みんかんじぎょうしゃとうがおこなうしょめんのほぞんとうにおけるじょうほうつうしんのぎじゅつのりようにかんするほうりつ
民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律
平成16年法律第149号
(目的)
第1条 この法律は、法令の規定により民間事業者等が行う書面の保存等に関し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法(以下「電磁的方法」という。)により行うことができるようにするための共通する事項を定めることにより、電磁的方法による情報処理の促進を図るとともに、書面の保存等に係る負担の軽減等を通じて国民の利便性の向上を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 民間事業者等 法令の規定により書面又は電磁的記録の保存等をしなければならないものとされている民間事業者その他の者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
イ 国の機関
ロ 地方公共団体及びその機関
ハ 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号)第2条第2号ニからチまでに掲げるもの
二 法令 法律及び法律に基づく命令をいう。
三 書面 書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。
四 電磁的記録 電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。
五 保存 民間事業者等が書面又は電磁的記録を保存し、保管し、管理し、備え、備え置き、備え付け、又は常備することをいう。ただし、訴訟手続その他の裁判所における手続並びに刑事事件及び政令で定める犯則事件に関する法令の規定に基づく手続(以下この条において「裁判手続等」という。)において行うものを除く。
六 作成 民間事業者等が書面又は電磁的記録を作成し、記載し、記録し、又は調製することをいう。ただし、裁判手続等において行うものを除く。
七 署名等 署名、記名、自署、連署、押印その他氏名又は名称を書面に記載することをいう。
八 縦覧等 民間事業者等が書面又は電磁的記録に記録されている事項を縦覧若しくは閲覧に供し、又は謄写をさせることをいう。ただし、裁判手続等において行うものを除く。
九 交付等 民間事業者等が書面又は電磁的記録に記録されている事項を交付し、若しくは提出し、又は提供することをいう。ただし、裁判手続等において行うもの及び行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第2条第6号に掲げる申請等として行うものを除く。
十 保存等 保存、作成、縦覧等又は交付等をいう。
(電磁的記録による保存)
第3条 民間事業者等は、保存のうち当該保存に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(主務省令で定めるものに限る。)については、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行うことができる。
2 前項の規定により行われた保存については、当該保存を書面により行わなければならないとした保存に関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該保存に関する法令の規定を適用する。
(電磁的記録による作成)
第4条 民間事業者等は、作成のうち当該作成に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(当該作成に係る書面又はその原本、謄本、抄本若しくは写しが法令の規定により保存をしなければならないとされているものであって、主務省令で定めるものに限る。)については、当該他の法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の作成に代えて当該書面に係る電磁的記録の作成を行うことができる。
2 前項の規定により行われた作成については、当該作成を書面により行わなければならないとした作成に関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該作成に関する法令の規定を適用する。
3 第1項の場合において、民間事業者等は、当該作成に関する他の法令の規定により署名等をしなければならないとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、氏名又は名称を明らかにする措置であって主務省令で定めるものをもって当該署名等に代えることができる。
(電磁的記録による縦覧等)
第5条 民間事業者等は、縦覧等のうち当該縦覧等に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(主務省令で定めるものに限る。)については、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の縦覧等に代えて当該書面に係る電磁的記録に記録されている事項又は当該事項を記載した書類の縦覧等を行うことができる。
2 前項の規定により行われた縦覧等については、当該縦覧等を書面により行わなければならないとした縦覧等に関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該縦覧等に関する法令の規定を適用する。
(電磁的記録による交付等)
第6条 民間事業者等は、交付等のうち当該交付等に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(当該交付等に係る書面又はその原本、謄本、抄本若しくは写しが法令の規定により保存をしなければならないとされているものであって、主務省令で定めるものに限る。)については、当該他の法令の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該交付等の相手方の承諾を得て、書面の交付等に代えて電磁的方法であって主務省令で定めるものにより当該書面に係る電磁的記録に記録されている事項の交付等を行うことができる。
2 前項の規定により行われた交付等については、当該交付等を書面により行わなければならないとした交付等に関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該交付等に関する法令の規定を適用する。
(条例等に基づく書面の保存等に係る情報通信の技術の利用の推進等)
第7条 地方公共団体は、条例又は規則に基づいて民間事業者その他の者が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用の推進を図るため、この法律の趣旨にのっとり、条例又は規則に基づく書面の保存等について必要な措置を講ずることその他の必要な施策の実施に努めなければならない。
2 国は、条例又は規則に基づいて民間事業者その他の者が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用の推進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(政令又は主務省令の制定改廃に伴う経過措置)
第8条 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(主務省令)
第9条 この法律における主務省令は、当該保存等について規定する法令(会計検査院規則、人事院規則、公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、個人情報保護委員会規則、カジノ管理委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則、運輸安全委員会規則及び原子力規制委員会規則を除く。)を所管する内閣府又は各省の内閣府令又は省令とする。ただし、会計検査院、人事院、公正取引委員会、国家公安委員会、個人情報保護委員会、カジノ管理委員会、公害等調整委員会、公安審査委員会、中央労働委員会、運輸安全委員会又は原子力規制委員会の所管する法令の規定に基づく保存等については、それぞれ会計検査院規則、人事院規則、公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、個人情報保護委員会規則、カジノ管理委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則、運輸安全委員会規則又は原子力規制委員会規則とする。
附則
この法律は、平成17年4月1日から施行する。
附則 (平成20年5月2日法律第26号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成20年10月1日から施行する。
附則 (平成24年6月27日法律第47号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第7条第1項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第2条第3項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)、第5条、第6条、第14条第1項、第34条及び第87条の規定 公布の日
(罰則の適用に関する経過措置)
第86条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第87条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成27年9月9日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条及び第4条並びに附則第5条、第6条、第7条第1項及び第3項、第8条、第9条、第13条、第22条、第25条から第27条まで、第30条、第32条、第34条並びに第37条の規定 平成28年1月1日
附則 (平成30年7月27日法律第80号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 略
三 第11章、第235条、第239条第1項(第44号に係る部分に限る。)、第243条第1項(第4号(第239条第1項第44号に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)及び第3項並びに第251条並びに附則第5条、第7条、第8条(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号)第12条の改正規定に限る。)、第9条、第10条、第12条、第14条(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律第19条第2項の改正規定に限る。)、第15条及び第16条の規定 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日
四 略
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