の規定による褒賞は、次に掲げるものの授与により行うものとする。
一 賞詞
二 賞票
三 1万円以下の賞金
四 1万円以下の金額に相当する賞品
(閉居罰の執行方法)
第86条 閉居罰を科されている受刑者の居室は、単独室とする。ただし、刑事施設の長が閉居罰の執行に支障がないと認めるときは、この限りでない。
2 刑事施設の長は、閉居罰を科されている被収容者について、法に定めるところによるほか、謹慎させるため必要な限度で、その生活及び行動を制限することができる。
(運動の機会の付与)
第87条 閉居罰を科されている被収容者に運動の機会を与える日数は、1週間につき1日を下回ってはならない。
(反則行為をした疑いがある受刑者の隔離)
第88条 法第154条第4項の規定による隔離は、受刑者がした疑いが現に存する反則行為が2以上ある場合であっても、1回に限り、これを行うことができるものとする。ただし、それらの反則行為に係る調査を並行して行うことが困難であるときは、この限りでない。
(法第154条第4項に規定する法務省令で定める場合)
第89条 法第154条第4項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 第11条第1号及び第2号に掲げる場合
二 反則行為についての取調べの場合
三 前2号に掲げる場合のほか、居室において行うことが困難な処遇を行う場合
(弁解の方法)
第90条 法第155条の規定による弁解は、これを聴取する職員の面前に出頭し、口頭で行うものとする。ただし、被収容者は、職員の面前に出頭して口頭で行うことに代えて、弁解を記載した書面を提出し、又は被収容者を補佐する職員が弁解を録取する方法により弁解を行うことができる。
第13章 釈放及び死亡
(刑の執行停止事由の通報)
第91条 刑事施設の長は、受刑者について、刑の執行を停止すべき事由があると思料するときは、検察官に対し、その旨を通報するものとする。
(死亡の通知)
第92条 法第176条の規定による通知は、次に掲げる順序に従い、先順位にある1人の者に対して行うものとする。ただし、交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等がある場合において、通知を受けた者がその交付又は支給を申請しない旨の意思を表示したときは、同順序に従い、その者と同順位又は下位の順位にある他の者のうち、先順位にある1人の者に対しても行うものとする。
一 第22条第1号に掲げる者
二 配偶者
三 子
四 父母
五 孫
六 祖父母
七 兄弟姉妹
八 第22条第3号に掲げる者
2 外国の国籍を有する被収容者が死亡した場合には、刑事施設の長は、第22条第3号に掲げる者に対し、前項に定めるところにより法第176条の規定による通知を行うべき場合以外の場合においても、その旨を通知しなければならない。
(検視)
第93条 刑事施設の長は、被収容者が死亡したときは、その死体を検視するものとする。
2 刑事施設の長は、前項の検視の結果、変死又は変死の疑いがあると認めるときは、検察官及び警察官たる司法警察員に対し、その旨を通報しなければならない。
(死体の埋葬等)
第94条 刑事施設の長が被収容者の死体の埋葬を行うときは、その死体は、刑事施設の長が管理し、又は使用する墓地の墳墓に埋葬するものとする。
2 刑事施設の長が被収容者の死体の火葬を行うときは、その焼骨は、刑事施設の長が管理し、又は使用する墓地の墳墓又は納骨堂に埋蔵し、又は収蔵するものとする。
第14章 労役場及び監置場
(労役場等への準用)
第95条 第6条及び第6条の2の規定は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営について準用する。
(労役場留置者)
第96条 労役場に留置されている者については、その性質に反しない限り、この規則中の懲役受刑者に関する規定を準用する。
(被監置者)
第97条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)については、この規則(第1章、第16条及び第11章を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。
2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第15条及び第16条の規定を準用する。この場合において、第15条第1項中「物品(法第42条第1項各号に掲げる物品を除く。以下この条及び次条において同じ。)」とあるのは「物品(衣類、日用品及び文房具並びに法第42条第1項各号に掲げる物品を除く。以下この条において同じ。)」と、同条第7項中「法第41条第1項」とあるのは「法第289条第2項において準用する法第41条第1項」と、第16条第1項中「法第41条第1項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(法第42条第1項各号に掲げる物品を除く。以下この条において同じ。)」と読み替えるものとする。
3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、第11章中の受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)に関する規定を準用する。
4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、第11章中の未決拘禁者としての地位を有する受刑者に関する規定を準用する。
5 監置の裁判の執行のため法第287条第2項の規定により刑事施設に留置されている者については、第16条及び第11章の規定にかかわらず、前3項の規定を準用する。
第15章 雑則
第98条 第22条、第23条及び第92条第1項の規定は、国際捜査共助等に関する法律(昭和55年法律第69号)第20条第4項の規定により同法第1条第2号に定める要請国の官憲に引き渡した受刑者が死亡した場合におけるその者に係る遺留物、作業報奨金又は発受禁止信書等について準用する。
附則
(施行期日)
第1条 この規則は、法の施行の日(平成18年5月24日。以下「施行日」という。)から施行する。
(収容開始時の告知に関する特例)
第2条 第9条の規定は、法附則第3条の規定により読み替えて適用される法第15条第1項前段及び第2項の規定による告知について準用する。
(処遇要領の策定に関する経過措置)
第3条 この規則の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、開始時指導を行うべき場合を除き、この規則の施行後速やかに、法第61条第2項に規定する処遇要領を定めるものとする。
(制限区分の指定に関する経過措置)
第4条 この規則の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者(被勾留受刑者を除く。)については、開始時指導を行うべき場合を除き、施行日に、制限区分を指定するものとする。
(最初に優遇区分を指定するまでの間の処遇に関する特例)
第5条 この規則の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、平成18年6月1日から最初に優遇区分を指定するまでの間、次に定めるところにより、第1類、第2類、第3類、第4類又は第5類の区分(以下この条において「経過処遇区分」という。)を指定し、又はその指定を変更し、処遇を行うものとする。
一 経過処遇区分の指定及びその指定の変更は、刑事施設の長が行うものとする。
二 施行日に、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令(平成18年法務省令第58号)第1条の規定による廃止前の行刑累進処遇令(昭和8年司法省令第35号)第16条第1項の階級に編入されていた者については、次のイからニまでに掲げる編入されていた階級の区分に応じ、当該各号に定める経過処遇区分を指定し、それ以外の者については、受刑態度その他の事情を考慮して、経過処遇区分を指定するものとする。
イ 第1級の階級 第2類の経過処遇区分
ロ 第2級の階級 第3類の経過処遇区分
ハ 第3級の階級 第4類の経過処遇区分
ニ 第4級の階級 第5類の経過処遇区分
三 受刑者の受刑態度その他の事情を考慮して相当と認めるときは、経過処遇区分の指定を上位の経過処遇区分の指定に変更することができるものとする。
四 受刑者が反則行為をした場合において、その反則行為の性質、軽重及び動機、反則行為後におけるその者の態度その他の事情を考慮して相当と認めるときは、経過処遇区分の指定を下位の経過処遇区分の指定に変更することができるものとする。
五 第1類、第2類、第3類又は第4類の経過処遇区分に指定されている受刑者には、それぞれ、第1類、第2類、第3類又は第4類の優遇区分に指定されている受刑者とみなして、法及びこの規則の規定の範囲内で、第46条に定めるところによる処遇を行うものとする。ただし、第2類の経過処遇区分に指定されている受刑者には、第46条第2項各号に掲げる処遇を行うほか、寝衣について、自弁のものの使用を許し、第4類の経過処遇区分に指定されている受刑者には、第46条第4項各号に掲げる処遇を行うほか、法第18条の規定により、嗜好品について、2月に1回以上、自弁のものの摂取を許すものとする。
(平成19年4月1日以後最初に優遇区分を指定するまでの間の優遇措置に関する特例)
第6条 この規則の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、平成19年4月1日以後最初に優遇区分を指定するまでの間は、平成18年6月から同年9月までの期間を評価期間とみなして、第45条及び第46条の規定を適用する。この場合において、第45条中「6月」とあるのは、「4月」とする。
2 前条第4号の規定により経過処遇区分の指定を変更した場合には、前項の規定により評価期間とみなされる期間に係る優遇区分の指定を行うに当たっては、その反則行為をしなかったものとして、受刑態度を評価しなければならない。
(改善指導に関する経過措置)
第7条 道路交通法の一部を改正する法律(平成16年法律第90号)第3条の規定の施行の日(平成18年6月1日)の前日までの間における第58条第3号の規定の適用については、同号中「第2号から第4号まで」とあるのは、「第1号から第3号まで」とする。
(信書の発受の方法の制限に関する経過措置)
第8条 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第102号)の施行の日(平成19年10月1日)の前日までの間における第80条第1項第1号の規定の適用については、同号中「第44条」とあるのは、「第57条第1項」とする。
附則 (平成19年3月30日法務省令第26号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成19年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成17年法律第50号)第79条第1項又は第2項(これらの規定を同法第59条第2項において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成19年5月25日法務省令第35号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第58号。以下「改正法」という。)の施行の日から施行する。
(収容開始時の告知に関する特例)
第2条 この省令による改正後の刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(以下「新規則」という。)第9条の規定は、改正法附則第2条第1項の規定により読み替えて適用される改正法による改正後の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号。以下「新法」という。)第33条第1項前段及び第2項の規定による告知並びに改正法附則第12条において準用する改正法附則第2条第1項の規定により読み替えて適用される新法第289条第1項において準用する新法第33条第1項前段及び第2項の規定による告知について準用する。
(一般用医薬品の自弁に関する経過措置)
第3条 薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第69号)の施行の日の前日までの間における新規則第32条第1項の規定の適用については、同項中「薬事法(昭和35年法律第145号)第25条第1号に規定する一般用医薬品」とあるのは「医療用医薬品として厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品」とし、同条第2項中「一般用医薬品」とあるのは「医薬品」とする。
(囚人及刑事被告人押送細則等の廃止)
第4条 次に掲げる省令は、廃止する。
一 囚人及刑事被告人押送細則(明治30年内務省令第37号)
二 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律施行規則(明治41年司法省令第18号)
三 被収容者等の領置物の管理に関する規則(平成9年法務省令第38号)
四 被収容者に係る物品の給与、貸与、自弁等に関する規則(平成14年法務省令第48号)
附則 (平成19年8月24日法務省令第49号)
(施行期日)
この省令は、道路交通法の一部を改正する法律(平成19年法律第90号)の施行の日から施行する。
附則 (平成20年3月31日法務省令第15号)
(施行期日)
1 この省令は、平成20年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成20年5月30日法務省令第40号)
この省令は、更生保護法(平成19年法律第88号)の施行の日(平成20年6月1日)から施行する。
附則 (平成21年3月31日法務省令第13号)
(施行期日)
1 この省令は、平成21年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成21年6月4日法務省令第30号)
(施行期日)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成22年3月31日法務省令第16号)
(施行期日)
1 この省令は、平成22年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成23年3月31日法務省令第12号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成23年4月1日から施行する。
(支給基礎日額に関する経過措置)
第2条 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の額の算出の基礎となる額については、なお従前の例による。
(障害の等級に関する経過措置)
第3条 この省令の施行の日前に生じた障害手当金又は特別手当金(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第100条第2項又は第4項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金又は特別手当金をいう。以下同じ。)の支給事由に係る障害に関する刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(以下「規則」という。)別表第2の規定の適用については、なお従前の例による。
2 この省令の施行の日前に生じた障害手当金又は特別手当金の支給事由に係る障害であって、この省令による改正前の規則別表第2第12級の項障害の程度の欄第14号及び同表第14級の項障害の程度の欄第10号に該当するもの(平成22年6月10日前に障害手当金又は特別手当金の支給事由が生じたものを除く。)については、前項の規定にかかわらず、当該障害に係る障害手当金又は特別手当金の支給事由が生じた日から、この省令による改正後の規則別表第2の規定を適用する。
附則 (平成23年5月23日法務省令第18号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成23年6月1日から施行する。
(優遇区分の指定又は変更に関する経過措置)
第2条 この省令による改正後の刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第53条第3号及び第5号の規定は、この省令の施行の日前に刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第149条の規定による褒賞を行った場合についても適用する。
附則 (平成24年4月6日法務省令第20号)
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行し、改正後の第62条第2項及び次項の規定は、平成24年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 平成24年3月31日以前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成25年5月16日法務省令第13号)
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行し、改正後の第62条第2項及び次項の規定は、平成25年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 平成25年3月31日以前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成25年11月14日法務省令第24号)
この省令は、道路交通法の一部を改正する法律(平成25年法律第43号)附則第1条第1号に掲げる規定の施行の日(平成25年12月1日)から施行する。
附則 (平成26年3月28日法務省令第13号)
(施行期日)
1 この省令は、平成26年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成26年5月2日法務省令第19号)
この省令は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)の施行の日(平成26年5月20日)から施行する。
附則 (平成26年11月10日法務省令第30号)
この省令は、薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)の施行の日(平成26年11月25日)から施行する。
附則 (平成27年4月10日法務省令第21号)
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行し、この省令による改正後の刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第62条第2項及び次項の規定は、平成27年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 平成27年3月31日以前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成28年3月30日法務省令第14号)
この省令は、平成28年4月1日から施行する。
附則 (平成29年3月31日法務省令第16号)
(施行期日)
1 この省令は、平成29年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (平成30年3月30日法務省令第14号)
(施行期日)
1 この省令は、平成30年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、なお従前の例による。
附則 (令和元年5月13日法務省令第2号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行し、この省令による改正後の刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第62条第2項及び次条の規定は、平成31年4月1日から適用する。
(経過措置)
第2条 平成31年3月31日以前に支給事由が生じた刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第100条第1項又は第2項(これらの規定を同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。次条第1項において同じ。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給については、別表の上欄に掲げる期間のうち支給事由が生じた日が属する期間に対応する中欄に掲げる額をその算出の基礎となる額(次条において「支給基礎日額」という。)とみなすものとする。
(差額給付)
第3条 別表の上欄に掲げる期間において支給事由が生じたことにより、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第100条第1項又は第2項の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給を受けた者(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第58号)による改正前の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第79条第1項又は第2項(これらの規定を同法第59条第2項(同法第143条において準用する場合を含む。)及び第143条において準用する場合を含む。)の規定による死亡手当金又は障害手当金の支給を受けた者を含む。)に対しては、同表の該当する期間に対応する中欄に掲げる額を支給基礎日額とみなして算出した額と支給済みの額の差額に同表の該当する期間に対応する下欄に掲げる率を乗じた額を支給するものとする。
2 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第100条第4項(同法第82条第2項(同法第288条及び第289条第1項において準用する場合を含む。)及び第288条において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給を受けた者(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律による改正前の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第79条第4項(同法第59条第2項(同法第143条において準用する場合を含む。)及び第143条において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給を受けた者を含む。)に対しては、前項の規定に準じて算出した額を支給するものとする。
別表
平成18年5月24日から平成19年3月31日まで | 4100円 | 100分の111 |
平成19年4月1日から平成20年3月31日まで | 4120円 | 100分の109 |
平成20年4月1日から平成21年3月31日まで | 4100円 | 100分の108 |
平成21年4月1日から平成22年3月31日まで | 4080円 | 100分の106 |
平成22年4月1日から平成23年3月31日まで | 4060円 | 100分の105 |
平成23年4月1日から平成24年3月31日まで | 3970円 | 100分の104 |
平成24年4月1日から平成25年3月31日まで | 3980円 | 100分の103 |
平成25年4月1日から平成26年3月31日まで | 3970円 | 100分の102 |
平成26年4月1日から平成29年3月31日まで | 3940円 | 100分の101 |
平成29年4月1日から平成30年3月31日まで | 3920円 | 100分の101 |
平成30年4月1日から平成31年3月31日まで | 3930円 | 100分の101 |
附則 (令和元年11月19日法務省令第40号)
この省令は、道路交通法の一部を改正する法律(令和元年法律第20号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(令和元年12月1日)から施行する。ただし、第2表に係る改正規定は、道路運送車両法の一部を改正する法律(令和元年法律第14号)の施行の日から施行する。
別表第1(第38条関係)
種類 | 構造 | 材質 | |
捕縄 | 第1種 |
縄の直径はおおむね6ミリメートルとし、長さはおおむね3メートル以上15メートル以下とする。 縄の一端をおおむね12センチメートルのところで折り返して元縄に固定し、輪状になる部分を設ける。 |
化学繊維製とする。 縄の中心部には、柔軟かつ堅ろうな鋼索を用いる。 |
第2種 |
縄の直径はおおむね3ミリメートルとし、長さはおおむね6メートルとする。 縄の一端をおおむね4・5センチメートルのところで折り返して元縄に固定し、輪状になる部分を設ける。 |
化学繊維製とする。 | |
手錠 | 第1種 |
開閉可能な腕輪2個を鎖で連結する。 各腕輪は、歯止めで止まり、施錠できるものとする。 形状は、図1のとおりとする。 |
鉄又はこれと同等以上の強度を有する材質のものとする。 |
第2種 |
開閉可能な腕輪2個を連結板で結合する。 連結板は、縦おおむね80ミリメートル、上辺15ミリメートルから160ミリメートルまで、下辺80ミリメートルから210ミリメートルまでの台形状のものとする。 各腕輪に、それぞれ施錠装置1個を設ける。 形状は、図2のとおりとする。 |
腕輪及び連結板の表面には化学繊維製の織物を、腕輪の内側にはフェルトをそれぞれ用いる。 連結板の芯地には、鉄又はこれと同等以上の強度を有する材質のものを用いる。 腕輪の施錠装置は、鉄又はこれと同等以上の強度を有する材質のものとする。 |
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拘束衣 |
縦110センチメートルから170センチメートルまで、横45センチメートルから105センチメートルまでの長方形のネット2枚を、その両側に設けたジッパーで連結する。 前面のネットに着脱できる足ベルト1個を設け、背面のネットに腕ベルト及び取っ手各2個を設ける。 前面のネットにその一端を固定し、背面のネットにその他端を接着できる肩ベルト2個を設ける。 各肩ベルトに、それぞれ施錠装置1個を設ける。 形状は、図3のとおりとする。 |
ネット、肩ベルト、足ベルト及び腕ベルトは、化学繊維製とする。 肩ベルトの施錠装置は、鉄又はこれと同等以上の強度を有する材質のものとする。 |
別表第2(第62条関係)
等級 | 倍数 | 障害の程度 |
第1級 | 1、340 |
一 両眼が失明したもの
二 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
五 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
六 両上肢の用を全廃したもの
七 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
八 両下肢の用を全廃したもの
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第2級 | 1、190 |
一 1眼が失明し、他眼の視力が0・02以下になったもの
二 両眼の視力が0・02以下になったもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
五 両上肢を手関節以上で失ったもの
六 両下肢を足関節以上で失ったもの
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第3級 | 1、050 |
一 1眼が失明し、他眼の視力が0・06以下になったもの
二 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失ったもの
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第4級 | 920 |
一 両眼の視力が0・06以下になったもの
二 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力を全く失ったもの
四 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
五 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
六 両手の手指の全部の用を廃したもの
七 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
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第5級 | 790 |
一 1眼が失明し、他眼の視力が0・1以下になったもの
二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
四 1上肢を手関節以上で失ったもの
五 1下肢を足関節以上で失ったもの
六 1上肢の用を全廃したもの
七 1下肢の用を全廃したもの
八 両足の足指の全部を失ったもの
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第6級 | 670 |
一 両眼の視力が0・1以下になったもの
二 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
四 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
五 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
六 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
七 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
八 1手の5の手指又は母指を含み4の手指を失ったもの
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第7級 | 560 |
一 1眼が失明し、他眼の視力が0・6以下になったもの
二 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
三 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
四 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
五 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
六 1手の母指を含み3の手指を失ったもの又は母指以外の4の手指を失ったもの
七 1手の5の手指又は母指を含み4の手指の用を廃したもの
八 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
九 1上肢に偽関節を残し、著しい障害を残すもの
十 1下肢に偽関節を残し、著しい障害を残すもの
十一 両足の足指の全部の用を廃したもの
十二 外貌に著しい醜状を残すもの
十三 両側の睾丸を失ったもの
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第8級 | 450 |
一 1眼が失明し、又は1眼の視力が0・02以下になったもの
二 脊柱に運動障害を残すもの
三 1手の母指を含み2の手指を失ったもの又は母指以外の3の手指を失ったもの
四 1手の母指を含み3の手指の用を廃したもの又は母指以外の4の手指の用を廃したもの
五 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
六 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
七 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
八 1上肢に偽関節を残すもの
九 1下肢に偽関節を残すもの
十 1足の足指の全部を失ったもの
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第9級 | 350 |
一 両眼の視力が0・6以下になったもの
二 1眼の視力が0・06以下になったもの
三 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
五 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
六 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
七 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
八 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
九 1耳の聴力を全く失ったもの
十 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十一 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十二 1手の母指又は母指以外の2の手指を失ったもの
十三 1手の母指を含み2の手指の用を廃したもの又は母指以外の3の手指の用を廃したもの
十四 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
十五 1足の足指の全部の用を廃したもの
十六 生殖器に著しい障害を残すもの
十七 外貌に相当程度の醜状を残すもの
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第10級 | 270 |
一 1眼の視力が0・1以下になったもの
二 正面視で複視を残すもの
三 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
四 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
六 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
七 1手の母指又は母指以外の2の手指の用を廃したもの
八 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
九 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
十 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
十一 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
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第11級 | 200 |
一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
四 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
六 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
七 脊柱に変形を残すもの
八 1手の示指、中指又は環指を失ったもの
九 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
十 胸腹部臓器の機能に障害を残し労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
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第12級 | 140 |
一 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
四 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
五 鎖骨、胸骨、肋骨、肩胛骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
六 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
七 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
八 長管骨に変形を残すもの
九 1手の小指を失ったもの
十 1手の示指、中指又は環指の用を廃したもの
十一 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
十二 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
十三 局部に頑固な神経症状を残すもの
十四 外貌に醜状を残すもの
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第13級 | 90 |
一 1眼の視力が0・6以下になったもの
二 正面視以外で複視を残すもの
三 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
五 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
六 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
七 1手の小指の用を廃したもの
八 1手の母指の指骨の一部を失ったもの
九 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
十 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
十一 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
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第14級 | 50 |
一 1眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
二 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
三 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
四 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
五 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
六 1手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
七 1手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
八 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
九 局部に神経症状を残すもの
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