ちょさくけんとうかんりじぎょうほうしこうきそく
著作権等管理事業法施行規則
平成13年文部科学省令第73号
著作権等管理事業法(平成12年法律第131号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、著作権等管理事業法施行規則を次のように定める。
第1章 総則
(用語)
第1条 この省令において使用する用語は、著作権等管理事業法(以下「法」という。)において使用する用語の例による。
(人的関係、資本関係等において受託者と密接な関係を有する者)
第2条 法第2条第2項に規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 受託者の親族又はこれに準ずる密接な人的関係を有する者
二 受託者の親会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条第3項に規定する親会社及び会社以外の会社等(同項に規定する会社等をいう。以下本号において同じ。)であってこれと同様に他の会社等の意思決定機関(同項に規定する意思決定機関をいう。)を支配しているものをいう。)、子会社(同項に規定する子会社をいう。)及び関連会社(同条第5項に規定する関連会社をいう。以下本号において同じ。)並びに受託者が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等
三 受託者の役員
四 受託者が会社である場合における自然人たる主要株主(発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額の100分の10以上の株式又は出資を所有している者をいう。次条第1号において同じ。)であって、当該受託者の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができるもの
五 前2号に掲げる者の親族又はこれらに準ずる密接な人的関係を有する者
第2章 登録
(登録申請書の記載事項)
第3条 法第4条第1項第5号に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 会社の場合にあっては、その主要株主の名称又は氏名
二 他に事業を行っているときは、当該事業の種類
三 法第13条第3項の使用料規程の概要の公表の方法並びに法第15条の管理委託契約約款及び使用料規程の公示の方法
(登録申請書の添付書類)
第4条 法第4条第2項第2号に規定する文部科学省令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
一 法人の場合にあっては、登記事項証明書
二 法第6条第1項第1号に規定する人格のない社団の場合にあっては、代表者を決定した総会の議事録及び営利をその目的とせずかつその直接又は間接の構成員との間における管理委託契約のみに基づく著作権等管理事業を行うことをその目的とすることを決定した総会の議事録又はこれらに代わる書面
三 定款若しくは寄附行為又はこれらに代わる書面
四 貸借対照表
五 役員の住民票の写し又はこれに代わる書面
六 役員が法第6条第1項第5号ロに該当しない旨の官公署の証明書(当該役員が外国人である場合を除く。)
七 役員の履歴書
(心身の故障により役員の職務を適正に行うことができない者)
第4条の2 法第6条第1項第5号イの文部科学省令で定めるものは、精神の機能の障害により著作権等管理事業者の役員の職務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。
(著作権等管理事業を遂行するために必要と認められる財産的基礎)
第5条 法第6条第1項第6号に規定する文部科学省令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 負債の合計額が資産の合計額を超えないこと。
二 支払不能に陥っていないこと。
(登録申請書等の補正の機会の付与)
第6条 文化庁長官は、法第4条第1項の規定による登録申請書又は同条第2項の規定による添付書類のうちに重要な事実の記載が欠けているときは、当該登録申請者に対し相当の期間を指定して、補正の機会を与えるものとする。
(登録を拒否しようとするときの弁明の機会の付与)
第7条 文化庁長官は、法第6条第1項の規定により登録を拒否しようとするときは、登録申請者が前条の規定により補正の機会を与えられたにもかかわらず指定された期間内に補正をしない場合を除き、当該登録申請者に対し相当の期間を指定して弁明の機会を与えるものとする。
(変更届出書等)
第8条 著作権等管理事業者は、法第7条第1項の規定による届出をしようとするときは、次に掲げる事項を記載した変更届出書を提出しなければならない。
一 名称
二 登録番号
三 変更があった事項(新旧の対照を明示すること。)
四 変更の年月日
2 前項の変更届出書には、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める書類を添付しなければならない。
一 名称に変更があった場合 当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
二 役員に変更があった場合 新たに役員となった者に係る第4条第1項第5号から第7号までに掲げる書類、当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面及び法第6条第1項第5号に該当しないことを誓約する書面
三 事業所の設置、名称若しくは所在地の変更又は廃止をした場合 当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
(承継届出書等)
第9条 著作権等管理事業者の地位を承継した者は、法第8条第2項の規定による届出をしようとするときは、次に掲げる事項を記載した承継届出書を提出しなければならない。
一 承継者の名称
二 被承継者の名称及び登録番号
三 法第4条第1項第2号から第5号までに掲げる事項
四 承継の原因(著作権等管理事業の譲り受け、合併又は分割の別)
五 承継の年月日
2 前項の承継届出書には、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める書類及び法第4条第2項各号に掲げる書類を添付しなければならない。
一 著作権等管理事業の譲り受けにより承継した場合 当該著作権等管理事業を行っていた者が当該著作権等管理事業の全部を当該届出をした者に譲渡することを決定した総会の議事録又はこれに代わる書面
二 合併により承継した場合 当該合併に係る事項を記載した登記事項証明書
三 分割により承継した場合 当該分割に係る事項を記載した登記事項証明書
(廃業等届出書等)
第10条 法第9条の規定による届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した廃業等届出書を提出しなければならない。
一 氏名
二 届出に係る著作権等管理事業者であった者の名称及び登録番号
三 届出の事由(合併による消滅、破産手続開始の決定による解散、合併及び破産手続開始の決定以外の理由による解散又は著作権等管理事業の廃止の別)
四 前号の事由が生じた年月日
2 前項の廃業等届出書には、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める書類を添付しなければならない。
一 合併により消滅した場合 当該合併に係る事項を記載した登記事項証明書
二 破産手続開始の決定により解散した場合 裁判所が破産管財人を選定したことを証する書面の写し
三 合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 清算人を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
四 著作権等管理事業を廃止した場合 著作権等管理事業の廃止を決定した総会の議事録又はこれに代わる書面
第3章 業務
(管理委託契約約款の記載事項)
第11条 法第11条第1項第5号に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 管理委託契約の変更の方法
二 管理委託契約の承継の方法
三 管理委託契約の解除の方法
四 委託者の事情に応じて管理委託契約の内容に違いを設ける場合においてはその方法
五 実施の日
六 その他必要な事項
(使用料規程に係る利用区分)
第12条 法第13条第1項第1号に規定する文部科学省令で定める基準は、以下のとおりとする。ただし、著作物等の利用の実態に照らして合理的と認められる場合には、これによらないことができる。
一 著作物等の種類による区分にあっては、次に掲げる基準
イ 著作物の場合にあっては、著作権法(昭和45年法律第48号)第10条第1項各号に掲げる著作物、第12条の編集著作物又は第12条の2のデータベースの著作物の種類の区分に基づくものであること。
ロ 実演、レコード、放送又は有線放送の場合にあっては、各々の区分に基づくものであること。
二 著作物等の利用方法の別による区分にあっては、次に掲げる基準
イ 著作物の場合にあっては、同法第21条の複製、同法第22条の上演若しくは演奏、同法第22条の2の上映、同法第23条第1項の公衆送信、同条第2項の伝達、同法第24条の口述、同法第25条の展示、同法第26条の頒布、同法第26条の2第1項の譲渡、同法第26条の3の貸与又は同法第27条の翻訳、編曲、変形若しくは脚色、映画化その他翻案の別の区分に基づくものであること。
ロ 実演の場合にあっては、同法第91条第1項の録音若しくは録画、同法第92条第1項の放送若しくは有線放送、同法第92条の2第1項の送信可能化、同法第95条の2第1項の譲渡又は同法第95条の3第1項の貸与の別の区分に基づくものであること。
ハ レコードの場合にあっては、同法第96条の複製、同法第96条の2の送信可能化、同法第97条の2第1項の譲渡又は同法第97条の3第1項の貸与の別の区分に基づくものであること。
ニ 放送の場合にあっては、同法第98条の録音、録画若しくは写真その他これに類似する方法による複製、同法第99条第1項の再放送若しくは有線放送又は同法第100条の伝達の別の区分に基づくものであること。
ホ 有線放送の場合にあっては、同法第100条の2の録音、録画若しくは写真その他これに類似する方法による複製、同法第100条の3の放送若しくは再有線放送又は同法第100条の4の伝達の別の区分に基づくものであること。
(使用料規程の記載事項)
第13条 法第13条第1項第3号に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 使用料規程において具体的な使用料の額を定めることが困難である場合におけるその決定方法
二 その他必要な事項
(利用者又はその団体から意見を聴取するように努めたことを疎明する書面)
第14条 著作権等管理事業者は、法第13条第1項の使用料規程の届出をしようとするときは、同条第2項の規定により利用者又はその団体から意見を聴取するように努めたことを疎明する書面を提出しなければならない。
(著作物等の円滑な利用を阻害するおそれがあると認める場合)
第15条 文化庁長官は、次の各号のいずれかに該当する場合には、法第13条第1項の規定により届け出られた使用料規程が法第14条第2項の著作物等の円滑な利用を阻害するおそれがあると認めるものとする。
一 記載された利用区分と著作物等の利用の実態とが著しく乖離している場合
二 記載された著作物等の使用料の額が著しく高い場合
三 著作物等の使用料の額を引き上げる旨の変更の届出にあっては、当該変更部分に係る変更前の実施日から変更後の実施予定日までの期間が著しく短い場合
四 著作権等管理事業者が法第13条第2項の規定により利用者又はその団体から意見を聴取するように努めたと認められない場合
(使用料規程に関する協議請求の通知)
第16条 利用者代表は、法第14条第3項の通知をしようとするときは、次に掲げる事項を記載した協議請求通知書を提出しなければならない。
一 名称又は氏名及び住所
二 団体の場合にあっては代表者の氏名
三 法第23条第2項の協議を求めた相手方である指定著作権等管理事業者の名称
四 協議を求めた事項
五 協議を求めた理由
六 協議を求めた年月日
2 前項の協議請求通知書には、自らが利用者代表であることを疎明する書類を添付しなければならない。
3 文化庁長官は、第1項の協議請求通知書を受理したときは、協議を求められた指定著作権等管理事業者に対し、遅滞なく当該通知書の写しを送付するものとする。
(協議において使用料規程の全部又は一部を変更する必要がないこととされた旨の通知)
第17条 指定著作権等管理事業者は、法第14条第4項の通知をしようとするときは、次に掲げる事項を記載した協議満了通知書を提出しなければならない。
一 名称
二 法第23条第2項の協議をした相手方である利用者代表の名称又は氏名
三 使用料規程のうち協議において変更する必要がないこととされた部分
四 協議の経緯
2 前項の協議満了通知書には、利用者代表が作成した異議がない旨の書面を添付しなければならない。
(管理委託契約約款及び使用料規程の公示の方法)
第18条 法第15条の規定による管理委託契約約款及び使用料規程の公示は、継続して、次に掲げるいずれかの方法により行わなければならない。
一 事業所における掲示
二 インターネットによる公開
三 その他公衆が容易に了知しうる手段による公開
(財務諸表等として文部科学省令で定める書類)
第19条 法第18条第1項に規定する文部科学省令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
一 貸借対照表
二 事業報告書
三 損益計算書又は収支計算書
第4章 監督
(監督処分の公告の方法)
第20条 法第22条の規定による監督処分の公告は、官報によるものとする。
第5章 使用料規程に関する協議及び裁定
(利用者代表であると認める場合)
第21条 文化庁長官は、法第14条第3項に係る通知をした者又は法第23条第4項に係る申立てをした者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該者が一の利用区分における法第23条第2項に規定する利用者代表であると認めるものとする。
一 当該利用区分における当該者の利用者比率(1の利用区分における利用者の総数に占めるその者又はその者に使用料規程に関する協議を委任した者の直接又は間接の構成員である利用者の数の割合をいう。以下この条において同じ。)及び使用料比率(1の利用区分における利用者が支払った使用料の総額に占めるその者又はその者に使用料規程に関する協議を委任した者の直接又は間接の構成員が支払った使用料の額の割合をいう。以下この条において同じ。)がともに100分の50を超える場合
二 当該利用区分における当該者の利用者比率が100分の50を超えかつ使用料比率が100分の50を超える者が存在しない場合又は当該利用区分における当該者の使用料比率が100分の50を超えかつ利用者比率が100分の50を超える者が存在しない場合
三 前2号の場合を除き、当該利用区分における当該者の利用者比率及び使用料比率がともに100分の20を超え、当該利用区分において他に当該者の利用者比率又は使用料比率を超える者が存在せずかつ現れる見込みがあると認められない場合
(協議開始命令申立書等)
第22条 利用者代表は、法第23条第4項の申立てをしようとするときは、次に掲げる事項を記載した協議開始命令申立書(協議の再開を求める場合にあっては協議再開命令申立書。)を提出しなければならない。
一 名称又は氏名及び住所
二 団体の場合にあっては代表者の氏名
三 協議の相手方である指定著作権等管理事業者の名称
四 協議を求める事項
五 申立てに至った経緯
2 第16条第2項及び第3項の規定は、前項の申立書について準用する。
(裁定申請書)
第23条 法第24条第1項の規定により裁定を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載した裁定申請書を提出しなければならない。
一 名称又は氏名及び住所
二 協議の相手方の名称又は氏名
三 法第23条第4項の協議の開始又は再開が命ぜられた年月日
四 裁定を受けようとする事項
五 求める裁定の内容
六 前号の裁定を求める理由
七 裁定申請に至った経緯
2 第16条第3項の規定は、前項の裁定申請書について準用する。この場合において、「指定著作権等管理事業者」とあるのは「相手方」と読み替えるものとする。
(裁定の理由の文書による通知)
第24条 文化庁長官は、法第24条第5項の規定により当事者に裁定をした旨の通知をするときは、あわせて文書により当該裁定の理由を通知するものとする。
第6章 雑則
(ディスク等による手続)
第25条 法又はこの省令の規定による文化庁長官への書類の提出については、電子的方法、磁気的方法その他の方法により当該書類に記載すべきこととされている事項を記録したディスクその他これに準ずるものを提出することによって行うことができる。
附則
(施行期日)
1 この省令は、平成13年10月1日から施行する。
(著作権に関する仲介業務に関する法律施行規則の廃止)
2 著作権に関する仲介業務に関する法律施行規則(昭和14年内務省令第43号)は、廃止する。
附則 (平成16年12月28日文部科学省令第47号)
この省令は、平成17年1月1日から施行する。ただし、第2条の改正規定は、平成17年2月1日から施行する。
附則 (平成17年3月3日文部科学省令第2号)
この省令は、不動産登記法の施行の日(平成17年3月7日)から施行する。
附則 (平成18年4月28日文部科学省令第26号)
この省令は、会社法の施行の日(平成18年5月1日)から施行する。
附則 (令和元年9月13日文部科学省令第14号)
この省令は、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の施行の日(令和元年9月14日)から施行する。
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