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どうぶつよういやくひんのせいぞうはんばいごのちょうさおよびしけんのじっしのきじゅんにかんするしょうれい

動物用医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令

平成17年農林水産省令第33号
薬事法(昭和35年法律第145号)第83条第1項の規定により読み替えて適用される第14条の4第4項及び第14条の6第4項(これらの規定を同法第19条の4において準用する場合を含む。)並びに第82条の規定に基づき、動物用医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令を次のように定める。
(趣旨)
第1条 この省令は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「法」という。)第83条第1項の規定により読み替えて適用される第14条の4第4項及び第14条の6第4項(これらの規定を法第19条の4において準用する場合を含む。)の農林水産省令で定める基準のうち製造販売後の調査及び試験に係るもの(動物用医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年農林水産省令第75号。以下「臨床試験基準省令」という。)に定めるものを除く。)に関して遵守すべき事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この省令において「製造販売後調査等」とは、専ら動物のために使用されることが目的とされている医薬品(以下「動物用医薬品」という。)の製造販売業者又は法第19条の2第4項に規定する外国製造医薬品等特例承認取得者(以下「製造販売業者等」という。)が行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。
2 この省令において「使用成績調査」とは、製造販売業者等が、副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報の検出又は確認のために行う調査をいう。
3 この省令において「製造販売後臨床試験」とは、製造販売業者等が、治験若しくは使用成績調査の成績に関する検討を行った結果得られた推定等を検証し、又は品質、有効性及び安全性に関する情報を収集するため、当該動物用医薬品について法第14条又は第19条の2の承認に係る用法、用量、効能及び効果に従い行う試験をいう。
(製造販売後調査等業務手順書)
第3条 製造販売業者等は、製造販売後調査等を適正かつ円滑に実施するため、次に掲げる手順を記載した製造販売後調査等業務手順書を作成しなければならない。
 使用成績調査に関する手順
 製造販売後臨床試験に関する手順
 自己点検に関する手順
 製造販売後調査等業務の委託に関する手順
 製造販売後調査等業務に係る記録の保存に関する手順
 その他製造販売後調査等を適正かつ円滑に実施するために必要な手順
2 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務手順書を作成し、又は改訂したときは、当該製造販売後調査等業務手順書にその日付を記載し、これを保存しなければならない。
(製造販売後調査等管理責任者)
第4条 製造販売業者等は、製造販売後調査等に係る業務を統括する者(以下「製造販売後調査等管理責任者」という。)を置かなければならない。
2 製造販売業者等は、製造販売後調査等管理責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
 製造販売後調査等業務手順書に基づき、使用成績調査又は製造販売後臨床試験ごとに、実施方法及び評価方法を記載した使用成績調査実施計画書又は臨床試験基準省令第2条第14項に規定する製造販売後臨床試験実施計画書その他製造販売後調査等を行うために必要な事項を文書により定めること。
 動物用医薬品に関する情報の検討の結果、必要があると認めるときは、前号に規定する文書(以下「使用成績調査実施計画書等」という。)を改訂すること。
 使用成績調査実施計画書等を作成し、又は改訂した場合は、当該使用成績調査実施計画書等にその日付を記載し、これを保存すること。
 製造販売後調査等を行うために必要があると認めるときは、製造販売業者等に文書により意見を述べ、当該文書又はその写しを保存すること。
3 製造販売業者等は、前項第4号の規定により製造販売後調査等管理責任者が述べる意見を尊重しなければならない。
4 製造販売業者等は、製造販売後調査等管理責任者が製造販売後調査等の業務を遂行するに当たって支障を生ずることがないようにしなければならない。
(製造販売後調査等)
第5条 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務手順書に基づき、次に掲げる製造販売後調査等の実施の業務を製造販売後調査等管理責任者に行わせなければならない。
 製造販売後調査等の実施について企画、立案及び調整を行うこと。
 製造販売後調査等が、製造販売後調査等業務手順書及び使用成績調査実施計画書等に基づき適正かつ円滑に行われていることを確認すること。
2 製造販売業者等は、使用成績調査又は製造販売後臨床試験を実施する場合には、その都度、製造販売後調査等管理責任者に調査及び試験の実施状況を把握するための記録を作成させ、これを保存させなければならない。
(使用成績調査)
第6条 製造販売業者等は、使用成績調査を実施する場合には、製造販売後調査等業務手順書及び使用成績調査実施計画書等に基づき、製造販売後調査等管理責任者又は製造販売業者等が指定する者にこれを行わせなければならない。
2 製造販売業者等は、使用成績調査を実施する場合には、製造販売後調査等業務手順書に基づき、当該使用成績調査の目的を十分に果たし得る施設に対し、当該使用成績調査の委託を文書により行い、これを保存しなければならない。
3 製造販売業者等は、前項の規定による文書による委託に代えて、第5項に定めるところにより、使用成績調査を実施する施設(以下この条において「調査機関」という。)の承諾を得て、委託を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により行うことができる。この場合において、当該製造販売業者等は、当該文書による委託をしたものとみなす。
 製造販売業者等の使用に係る電子計算機と、調査機関の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法のうち、イ又はロに掲げるもの
 製造販売業者等の使用に係る電子計算機と調査機関の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、それぞれの使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
 製造販売業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された前項の規定による委託を電気通信回線を通じて調査機関の閲覧に供し、当該調査機関の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法(電磁的方法による委託を受ける旨の承諾又は委託を受けない旨の申出をする場合にあっては、製造販売業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)
 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに前項の規定による委託を記録したものを交付する方法
4 前項に掲げる方法は、次に掲げる技術的基準に適合するものでなければならない。
 製造販売業者等及び調査機関がファイルへの記録を出力することによる文書を作成することができること。
 委託の場合には、ファイルに記録された文書に記載すべき事項について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
5 製造販売業者等は、第3項の規定により委託を行おうとするときは、あらかじめ、当該調査機関に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
 第3項各号に規定する方法のうち製造販売業者等が使用するもの
 ファイルへの記録の方式
6 前項の規定による承諾を得た製造販売業者等は、当該調査機関から文書又は電磁的方法により電磁的方法による委託を受けない旨の申出があったときは、当該調査機関に対し、第3項の委託を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該調査機関が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
7 製造販売業者等は、第3項の規定により第2項の文書に記載すべき事項を提供したときは、同項の規定にかかわらず、当該文書に代えて、当該事項を第3項第2号に規定するファイルに記録したものを保存することができる。
8 使用成績調査実施計画書には、次に掲げる事項について定めなければならない。
 調査の目的
 調査を予定する施設数及び症例数
 調査の対象となる動物
 調査の方法
 調査の実施期間
 調査を行う事項
 解析を行う項目及び方法
 その他必要な事項
(製造販売後臨床試験)
第7条 製造販売業者等は、製造販売後臨床試験を実施する場合には、製造販売後調査等業務手順書及び使用成績調査実施計画書等に基づき、製造販売後調査等管理責任者又は製造販売業者等が指定する者にこれを行わせなければならない。
2 製造販売後臨床試験は、臨床試験基準省令第58条の例により実施しなければならない。
(自己点検)
第8条 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務手順書に基づき、次に掲げる業務を製造販売後調査等管理責任者又は製造販売業者等が指定する者に行わせなければならない。
 製造販売後調査等業務について定期的に自己点検を行うこと。ただし、前条第2項の規定によりその例によることとされる臨床試験基準省令第58条第2項の規定により読み替えて準用する臨床試験基準省令第22条の規定により監査を実施した事項については、この条に規定する自己点検の実施を要しない。
 製造販売後調査等管理責任者以外の者が自己点検を行う場合には、自己点検の結果を製造販売後調査等管理責任者に対して文書により報告すること。
 自己点検の結果の記録を作成し、これを保存すること。
2 製造販売後調査等管理責任者は、自己点検の結果に基づき、製造販売後調査等業務の改善が行われる必要があると認めるときは、その措置を講ずるとともに、当該措置の記録を作成し、これを保存しなければならない。
(製造販売後調査等業務の委託)
第9条 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務(その管理に係るものを除く。以下この条において同じ。)の一部を、その業務を適正かつ円滑に遂行し得る能力のある者に委託することができる。
2 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務を委託する場合には、製造販売後調査等業務手順書に基づき、次に掲げる事項を記載した文書を受託者に交付しなければならない。ただし、製造販売後臨床試験業務の委託に関しては、臨床試験基準省令第58条第2項の規定により読み替えて準用する臨床試験基準省令第10条第1項の規定に基づき、委託契約書を受託者に交付しなければならない。
 当該委託の範囲
 受託業務に係る第3条第1項各号に掲げる製造販売後調査等業務の手順に関する事項
 前号の手順に基づき当該委託業務が適正かつ円滑に行われているかどうかを製造販売業者等又は製造販売後調査等管理責任者が確認することができる旨
 委託した業務について、受託者に対する製造販売業者等又は製造販売後調査等管理責任者による指示に関する事項
 前号の指示を行った場合における当該措置が講じられたかどうかを製造販売業者等又は製造販売後調査等管理責任者が確認することができる旨
 製造販売業者等又は製造販売後調査等管理責任者及び受託者の相互の間における製造販売後調査等に関する情報の提供の方法に関する事項
 受託者が製造販売業者等又は製造販売後調査等管理責任者に対して行う報告に関する事項
 受託者が当該受託業務について作成した文書の保存に関する事項
 その他必要な事項
3 製造販売業者等は、製造販売後調査等管理責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
 次に掲げる事項について確認し、その結果の記録を作成し、これを保存すること。
 受託者において当該委託に係る業務が製造販売後調査等業務手順書及び使用成績調査実施計画書等に基づいて適正かつ円滑に行われているかどうかの確認
 製造販売後調査等管理責任者による受託者に対する指示の履行状況についての確認
 前号の確認を踏まえ、必要があると認められるときは、当該受託者に対し必要な指示を文書により行い、その写し又は当該文書を保存すること。
 前項第7号に規定する報告について記録を作成し、それを保存すること。
4 第2項に規定する文書の交付については、第6条第3項から第6項までの規定を準用する。この場合において、同条第3項中「使用成績調査を実施する施設(以下この条において「調査機関」という。)」とあり、並びに同項第1号並びに同条第4項第1号、第5項及び第6項中「調査機関」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。
(製造販売後調査等業務に係る記録の保存)
第10条 この省令の規定により保存されていることとされている文書その他の記録の保存期間は、次に掲げる記録の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間とする。ただし、第7条の規定による製造販売後臨床試験を実施した場合においては、同条第2項においてその例によることとされる臨床試験基準省令第58条第2項において読み替えて準用する臨床試験基準省令第26条及び第32条に規定する期間とする。
 再審査又は再評価に係る記録 再審査又は再評価が終了した日から5年間
 前号に掲げる記録以外の記録 利用しなくなった日又は当該記録の最終の記載の日から5年間
2 製造販売業者等は、製造販売後調査等業務手順書に基づき、記録を保存することとされている者に代えて、製造販売業者等が指定する者に、当該記録を保存させることができる。

附則

(施行期日)
第1条 この省令は、薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律(平成14年法律第96号)の施行の日(平成17年4月1日)から施行する。
(動物用医薬品の市販後調査の基準に関する省令の廃止)
第2条 動物用医薬品の市販後調査の基準に関する省令(平成9年農林水産省令第73号)は、廃止する。
(経過措置)
第3条 この省令の施行前に前条の規定による廃止前の動物用医薬品の市販後調査の基準に関する省令に基づき開始された使用成績調査又は市販後臨床試験については、なお従前の例による。
附則 (平成26年11月18日農林水産省令第58号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、薬事法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成26年11月25日)から施行する。

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