どくりつぎょうせいほうじんこくさいこうりゅうききんほう
独立行政法人国際交流基金法
平成14年法律第137号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、独立行政法人国際交流基金の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第2条 この法律及び独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人国際交流基金とする。
(基金の目的)
第3条 独立行政法人国際交流基金(以下「基金」という。)は、国際文化交流事業を総合的かつ効率的に行うことにより、我が国に対する諸外国の理解を深め、国際相互理解を増進し、及び文化その他の分野において世界に貢献し、もって良好な国際環境の整備並びに我が国の調和ある対外関係の維持及び発展に寄与することを目的とする。
(中期目標管理法人)
第3条の2 基金は、通則法第2条第2項に規定する中期目標管理法人とする。
(事務所)
第4条 基金は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第5条 基金の資本金は、附則第3条第6項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、基金に追加して出資することができる。
3 政府は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、土地又は建物その他の土地の定着物(第5項において「土地等」という。)を出資の目的として、基金に追加して出資することができる。
4 基金は、前2項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
5 第3項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員の評価した価額とする。
6 前項に規定する評価委員その他同項の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(名称の使用制限)
第6条 基金でない者は、国際交流基金という名称を用いてはならない。
第2章 役員及び職員
(役員)
第7条 基金に、役員として、その長である理事長及び監事2人を置く。
2 基金に、役員として、理事3人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第8条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して基金の業務を掌理する。
2 通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(理事の任期)
第9条 理事の任期は、4年とする。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第10条 基金の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第11条 基金の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章 業務等
(業務の範囲)
第12条 基金は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 国際文化交流の目的をもって行う人物の派遣及び招へい
二 海外における日本研究に対する援助及びあっせん並びに日本語の普及
三 国際文化交流を目的とする催しの実施、援助及びあっせん並びにこれへの参加
四 日本文化を海外に紹介するための資料その他国際文化交流に必要な資料の作成、収集、交換及び頒布
五 国際文化交流を目的とする施設の整備に対する援助並びに国際文化交流のために用いられる物品の購入に関する援助及びこれらの物品の贈与(基金が寄附を受けた物品の贈与に限る。)
六 国際文化交流を行うために必要な調査及び研究
七 前各号の業務に附帯する業務
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第13条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)の規定(罰則を含む。)は、前条第2号、第3号及び第5号の規定により基金が交付する助成金(政府以外の者からの寄附金のみを財源とするものを除く。)について準用する。この場合において、同法(第2条第7項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人国際交流基金」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人国際交流基金の理事長」と、同法第2条第1項及び第4項、第7条第2項、第19条第1項及び第2項、第24条並びに第33条中「国」とあるのは「独立行政法人国際交流基金」と、同法第14条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人国際交流基金の事業年度」と読み替えるものとする。
(積立金の処分)
第14条 基金は、通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち外務大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第12条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 基金は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(運用資金)
第15条 基金は、業務の運営に必要な財源をその運用によって得るために運用資金を設け、附則第3条第6項後段の規定により外務大臣が示した金額及び第5条第2項の規定により政府が出資した金額並びに運用資金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
2 前項の運用資金(以下「運用資金」という。)は、政令で定める場合を除くほか、取り崩してはならない。
(運用資金の運用)
第16条 通則法第47条及び第67条(第7号に係る部分に限る。)の規定は、運用資金の運用について準用する。この場合において、通則法第47条第3号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補填の契約があるもの」と読み替えるものとする。
2 前項の規定にかかわらず、基金は、支払が外国通貨で行われる事業の実施に必要な経費の財源を得ようとするときは、外貨建債券(外国通貨で表示される債券をいう。次項及び第18条第2号において同じ。)の取得により運用資金を運用することができる。
3 前項の場合において、外貨建債券の種類、外貨建債券の取得により運用することができる運用資金の限度額その他外貨建債券に関する事項については、外務大臣の定めるところによるものとする。
第4章 雑則
(緊急の必要がある場合の外務大臣の要求)
第17条 外務大臣は、国際情勢の急激な変化により又は外国政府若しくは国際機関(国際会議その他国際協調の枠組みを含む。)の要請等を受けて、外交政策の遂行上緊急の必要があると認めるときは、基金に対し、第12条に規定する業務又は基金の外国にある事務所について必要な措置をとることを求めることができる。
2 基金は、外務大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
(財務大臣との協議)
第18条 外務大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第14条第1項の規定による承認をしようとするとき。
二 第16条第3項の規定により外貨建債券に関する事項を定めようとするとき。
(主務大臣等)
第19条 基金に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ外務大臣及び外務省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第20条 国家公務員宿舎法(昭和24年法律第117号)の規定は、基金の役員及び職員には適用しない。
第21条 削除
第5章 罰則
第22条 第10条の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第23条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした基金の役員は、20万円以下の過料に処する。
一 第12条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第14条第1項の規定により外務大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
三 第15条第2項の規定に違反して運用資金を取り崩したとき。
四 第16条第1項において準用する通則法第47条の規定に違反して運用資金を運用したとき。
五 第16条第3項の規定により外務大臣が定めた事項に違反して運用資金を運用したとき。
第24条 第6条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第6条及び第24条並びに附則第5条から第7条まで及び第9条から第11条までの規定は、平成15年10月1日から施行する。
(持分の払戻し)
第2条 国際交流基金は、国際交流基金法(昭和47年法律第48号)第5条第1項の規定にかかわらず、国際交流基金の解散の日の前日までに、国際交流基金に出資した政府以外の者に対し、当該持分に係る出資額に相当する金額により持分の払戻しをするものとする。この場合において、国際交流基金は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
(国際交流基金の解散等)
第3条 国際交流基金(以下この条において「旧基金」という。)は、基金の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において基金が承継する。
2 基金の成立の際現に旧基金が有する権利のうち、基金がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、基金の成立の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 旧基金の平成15年4月1日に始まる事業年度は、旧基金の解散の日の前日に終わるものとする。
5 旧基金の平成15年4月1日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
6 第1項の規定により基金が旧基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、基金が承継する資産の価額(政府以外の者から旧基金に出えんされた金額のうち外務大臣が財務大臣と協議して定める金額及び基金の最初の中期目標の期間における業務の財源に充てる金額として外務大臣が財務大臣と協議して定める金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から基金に出資されたものとする。この場合において、外務大臣は、財務大臣と協議の上、当該出資のうち、第15条に規定する運用資金に充てるべきものの金額を示すものとする。
7 前項の資産の価額は、基金の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
8 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
9 旧基金の解散については、国際交流基金法第39条第1項の規定による残余財産の分配は、行わない。
10 第1項の規定により旧基金が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(国有財産の無償使用)
第4条 外務大臣は、基金の成立の日の前日において現に外務省設置法(平成11年法律第94号)第4条第1号ニ及び第16号に掲げる事務の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、基金の用に供するため、基金に無償で使用させることができる。
(国際交流基金法の廃止)
第5条 国際交流基金法は、廃止する。
(国際交流基金法の廃止に伴う経過措置)
第6条 前条の規定の施行前に国際交流基金法(第12条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第7条 附則第5条の規定の施行前にした行為及び附則第3条第5項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第8条 附則第2条から第4条まで及び前2条に定めるもののほか、基金の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成16年6月18日法律第126号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一及び二 略
三 附則第42条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日
附則 (平成16年6月18日法律第127号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第3条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日
附則 (平成16年6月23日法律第130号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成16年10月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第2条、第7条、第10条、第13条及び第18条並びに附則第9条から第15条まで、第28条から第36条まで、第38条から第76条の2まで、第79条及び第81条の規定 平成17年4月1日
附則 (平成16年6月23日法律第135号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第17条の規定 この法律の公布の日又は国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日のいずれか遅い日
附則 (平成26年6月13日法律第67号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
(処分等の効力)
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
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