つうしんぼうじゅきそく
通信傍受規則
平成12年国家公安委員会規則第13号
警察法施行令(昭和29年政令第151号)第13条第1項の規定に基づき、通信傍受規則を次のように定める。
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は、警察官が犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号。以下「法」という。)の規定による通信の傍受を行うに当たって守るべき方法、手続その他通信の傍受に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 法に定めるもののほか、この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 令状記載傍受 法第3条第1項の規定による傍受をいう。
二 スポット傍受 法第14条第1項の規定による傍受をいう。
三 第14条外国語等通信 法第14条第2項に規定する通信をいう。
四 外国語等傍受 法第14条第2項の規定による傍受をいう。
五 他犯罪通信 法第15条に規定する通信をいう。
六 他犯罪傍受 法第15条の規定による傍受をいう。
七 令状記載再生 法第21条第3項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当する通信に係るのをいう。
八 スポット再生 法第21条第3項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでない通信に係るものをいう。
九 第21条外国語等通信 法第21条第4項に規定する通信をいう。
十 外国語等再生 法第21条第4項の規定による再生をいう。
十一 他犯罪再生 法第21条第5項の規定による再生をいう。
十二 傍受記録作成用媒体 法第24条第1項後段若しくは第26条第2項の規定により記録をした記録媒体又は法第25条第3項の規定により作成した記録媒体の複製をいう。
十三 通信記録物等 傍受の原記録以外の傍受をした通信(法第21条第1項又は第23条第4項の規定により再生をした通信及びこれらの規定による復号により復元された通信を含む。以下この号において同じ。)の記録をした記録媒体及びその複製その他記録の内容の全部又は一部をそのまま記録した物又は書面並びに傍受をした通信の内容の全部又は一部を要約して記載し又は記録した物又は書面をいう。
第2章 通信傍受の実施の手続等
(令状請求の手続)
第3条 傍受令状の請求は、傍受の理由及び必要その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。)に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
2 前項の請求をするときは、傍受の理由及び必要があることを疎明する参考人供述調書、捜査報告書その他の資料並びに傍受の実施の方法及び場所その他傍受令状請求書の記載事項を明らかにする資料を添えて行わなければならない。
3 法第4条第3項の請求は、当該請求の相当性その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
4 前項の請求をするときは、当該請求が相当であることを疎明する捜査報告書その他の資料及び次に掲げる事項(法第20条第1項の許可の請求をする場合にあっては、第1号に掲げる事項)を明らかにする資料を添えて行わなければならない。
一 通信管理者等に関する事項
二 傍受の実施に用いるものとして指定する特定電子計算機を特定するに足りる事項
5 法第5条第4項後段の申立ては、当該申立ての相当性その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
6 前項の申立てをするときは、当該申立てが相当であることを疎明する捜査報告書その他の資料及び次に掲げる事項を明らかにする資料を添えて行わなければならない。
一 指定期間における傍受の実施の場所
二 指定期間以外の期間における傍受の実施の場所
7 第1項若しくは第3項の請求又は第5項の申立てをするに当たっては、当該請求又は申立てをしようとする指定警察官(法第4条第1項の規定に基づき国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警視以上の警察官をいう。以下同じ。)その他の当該事件の捜査全般の状況を把握している警察官が裁判官の下に出頭し、裁判官の求めに応じ、陳述し、又は書類その他の物を提示しなければならない。
(傍受ができる期間の延長請求の手続)
第4条 傍受ができる期間の延長の請求は、延長を必要とする事由及び延長を求める期間について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
2 前項の請求をするときは、その必要があることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。
3 前条第7項の規定は、第1項の請求をする場合について準用する。
(捜査主任官等)
第5条 傍受を行う事件の捜査については、警察本部長が捜査主任官を指名しなければならない。
2 捜査主任官は、警察本部長の指揮を受け、傍受の実施、再生の実施、通信記録物等の管理その他の通信の傍受に関する事務を統括するものとする。
3 警察本部長は、傍受の実施ごとに、警部以上の警察官の中から傍受実施主任官を指名するものとする。
4 傍受実施主任官は、捜査主任官の命を受け、傍受の実施及び再生の実施並びにこれらに付随する事務に従事する職員を指揮監督するものとする。
5 警察本部長は、通信記録物等の管理に関する捜査主任官の職務を補助させるため、警部補以上の警察官の中から通信記録物等管理者を指名するものとする。
(傍受指導官)
第6条 警察本部長は、捜査の適正を確保するための指導に関する事務を所掌する警察本部(警視庁及び道府県警察本部をいう。)の課(課に準ずるものを含む。)に所属する警部以上の警察官の中から傍受指導官を指名するものとする。
2 傍受指導官は、傍受の実施及び再生の実施並びにこれらに付随する事務に従事する職員に対して、適正な傍受の実施及び再生の実施に必要な指導教養を行うものとする。
3 傍受指導官は、法第23条第1項の規定による傍受の実施及び同条第4項の規定による再生の実施に当たっては、警察通信職員と相互に緊密に連絡し、及び協力して、当該傍受の実施の場所における特定電子計算機の使用方法に関する助言その他の適正な傍受の実施及び再生の実施に必要な助言及び指導を行うものとする。
(特定電子計算機の保管等)
第7条 特定電子計算機は、警察庁、管区警察局、東京都警察情報通信部又は北海道警察情報通信部において保管するものとする。
2 警察通信職員は、法第23条第1項の規定による傍受の実施に当たっては、当該傍受の実施の場所において、当該傍受の実施に用いるものとして指定された特定電子計算機の設置その他の特定電子計算機の適正な供用の開始のために必要な措置を講じなければならない。
(最小化等に関する指示)
第8条 傍受の実施(法第20条第1項又は第23条第1項第2号の規定によるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)に当たっては、警察本部長は、あらかじめ、次に掲げる事項について、捜査主任官に対し、文書により指示しなければならない。
一 第13条第5項、第6項及び第8項の規定により警察本部長が指定する時間
二 報道の取材のための通信が行われていると認めた場合に留意すべき事項
三 前2号に掲げるもののほか、傍受の実施の適正を確保するための事項
2 捜査主任官は、傍受の実施をしている場合においては、傍受実施主任官に、前項の文書の写しを携帯させなければならない。
3 前2項の規定は、再生の実施について準用する。この場合において、第1項第1号中「第13条第5項、第6項及び第8項」とあるのは「第14条第5項、第6項及び第8項(同条第9項の規定によりこれらの規定の例によることとされる場合を含む。)」と、「時間」とあるのは「時間又は部分」と、同項第2号中「報道」とあるのは「再生に係る通信が報道」と、「が行われている」とあるのは「に該当する」と読み替えるものとする。
(傍受令状の記載事項の厳守)
第9条 傍受の実施又は再生の実施に当たっては、傍受令状に記載されている傍受すべき通信、傍受の実施の対象とすべき通信手段、傍受の実施の方法及び場所、傍受ができる期間、傍受の実施に関する条件その他傍受令状に記載されている事項を厳格に遵守しなければならない。
(傍受日誌)
第10条 傍受の実施又は再生の実施に当たっては、逐次、法第27条第1項各号若しくは第2項各号又は第28条第1項各号若しくは第2項各号に掲げる事項その他当該傍受の実施又は再生の実施の状況を警察本部長が定める様式の書面に記載するものとする。
(通信事業者等に対する配慮)
第11条 傍受の実施又は再生の実施(法第23条第4項の規定によるものを除く。)に当たっては、通信事業者等の規模、電気通信設備の概要その他の通信事業者等の事情を理解し、通信事業者等に必要な限度を超えて迷惑を及ぼさないように特に注意しなければならない。
2 電気通信設備に接続する傍受又は再生のための機器については、電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないものを使用するものとする。
(立会い)
第12条 傍受の実施(法第20条第1項又は第23条第1項の規定によるものを除く。)に当たっては、あらかじめ、立会人に対し、次に掲げる事項について説明しなければならない。
一 法第13条、法第25条その他の立会人に係る主要な法令の規定
二 傍受令状に記載されている傍受の実施の対象とすべき通信手段、傍受の実施の方法及び場所、傍受ができる期間並びに傍受の実施に関する条件
三 傍受のための機器の概要及びその使用方法
四 第8条第1項第1号に掲げる事項
五 法第25条第1項の封印の具体的方法に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、立会人が適切な立会いをするため参考となるべき事項
2 法第13条第2項の規定による立会人の意見が述べられたときは、これを勘案して、必要に応じ、傍受の実施の適正を確保するための措置を講じなければならない。
3 前項に規定する場合においては、立会人に意見書の提出を求めなければならない。
4 立会いをしていた期間中に立会人の意見が述べられなかったときは、立会人にその旨を記載した意見書の提出を求めなければならない。
5 前各項の規定は、法第21条第1項の規定による再生の実施について準用する。この場合において、第1項第1号中「法第13条」とあるのは「法第21条第1項において準用する法第13条」と、同項第3号中「傍受」とあるのは「再生」と、同項第4号中「第8条第1項第1号」とあるのは「第8条第3項において読み替えて準用する同条第1項第1号」と、同項第5号中「法第25条第1項」とあるのは「法第25条第2項」と、第2項中「法第13条第2項」とあるのは「法第21条第1項において準用する法第13条第2項」と読み替えるものとする。
(スポット傍受)
第13条 スポット傍受は、スポット傍受の開始時からあらかじめ設定した時間が経過すると自動的にスポット傍受が中断される機能、スポット傍受をしている旨を標示する機能その他スポット傍受の適正を確保するための機能を有する機器を用いて行うものとする。
2 スポット傍受に当たっては、犯罪の組織的背景、既に傍受をされた通信の内容その他スポット傍受をしている通信の該当性判断に資する事項を考慮しなければならない。
3 傍受の実施の開始時に現に通話が行われているとき又は傍受の実施の間に通話が開始されたときは、スポット傍受を開始するものとする。
4 スポット傍受をしている場合において、次の各号に掲げる通信が行われていると認めるに至ったときは、スポット傍受を終了し、それぞれ当該各号に定める傍受を開始するものとする。
一 傍受すべき通信に該当することが明らかである通信 令状記載傍受
二 第14条外国語等通信 外国語等傍受
三 他犯罪通信 他犯罪傍受
5 スポット傍受を開始した場合においては、前項の規定により同項各号に定める傍受を開始し、又は第7項の規定によりスポット傍受を終了したときを除き、スポット傍受の開始時からあらかじめ警察本部長が指定した時間内にスポット傍受を中断しなければならない。
6 前項の規定によりスポット傍受を中断した時点からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後において、当該スポット傍受を中断した時点において現に行われていた通話と同一の通話が行われており、傍受すべき通信に該当するかどうかを判断するため必要があると認めるときは、スポット傍受を開始するものとする。
7 スポット傍受をしている場合において、第4項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、スポット傍受を終了しなければならない。
8 前項の規定によりスポット傍受を終了した時又は第15条第2項の規定により傍受を終了した時に現に行われていた通話が傍受の終了時からあらかじめ警察本部長が指定した時間を超えて継続しており、当該傍受の終了時における通信と内容の異なる通信が行われていないかどうかを確認するため必要があると認めるときは、スポット傍受を開始するものとする。
(スポット再生)
第14条 スポット再生は、スポット再生の開始時からあらかじめ設定した時間が経過し、又はスポット再生を開始した部分からあらかじめ設定した部分までの範囲を表示すると自動的にスポット再生が中断される機能、スポット再生をしている旨を標示する機能その他スポット再生の適正を確保するための機能を有する機器を用いて行うものとする。
2 スポット再生に当たっては、犯罪の組織的背景、既に再生をされた通信の内容その他スポット再生をしている通信の該当性判断に資する事項を考慮しなければならない。
3 再生の実施をするときは、通話ごとに、スポット再生を開始するものとする。
4 スポット再生をしている場合において、当該スポット再生に係る通信が次の各号に掲げる通信のいずれかに該当すると認めるに至ったときは、スポット再生を終了し、それぞれ当該各号に定める再生を開始するものとする。
一 傍受すべき通信に該当することが明らかである通信 令状記載再生
二 第21条外国語等通信 外国語等再生
三 他犯罪通信 他犯罪再生
5 スポット再生を開始した場合においては、前項の規定により同項各号に定める再生を開始し、又は第7項の規定によりスポット再生を終了したときを除き、スポット再生の開始時からあらかじめ警察本部長が指定した時間内又はスポット再生を開始した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲内においてスポット再生を中断しなければならない。
6 前項の規定によりスポット再生を中断した時点からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後又は同項の規定によりスポット再生を中断した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲を通信の内容を知ることができない状態で表示した後において、当該スポット再生を中断した時点又は部分における当該スポット再生に係る通信と同一の通話の機会に行われた通信について法第20条第1項の規定により一時的保存をされた暗号化信号であって法第21条第1項の規定による復号をされていないものがあり、傍受すべき通信に該当するかどうかを判断するため必要があると認めるときは、スポット再生を開始するものとする。
7 スポット再生をしている場合において、当該スポット再生に係る通信が第4項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものに該当すると認めるに至ったときは、直ちに、スポット再生を終了しなければならない。
8 前項の規定によりスポット再生を終了した時又は次条第3項において読み替えて準用する同条第2項の規定により再生を終了した時における当該再生に係る通信と同一の通話の機会に行われた通信について、再生の終了時からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後又は再生を終了した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲を通信の内容を知ることができない状態で表示した後も、法第20条第1項の規定により一時的保存をされた暗号化信号であって法第21条第1項の規定による復号をされていないものがあり、当該再生の終了時における通信と内容の異なる通信が行われていなかったかどうかを確認するため必要があると認めるときは、スポット再生を開始するものとする。
9 法第23条第4項の規定によりその例によることとされる法第21条第3項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでない通信に係るものについては、前各項の規定の例による。
(令状記載傍受等)
第15条 第13条第4項各号のいずれかに定める傍受をしている場合において、当該各号に掲げる通信以外の通信であって同項各号のいずれかに掲げるものが行われていると認めるに至ったときは、当該傍受を終了し、それぞれ当該各号に定める傍受を開始するものとする。
2 第13条第4項各号のいずれかに定める傍受をしている場合において、同項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでないものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、当該傍受を終了してスポット傍受を開始するものとし、同項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、傍受を終了しなければならない。
3 前2項の規定は、前条第4項各号(同条第9項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)のいずれかに定める再生をしている場合について準用する。この場合において、前2項中「おいて、」とあるのは「おいて、当該再生に係る通信が」と、「が行われている」とあるのは「に該当する」と、前項中「スポット傍受」とあるのは「スポット再生」と、「ものとし、」とあるのは「ものとし、当該再生に係る通信が」と読み替えるものとする。
(外国語等通信についての該当性判断)
第16条 法第14条第2項後段又は第21条第4項後段(法第23条第4項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による傍受すべき通信に該当するかどうかの判断のために行う翻訳、復号又は復元及び翻訳、復号又は復元がなされた通信の内容の聴取又は閲覧は、必要最小限度の範囲で行うようにしなければならない。
2 第14条外国語等通信又は第21条外国語等通信であって、傍受の実施(法第23条第1項の規定によるものを除く。)の場所(指定期間以外の期間における傍受の実施の場所が定められているときは、その場所)でその内容を容易に復元することができる方法を用いて行われたものについては、当該場所の状況を考慮して適当であると認めるときは、当該場所において立会人の立会いを得て前項の復元若しくは閲覧、法第14条第2項後段若しくは第21条第4項後段の規定による傍受すべき通信に該当するかどうかの判断又は傍受記録の作成を行わなければならない。
3 第1項の翻訳、復号又は復元の嘱託をする場合は、当該嘱託を受ける者が通信の秘密を不当に害することなく、かつ、捜査の妨げとならないようにするための措置を講じなければならない。
4 第1項の翻訳、復号又は復元及び聴取又は閲覧については、これらを行った者の氏名、これらが行われた年月日、傍受又は再生をされた通信のうちこれらが行われた部分その他これらが行われた状況を明らかにするために必要な事項を書面に記録しておかなければならない。
(相手方の電話番号等の探知等)
第17条 法第17条第3項又は第20条第4項(法第23条第1項において準用する場合を含む。)の規定による要請は、当該要請に係る通信を特定するために必要な事項を告知して行うものとする。
第3章 通信傍受の記録等
(傍受の原記録用媒体への署名等)
第18条 法第25条第1項又は第2項の規定により記録媒体の封印を求めようとするときは、あらかじめ、当該記録媒体の外面に、当該記録媒体に対する記録を終了した年月日時分及びそれが法第24条第1項前段の規定により記録をした記録媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。
2 法第26条第1項の規定による記録を終了したときは、直ちに、当該記録をした記録媒体の外面に、当該記録を終了した年月日時分及びそれが同項の規定により記録をした記録媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。
3 犯罪捜査のための通信傍受に関する規則(平成12年最高裁判所規則第6号。以下「最高裁判所規則」という。)第9条に規定する書面の様式は、別記様式第1号のとおりとする。
(傍受記録用の複製の作成)
第19条 法第25条第3項の規定による複製の作成は、傍受の実施の場所(指定期間以外の期間における傍受の実施の場所が定めらているときは、その場所)において立会人の立会いを得て行わなければならない。
(傍受記録作成用媒体への署名等)
第20条 法第24条第1項後段若しくは第26条第2項の規定による記録又は法第25条第3項の規定による複製の作成が終了したときは、直ちに、傍受記録作成用媒体の外面に、当該記録又は作成が終了した年月日時分及びそれが傍受記録作成用媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。
(傍受の実施の状況を記載した書面等の提出)
第21条 法第27条第1項又は第28条第1項に規定する書面の様式は、別記様式第2号のとおりとする。
2 法第27条第2項又は第28条第2項に規定する書面の様式は、別記様式第3号のとおりとする。
3 第1項の書面を裁判官に提出するときは、第12条第3項又は第4項(同条第5項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の意見書を添えて行わなければならない。
4 傍受の実施又は再生の実施の間に外国語等傍受又は外国語等再生(法第23条第4項の規定によりその例によることとされる法第21条第4項の規定による再生を含む。)をした場合において、当該傍受の実施又は再生の実施に関し第1項又は第2項の書面を裁判官に提出した後に当該外国語等傍受又は外国語等再生をした通信が他犯罪通信に該当すると認められるに至ったときにおける当該他犯罪通信に該当すると認められる通信についての法第27条第1項若しくは第2項又は第28条第1項若しくは第2項の規定により提出しなければならない書面の様式は、別記様式第4号のとおりとする。
(傍受調書)
第22条 傍受の実施をしたときは、その状況(再生の実施をしたときは、傍受の実施及び再生の実施の状況)を明らかにした傍受調書を作成しなければならない。
(傍受記録の作成)
第23条 傍受記録の作成は、傍受記録作成用媒体に記録されている通信のうち、法第29条第3項各号又は第4項各号に掲げる通信の記録を当該傍受記録作成用媒体に残し、それ以外の通信の記録を消去することにより、行うものとする。
2 傍受記録を作成した場合において、他に通信記録物等があるときは、捜査主任官は、通信記録物等管理者にその記録の全部を消去させなければならない。ただし、当該通信記録物等が、傍受記録に記録された通信の内容の全部又は一部を要約して記載した捜査書類であって、傍受記録を作成する前に行った捜査の経過を示すために特に必要なものである場合には、この限りでない。
3 傍受記録から記録を消去したときは、捜査主任官は、通信記録物等管理者に通信記録物等の当該記録に係る部分の記録の全部を消去させなければならない。
4 法第27条第1項若しくは第2項又は第28条第1項若しくは第2項の規定により書面を裁判官に提出した後において、傍受記録から記録を消去したときは、速やかに、通信記録消去通知書(別記様式第5号)により、当該裁判官に通知しなければならない。
(通信記録物等の作成等)
第24条 通信記録物等の作成は、必要最小限度の範囲にとどめなければならない。
2 記録媒体に対する法第24条第1項後段又は第26条第2項の規定による記録、法第25条第3項の規定による複製の作成、傍受記録の作成その他通信記録物等の作成が終了したときは、速やかに、記録媒体作成調書、複製等作成調書、傍受記録作成調書その他通信記録物等の作成の状況を明らかにした書類を作成するとともに、その旨を通信記録物等管理者に通知しなければならない。
3 通信記録物等管理者は、警察本部長が定める様式の簿冊により、通信記録物等の作成、保管及び出納の状況、その記録の消去の状況その他その適正な管理のために必要な事項を明らかにしておかなければならない。
4 通信記録物等が刑事手続において使用する必要がなくなったときは、捜査主任官は、速やかに、通信記録物等管理者にその記録の全部を消去させなければならない。
(通信の当事者に対する通知)
第25条 法第30条第1項の書面の様式は、別記様式第6号のとおりとする。
2 最高裁判所規則第13条の書面の様式は、別記様式第7号のとおりとする。
(通知を発しなければならない期間の延長)
第26条 法第30条第2項ただし書(同条第3項後段において準用する場合を含む。)の規定による請求は、指定警察官がこれを行うものとする。
2 前項の請求は、順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
3 第1項の請求は、通知期間延長請求書(別記様式第8号)により行わなければならない。
4 第1項の請求をするときは、通知によって捜査が妨げられるおそれがあることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。
(警察官が保管する傍受記録の聴取及び閲覧等)
第27条 警察官が保管する傍受記録に係る法第31条の規定による聴取、閲覧又は複製の作成については、当該傍受記録に係る聴取、閲覧又は複製の作成をしようとする者が法第30条第1項の通知を受けた通信の当事者であることを確認しなければならない。
2 前項の聴取、閲覧又は複製の作成は、必要な態勢を確立した上で、警察施設において警察職員を立ち会わせ、その他所要の措置を講じて行わせるようにしなければならない。
(傍受の原記録の聴取及び閲覧等の請求)
第28条 法第32条第3項の規定による聴取、閲覧又は複製の作成の請求は、指定警察官がこれを行うものとする。
2 前項の請求は、順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。
3 第1項の請求は、傍受の原記録聴取等請求書(別記様式第9号)により行わなければならない。
4 第1項の請求をするときは、法第32条第3項に規定する聴取、閲覧又は複製の作成の理由があることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。
第4章 補則
(通信傍受手続簿)
第29条 次の各号に掲げる措置を執った場合においては、通信傍受手続簿(別記様式第10号)によりその手続等を明らかにしておかなければならない。
一 傍受令状の請求
二 傍受の処分の着手
三 傍受ができる期間の延長の請求
四 法第25条第4項又は第26条第4項の規定による記録媒体の提出
五 法第27条第1項若しくは第2項又は第28条第1項若しくは第2項の規定による書面の提出
六 傍受記録の作成
七 法第30条の規定による通知
八 法第30条第2項ただし書(同条第3項後段において準用する場合を含む。)の規定による請求
九 法第31条の規定により通信の当事者に傍受記録の聴取及び閲覧等をさせること
十 法第32条第3項の規定による請求
附則
この規則は、法の施行の日から施行する。
附則 (平成31年4月26日国家公安委員会規則第6号) 抄
(施行期日)
1 この規則は、刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成28年法律第54号)の施行の日(平成31年6月1日)から施行する。
別記様式第1号(第18条第3項関係)
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別記様式第2号(第21条第1項関係)
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別記様式第3号(第21条第2項関係)
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別記様式第4号(第21条第4項関係)
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別記様式第5号(第23条第4項関係)
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別記様式第6号(第25条第1項関係)
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別記様式第7号(第25条第2項関係)
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別記様式第8号(第26条第3項関係)
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別記様式第9号(第28条第3項関係)
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別記様式第10号(第29条関係)
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