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心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令

平成16年政令第310号
内閣は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)第6条第2項及び第15条第2項の規定に基づき、この政令を制定する。
(病院又は診療所に準ずる機関)
第1条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第2条第5項の病院又は診療所に準ずるものとして政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
 健康保険法(大正11年法律第70号)第88条第1項に規定する指定訪問看護事業者
 介護保険法(平成9年法律第123号)第41条第1項に規定する指定居宅サービス事業者(同法第8条第4項に規定する訪問看護を行う者に限る。)又は同法第53条第1項に規定する指定介護予防サービス事業者(同法第8条の2第3項に規定する介護予防訪問看護を行う者に限る。)
(精神保健判定医名簿への記載)
第2条 厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する者のうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を法第6条第2項の名簿(以下「精神保健判定医名簿」という。)に記載するものとする。
 法第6条第2項の規定に基づき精神保健判定医名簿を送付する際現に精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号。以下「精神保健福祉法」という。)第18条第1項の規定による指定を受けている者であって、当該精神保健判定医名簿を送付する年度の前年度の末日において、厚生労働省令で定める期間以上の期間当該指定を受けていたもの
 次のいずれかに該当する者
 精神保健福祉法第27条第1項若しくは第2項、第29条の2第1項又は第29条の4第2項の規定による診察に従事した経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者であって、厚生労働省令で定める研修(当該精神保健判定医名簿を送付する年の11月1日前3年以内に行われたものに限る。)の課程を修了したもの
 精神保健審判員として、法第42条第1項、第51条第1項、第56条第1項又は第61条第1項の裁判をした経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者
 法第37条第1項、第52条、第57条又は第62条第1項に規定する鑑定を行った経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者
2 厚生労働大臣は、前項各号のいずれにも該当する者のほか、当該者と同等以上の学識経験を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、精神保健判定医名簿に記載することができる。
(精神保健参与員候補者名簿への記載)
第3条 厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する者のうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を法第15条第2項の名簿(以下「精神保健参与員候補者名簿」という。)に記載するものとする。
 法第15条第2項の規定に基づき精神保健参与員候補者名簿を送付する際現に精神保健福祉士法(平成9年法律第131号)第28条の規定による登録を受けている者
 次のいずれかに該当する者
 当該精神保健参与員候補者名簿を送付する年度の前年度の末日において、精神保健福祉士法第28条の規定による登録を受けて同法第2条に規定する相談援助の業務に従事している期間が厚生労働省令で定める期間以上である者であって、厚生労働省令で定める研修(当該精神保健参与員候補者名簿を送付する年の11月1日前3年以内に行われたものに限る。)の課程を修了したもの
 精神保健参与員として、法第36条(法第53条、第58条及び第63条において準用する場合を含む。)の規定により審判に関与した経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者
2 厚生労働大臣は、前項各号のいずれにも該当する者のほか、当該者と同等以上の専門的知識及び技術を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、精神保健参与員候補者名簿に記載することができる。
(精神保健判定医名簿及び精神保健参与員候補者名簿の送付)
第4条 厚生労働大臣は、毎年11月1日までに、法第6条第2項の規定に基づく精神保健判定医名簿の送付及び法第15条第2項の規定に基づく精神保健参与員候補者名簿の送付をしなければならない。
(社会復帰調整官の資格)
第5条 法第20条第3項の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有する者として政令で定めるものは、次の各号のいずれかに該当する者とする。
 精神保健福祉士
 次のイからニまでに掲げる者であって、精神障害者に関する当該イからニまでに定める業務に従事した経験を有するもの
 保健師 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第2条に規定する業務
 看護師 保健師助産師看護師法第5条に規定する業務
 作業療法士 理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)第2条第4項に規定する業務
 社会福祉士 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第2条第1項に規定する業務
 法務大臣が前2号に掲げる者と同等以上の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有すると認める者
(医療に関する審査機関)
第6条 法第84条第3項の政令で定める医療に関する審査機関は、社会保険診療報酬支払基金法(昭和23年法律第129号)第21条第1項に規定する特別審査委員会及び国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第6項に規定する厚生労働大臣が指定する法人に設置される診療報酬の審査に関する組織とする。
(入院対象者を外出させることができる場合)
第7条 法第100条第1項第3号の政令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
 法第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号の決定により入院している者(以下「入院対象者」という。)に適切な精神障害の医療を受けさせるために他の医療施設に通院させる必要がある場合
 入院対象者の近親者の葬式へ出席する場合、近親者が負傷又は疾病により重態であって当該入院対象者を訪問させることが適当であると認められる場合その他の社会生活上の重要な用務がある場合であって、当該入院対象者が入院している指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医による診察の結果、当該入院対象者の症状に照らし支障がないと認められるとき。
(入院対象者を外泊させることができる場合)
第8条 法第100条第2項第2号の政令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
 入院対象者に適切な精神障害の医療を受けさせるために他の医療施設に入院させる必要がある場合
 入院対象者の近親者の葬式へ出席する場合、近親者が負傷又は疾病により重態であって当該入院対象者を訪問させることが適当であると認められる場合その他の社会生活上の重要な用務がある場合であって、当該入院対象者が入院している指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医による診察の結果、当該入院対象者の症状に照らし支障がないと認められるとき。
(他の医療施設への入院時における届出)
第9条 指定入院医療機関の管理者は、法第100条第3項の規定により入院対象者を他の医療施設に入院させたときは、速やかに、次に掲げる事項を厚生労働大臣及び主務省令で定める保護観察所の長に届け出なければならない。
 当該入院対象者の氏名
 当該他の医療施設の名称、所在地及び電話番号その他の連絡先
 当該他の医療施設に入院させた日時
 当該他の医療施設に入院させた理由
2 指定入院医療機関の管理者は、法第100条第3項の規定により他の医療施設に入院させた入院対象者が当該他の医療施設から退院したときは、速やかに、その旨及び退院した日時を厚生労働大臣及び前項の主務省令で定める保護観察所の長に届け出なければならない。
(国の負担)
第10条 指定入院医療機関の設置に要する費用に係る法第102条の規定による国の負担は、各年度において指定入院医療機関の設置者がその設置のために支弁した費用の額から、その年度におけるその費用のための寄附金その他の収入の額を控除した額につき、厚生労働大臣が定める基準に従って行う。
2 指定入院医療機関の運営に要する費用に係る法第102条の規定による国の負担は、各年度において指定入院医療機関の設置者がその運営のために支弁した費用の額から、その年度におけるその費用のための診療収入その他の収入の額を控除した額につき、厚生労働大臣が定める基準に従って行う。
3 前項の規定により控除しなければならない額が、その年度において指定入院医療機関の設置者がその運営のために支弁した費用の額を超過したときは、その超過額は、後年度における支弁額から控除する。
(処遇の実施計画の記載事項)
第11条 法第104条第1項に規定する実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
 地域社会における処遇(指定通院医療機関の管理者による医療、社会復帰調整官が実施する精神保健観察並びに指定通院医療機関の管理者による法第91条の規定に基づく援助、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)による精神保健福祉法第47条又は第49条、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第29条その他の精神障害者の保健又は福祉に関する法令の規定に基づく援助その他法第42条第1項第2号又は第51条第1項第2号の決定を受けた者(以下「通院対象者」という。)に対してなされる援助をいう。以下同じ。)の実施により達成しようとする目標
 指定通院医療機関の管理者による医療に関する次に掲げる事項
 指定通院医療機関の名称及び所在地
 医療を担当する医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士その他の者の氏名
 医療の内容及び方法
 その他医療を行う上での留意事項
 社会復帰調整官が実施する精神保健観察に関する次に掲げる事項
 精神保健観察を実施する社会復帰調整官の氏名
 精神保健観察の内容及び方法
 その他精神保健観察を行う上での留意事項
 指定通院医療機関の管理者による法第91条の規定に基づく援助、都道府県及び市町村による精神障害者の保健又は福祉に関する法令の規定に基づく援助その他通院対象者に対してなされる援助に関する次に掲げる事項
 援助を実施する機関の名称及び所在地
 援助を担当する者の氏名
 援助の内容及び方法
 その他援助を行う上での留意事項
 地域社会における処遇に関する通院対象者の希望
 地域社会における処遇の実施に関する関係機関相互間の緊密な連携を確保するため必要な事項
 その他地域社会における処遇の内容及び方法として主務省令で定める事項
(会議)
第12条 保護観察所の長は、法第104条第1項又は第3項に規定する協議を行うため会議を開催する必要があると認めるときは、通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)又はこれらの者の指名する職員の出席を求めることができる。同条第1項に規定する実施計画に基づく地域社会における処遇の適正かつ円滑な実施のため会議を開催する必要があると認めるときも、同様とする。
2 保護観察所の長は、必要があると認めるときは、前項に規定する者のほか、通院対象者に対して援助を行う者その他の適当な者に対し、同項の会議への出席を依頼することができる。
3 通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長は、必要があると認めるときは、保護観察所の長に対し、第1項の会議の開催を求めることができる。
(主務省令への委任)
第13条 この政令に定めるもののほか、法及びこの政令の実施について必要な事項は、主務省令で定める。
(主務省令)
第14条 この政令における主務省令は、法務省令・厚生労働省令とする。
(権限の委任)
第15条 この政令に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

附則

(施行期日)
第1条 この政令は、法第6条、第7条及び第15条の規定の施行の日(平成16年10月15日)から施行する。
(精神保健判定医名簿への記載に関する経過措置)
第2条 平成16年において法第6条第2項の規定に基づき送付する精神保健判定医名簿については、第1条の規定にかかわらず、厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する者のうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を当該精神保健判定医名簿に記載するものとする。
 当該精神保健判定医名簿を送付する際現に精神保健福祉法第18条第1項の規定による指定を受けている者であって、平成16年3月31日において、第1条第1項第1号の厚生労働省令で定める期間以上の期間当該指定を受けていたもの
 精神保健福祉法第27条第1項若しくは第2項、第29条の2第1項又は第29条の4第2項の規定による診察に従事した経験(第1条第1項第2号イの厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者
2 前項の精神保健判定医名簿については、厚生労働大臣は、同項各号のいずれにも該当する者のほか、当該者と同等以上の学識経験を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、当該精神保健判定医名簿に記載することができる。
第3条 平成19年において法第6条第2項の規定に基づき送付する精神保健判定医名簿に記載すべき者の要件に係る第2条第1項第2号イの規定の適用については、同号イ中「3年」とあるのは、「4年」とする。
(精神保健参与員候補者名簿への記載に関する経過措置)
第4条 平成16年において法第15条第2項の規定に基づき送付する精神保健参与員候補者名簿については、第3条の規定にかかわらず、厚生労働大臣は、当該精神保健参与員候補者名簿を送付する際現に精神保健福祉士法第28条の規定による登録を受けている者であって、平成16年3月31日において、同条の規定による登録を受けて同法第2条に規定する相談援助の業務に従事している期間が第3条第1項第2号イの厚生労働省令で定める期間以上であるもののうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を当該精神保健参与員候補者名簿に記載するものとする。
2 前項の精神保健参与員候補者名簿については、厚生労働大臣は、同項に該当する者のほか、当該者と同等以上の専門的知識及び技術を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、当該精神保健参与員候補者名簿に記載することができる。
第5条 第3条第1項第2号イ及び前条第1項の相談援助の業務に従事している期間には、当分の間、精神保健福祉士法の施行前において同法第2条に規定する相談援助の業務に従事している期間を算入することができる。
第6条 平成19年において法第15条第2項の規定に基づき送付する精神保健参与員候補者名簿に記載すべき者の要件に係る第3条第1項第2号イの規定の適用については、同号イ中「3年」とあるのは、「4年」とする。
附則 (平成17年7月6日政令第233号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の施行の日(平成17年7月15日)から施行し、改正後の第10条第2項の規定は、指定入院医療機関の円滑な運営を期するためにこの政令の施行前に支弁された指定入院医療機関の運営に要する費用(平成17年度において支弁されたものであって、厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。)についても、適用する。
附則 (平成18年1月25日政令第10号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成18年4月1日から施行する。
附則 (平成18年3月31日政令第154号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成18年4月1日から施行する。
附則 (平成25年1月18日政令第5号)
この政令は、平成25年4月1日から施行する。
附則 (平成25年11月7日政令第307号)
この政令は、平成26年4月1日から施行する。
附則 (平成27年3月31日政令第138号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成27年4月1日から施行する。

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