ぶりょくこうげきじたいおよびそんりつききじたいにおけるほりょとうのとりあつかいにかんするほうりつしこうきそく
武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律施行規則
平成17年内閣府令第9号
武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成16年法律第117号)第6条第1項及び第3項、第8条第4項第4号、第13条第1項及び第4項第5号、第15条第2項第4号(同法第17条第5項において準用する場合を含む。)、第16条第1項及び第3項、第17条第3項第5号、第18条第5号、第21条、第139条第2項、第143条第7号、第146条第2項、第148条第3項及び第4項、第153条第1項第3号、第158条、第160条並びに第171条第2項の規定に基づき、並びに同法第8条第3項、第9条、第143条、第168条、第174条第2項及び第4項並びに第175条第2項及び第5項の規定を実施するため、武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律施行規則を次のように定める。
第1章 拘束及び抑留資格認定の手続
(法第6条第1項に規定する部隊等)
第1条 武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成16年法律第117号。以下「法」という。)第6条第1項に規定する防衛省令で定める部隊等(自衛隊法(昭和29年法律第165号)第8条に規定する部隊等をいう。以下この条及び第34条において同じ。)は、次に掲げる部隊等とする。
一 連隊
二 群
三 団に準ずる隊であって防衛大臣が定めるもの
四 特科隊
五 後方支援隊
六 駐屯地司令(自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号)第51条第1項に規定する駐屯地司令をいい、方面総監部又は前各号に掲げる部隊の所在する駐屯地の駐屯地司令を除く。)が所属する部隊等(自衛隊地区病院を除く。)
七 自衛艦
八 航空基地隊(地方総監部の所在地に所在する航空基地隊を除く。)
九 基地隊
十 防備隊
十一 基地司令(自衛隊法施行令第51条の3第1項に規定する基地司令をいい、航空方面隊司令部の所在する基地の基地司令を除く。)が所属する部隊等
十二 前各号に掲げる部隊等に準ずるものとして防衛大臣が定める部隊等
(引渡し時の報告)
第2条 法第6条第3項に規定する報告は引渡しをする出動自衛官(法第4条に規定する出動自衛官をいう。)が書面により行うものとし、その様式は防衛大臣が定めるものとする。
(確認記録)
第3条 法第8条第4項第4号に規定する防衛省令で定める事項は、確認記録の番号とする。
2 法第8条第3項に規定する確認記録は、防衛大臣の定める様式により作成するものとする。
(判断通知書)
第4条 法第9条第1項に規定する被拘束者(法第5条第1項に規定する被拘束者をいう。以下同じ。)に対する通知は、別記様式第1号の判断通知書により行うものとする。
(判断同意書)
第5条 法第9条第3項に規定する被拘束者が署名する文書の様式は、別記様式第2号による。
(抑留資格認定官の管轄)
第6条 法第9条第4項に規定する抑留資格認定官の管轄は、別表の上欄の組織の区分に従い、それぞれ同表の中欄に掲げる抑留資格認定官について、同表の下欄のとおりとする。
(供述調書の作成)
第7条 抑留資格認定官又は法第11条第5項に規定する認定補佐官(次条第2項及び第9条第1項において「抑留資格認定官等」という。)は、法第11条第1項又は第2項の規定による取調べにおいて必要と認めるときは、防衛大臣の定めるところにより、供述調書を作成するものとする。
2 捕虜収容所長は、法第11条第2項の規定により抑留資格認定官から依頼された参考人の取調べを行うときは、防衛大臣の定めるところにより、供述調書を作成するものとする。
(参考人の出頭の要求等)
第8条 法第11条第2項の規定による参考人の出頭の求めは、別記様式第3号の呼出通知書により行うものとする。
2 抑留資格認定官等は、自ら管理する法第11条第2項に規定する収容区画等に留め置かれている者については、同項の規定による参考人の出頭を求めることなく、その承諾を得て、参考人として取り調べることができる。
(身体検査調書)
第9条 抑留資格認定官等は、法第11条第3項の規定により身体の検査を行ったときは、身体検査調書を作成するものとする。
2 前項の身体検査調書の様式は、防衛大臣が定めるものとする。
(公務所等への照会の方式)
第10条 法第11条第4項の規定により公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めるときは、別記様式第4号の抑留資格認定事項照会書により行うものとする。
(認定調査記録)
第11条 法第12条第1項又は第2項の規定により作成する認定調査記録の様式は、別記様式第5号による。
(抑留資格認定書)
第12条 法第13条第1項並びに第16条第1項及び第3項の規定による抑留資格認定並びに同条第2項の規定による抑留する必要性についての判定は、別記様式第6号の抑留資格認定書により行うものとする。
(抑留資格認定通知書)
第13条 法第13条第1項又は第16条第3項(同条第2項の規定により抑留する必要性がない旨の判定をした場合に限る。)の規定による被拘束者への通知は、別記様式第7号の抑留資格認定通知書(甲)により行うものとする。
2 法第16条第1項又は第3項(同条第2項の規定により抑留する必要性がない旨の判定をした場合を除く。)の規定による被拘束者への通知は、別記様式第8号の抑留資格認定通知書(乙)により行うものとする。
(認定等同意書)
第14条 法第13条第3項及び第17条第2項に規定する被拘束者が署名する文書の様式は、別記様式第9号による。
(放免書)
第15条 法第13条第4項及び第17条第3項に規定する放免書の様式は、別記様式第10号による。
(仮収容令書)
第16条 法第15条第2項(法第17条第5項において準用する場合を含む。)に規定する仮収容令書の様式は、別記様式第11号による。
(抑留令書)
第17条 法第18条に規定する抑留令書の様式は、別記様式第12号による。
第2章 抑留の終了
(送還への同意)
第18条 法第139条第2項に規定する同意は、別記様式第13号の重傷病捕虜等送還同意書へ署名することによりするものとする。
2 法第139条第1項の規定により通知を受けた者が、傷病の程度その他やむを得ない事情により重傷病捕虜等送還同意書に自ら署名することができないときは、当該者の利益を代表すべき捕虜代表が代わりに署名することができる。この場合において、当該捕虜代表は、その代わりに署名した理由を記載するものとする。
(送還令書の様式)
第19条 法第143条に規定する送還令書の様式は、別記様式第14号による。
(送還令書を執行したとみなす方法)
第20条 法第146条第1項の規定により我が国から退去することを許可された者に係る送還令書は、防衛大臣の定めるところにより捕虜収容所長が指定した出国便を運航する運送業者へ当該者を引き渡した時に執行されたものとみなす。
(送還実績等の通知)
第21条 法第148条第3項に規定する捕虜収容所長が送還及び移出の実績を捕虜代表に通知する方法は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによるものとする。
一 送還 法第144条第1項の規定により執行され、法第146条第2項の規定により執行されたものとみなされ、又は法第149条第2項の規定により失効した送還令書の写しの送付
二 移出 法第147条第2項の規定により失効した抑留令書の写しの送付
(送還計画等の周知)
第22条 捕虜収容所長は、法第141条第1項の規定により送還実施計画(同項に規定する送還実施計画をいう。次項において同じ。)を作成し、又は変更したときは、捕虜収容所内に掲示するものとする。
2 捕虜収容所長は、前項の規定による送還実施計画の掲示に際して、当該送還実施計画の根拠となる国際約束の概要を、併せて掲示するものとする。
3 捕虜収容所長は、毎月1回以上定期的に次に掲げる実績を、捕虜収容所内に掲示するものとする。
一 法第144条の規定による送還
二 法第146条の規定による退去
三 法第147条の規定による移出
四 法第149条の規定による放免
第3章 部隊等における領置
(領置してはならない私用の物品)
第23条 法第153条第1項第3号に規定する防衛省令で定める私用の物品は、結婚指輪又はこれに準ずる宝飾品とする。
(領置金品の記録)
第24条 指定部隊長又は抑留資格認定官は、法第153条第1項の規定により被拘束者から領置した金品(同項に規定する金品をいう。)について品目、員数その他必要な事項を記録する帳簿を作成しなければならない。
第4章 遺留物
(被拘束者又は被収容者の死亡以外で遺留物を返還しなければならない場合)
第25条 法第158条に規定する防衛省令で定める場合は、被拘束者又は被収容者(法第24条第1項に規定する被収容者をいう。)が逃走した場合とする。
(遺留物の返還)
第26条 法第158条に規定する遺留物の返還は、抑留される者が法第144条の規定により送還される際に携行を許可されない物品の取扱いの例により防衛大臣が定めるところにより、捕虜収容所長が行うものとする。ただし、特段の国際約束があるときはこれによるものとする。
第5章 補則
(混成医療委員の指定)
第27条 防衛大臣は、法第168条第1項の規定により混成医療委員(同項に規定する混成医療委員をいう。次項において同じ。)を指定したときは、指定した者に対し次に掲げる事項を記載した書面を交付するものとする。
一 氏名及び生年月日
二 身分証明書番号等
三 その他防衛大臣が定める事項
2 混成医療委員は、法第168条第1項に規定する措置をとる場合又は診断を行う場合には、前項に規定する書面をその見やすい位置に着用しなければならない。
3 第1項の書面の様式は、防衛大臣が定める。
(外国混成医療委員への告知)
第28条 防衛大臣は、前条の場合において、法第168条第1項に規定する外国混成医療委員に対して、法第169条、第170条及び第183条の規定の内容について告知しなければならない。
(被拘束者の死亡時の措置)
第29条 被拘束者を拘束している指定部隊長又は抑留資格認定官は、当該被拘束者が死亡したときは、医師である隊員の検案を求める等適切な措置を講ずるとともに、死亡の年月日、場所、死因その他必要な事項について防衛大臣の定めるところにより記録しておかなければならない。
2 前項の規定によるもののほか、被拘束者が死亡した場合の措置については、防衛大臣が定める。
(麻薬の譲受け)
第30条 法第174条第2項の規定により、自衛隊麻薬診療施設(同条第1項に規定する自衛隊麻薬診療施設をいう。次項において同じ。)の開設者が麻薬(麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号に規定する麻薬のうち、同法第12条第1項及び第2項に規定する麻薬を除いたものをいう。)の譲渡の相手方となるときは、防衛大臣の定めるところにより作成した麻薬譲受確認証の副本をその相手方に交付しなければならない。
2 前項の麻薬譲受確認証の正本は、譲渡の相手方となった自衛隊麻薬診療施設の開設者が、譲渡の相手方となった日から2年間、保存しなければならない。
(向精神薬の譲受け)
第31条 法第174条第4項の規定により、自衛隊病院等(法第33条第1項に規定する自衛隊病院等をいう。次項及び第33条において同じ。)の開設者が向精神薬(麻薬及び向精神薬取締法第2条第6号に規定する向精神薬をいう。次項において同じ。)を譲り受ける場合には、防衛大臣の定めるところにより作成した向精神薬譲受確認証の副本を相手方に交付しなければならない。
2 前項の向精神薬譲受確認証の正本は、当該向精神薬を譲り受けた自衛隊病院等の開設者が、譲り受けた日から2年間、保存しなければならない。
(覚せい剤の譲受け)
第32条 法第175条第2項の規定により、自衛隊覚せい剤施用機関(同条第1項に規定する自衛隊覚せい剤施用機関をいう。次項において同じ。)が覚せい剤を譲り受ける場合には、防衛大臣の定めるところにより作成した覚せい剤譲受確認証の副本を相手方に交付しなければならない。
2 前項の覚せい剤譲受確認証の正本は、当該覚せい剤を譲り受けた自衛隊覚せい剤施用機関において、譲り受けた日から2年間、保存しなければならない。
(医薬品である覚せい剤原料の譲受け)
第33条 法第175条第5項の規定により、自衛隊病院等の開設者が医薬品である覚せい剤原料を譲り受ける場合には、防衛大臣の定めるところにより作成した医薬品である覚せい剤原料譲受確認証の副本を相手方に交付しなければならない。
2 前項の医薬品である覚せい剤原料譲受確認証の正本は、当該覚せい剤を譲り受けた自衛隊病院等の開設者が、譲り受けた日から2年間、保存しなければならない。
(雑則)
第34条 この省令に定めるもののほか、抑留資格認定の手続及び部隊等における領置に関し必要な事項は、防衛大臣が定める。
附則
(施行期日)
第1条 この府令は、法の施行の日(平成17年2月28日)から施行する。
附則 (平成19年1月4日内閣府令第2号)
この府令は、防衛庁設置法等の一部を改正する法律(平成18年法律第118号)の施行の日(平成19年1月9日)から施行する。
附則 (平成23年4月20日防衛省令第8号)
この省令は、平成23年4月22日から施行する。
附則 (平成28年3月25日防衛省令第7号)
この省令は、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律の施行の日(平成28年3月29日)から施行する。
附則 (平成29年6月23日防衛省令第9号)
この省令は、平成29年7月1日から施行する。
別表(第6条関係)
区分 | 抑留資格認定官 | 管轄 |
陸上自衛隊 |
北部方面総監 東北方面総監 東部方面総監 中部方面総監 西部方面総監 |
この項の抑留資格認定官欄の各官職が自衛隊法施行令第14条及び別表第2において責任者とされている警備区域の区域 |
海上自衛隊 |
大湊地方総監 横須賀地方総監 呉地方総監 佐世保地方総監 舞鶴地方総監 |
この項の抑留資格認定官欄の各官職が長である地方隊が自衛隊法施行令第27条及び別表第4において責任部隊とされている警備区域の区域 |
航空自衛隊 | 北部航空方面隊司令官 | 北海道、青森県、岩手県、秋田県 |
中部航空方面隊司令官 | 宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、徳島県、香川県 | |
西部航空方面隊司令官 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 | |
南西航空方面隊司令官 | 沖縄県 |
別記様式第1号(第4条関係)
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別記様式第2号(第5条関係)
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別記様式第3号(第8条関係)
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別記様式第4号(第10条関係)
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別記様式第5号(第11条関係)
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別記様式第6号(第12条関係)
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別記様式第7号(第13条関係)
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別記様式第8号(第13条関係)
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別記様式第9号(第14条関係)
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別記様式第10号(第15条関係)
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別記様式第11号(第16条関係)
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別記様式第12号(第17条関係)
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別記様式第13号(第18条関係)
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別記様式第14号(第19条関係)
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