でんししょめいおよびにんしょうぎょうむにかんするほうりつ
電子署名及び認証業務に関する法律
平成12年法律第102号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
2 この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。
3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。
第2章 電磁的記録の真正な成立の推定
第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
第3章 特定認証業務の認定等
第1節 特定認証業務の認定
(認定)
第4条 特定認証業務を行おうとする者は、主務大臣の認定を受けることができる。
2 前項の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書その他主務省令で定める書類を主務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 申請に係る業務の用に供する設備の概要
三 申請に係る業務の実施の方法
3 主務大臣は、第1項の認定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
(欠格条項)
第5条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第1項の認定を受けることができない。
一 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第14条第1項又は第16条第1項の規定により認定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
(認定の基準)
第6条 主務大臣は、第4条第1項の認定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その認定をしてはならない。
一 申請に係る業務の用に供する設備が主務省令で定める基準に適合するものであること。
二 申請に係る業務における利用者の真偽の確認が主務省令で定める方法により行われるものであること。
三 前号に掲げるもののほか、申請に係る業務が主務省令で定める基準に適合する方法により行われるものであること。
2 主務大臣は、第4条第1項の認定のための審査に当たっては、主務省令で定めるところにより、申請に係る業務の実施に係る体制について実地の調査を行うものとする。
(認定の更新)
第7条 第4条第1項の認定は、1年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 第4条第2項及び前2条の規定は、前項の認定の更新に準用する。
(承継)
第8条 第4条第1項の認定を受けた者(以下「認定認証事業者」という。)がその認定に係る業務を行う事業の全部を譲渡し、又は認定認証事業者について相続、合併若しくは分割(その認定に係る業務を行う事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その認定認証事業者の地位を承継する。ただし、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人が第5条各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
(変更の認定等)
第9条 認定認証事業者は、第4条第2項第2号又は第3号の事項を変更しようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 前項の変更の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書その他主務省令で定める書類を主務大臣に提出しなければならない。
3 第4条第3項及び第6条の規定は、第1項の変更の認定に準用する。
4 認定認証事業者は、第4条第2項第1号の事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(廃止の届出)
第10条 認定認証事業者は、その認定に係る業務を廃止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。
(業務に関する帳簿書類)
第11条 認定認証事業者は、主務省令で定めるところにより、その認定に係る業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(利用者の真偽の確認に関する情報の適正な使用)
第12条 認定認証事業者は、その認定に係る業務の利用者の真偽の確認に際して知り得た情報を認定に係る業務の用に供する目的以外に使用してはならない。
(表示)
第13条 認定認証事業者は、認定に係る業務の用に供する電子証明書等(利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明するために作成する電磁的記録その他の認証業務の用に供するものとして主務省令で定めるものをいう。次項において同じ。)に、主務省令で定めるところにより、当該業務が認定を受けている旨の表示を付することができる。
2 何人も、前項に規定する場合を除くほか、電子証明書等に、同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
(認定の取消し)
第14条 主務大臣は、認定認証事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
一 第5条第1号又は第3号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 第6条第1項各号のいずれかに適合しなくなったとき。
三 第9条第1項、第11条、第12条又は前条第2項の規定に違反したとき。
四 不正の手段により第4条第1項の認定又は第9条第1項の変更の認定を受けたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により認定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第2節 外国における特定認証業務の認定
(認定)
第15条 外国にある事務所により特定認証業務を行おうとする者は、主務大臣の認定を受けることができる。
2 第4条第2項及び第3項並びに第5条から第7条までの規定は前項の認定に、第8条から第13条までの規定は同項の認定を受けた者(以下「認定外国認証事業者」という。)に準用する。この場合において、同条第2項中「何人も」とあるのは、「認定外国認証事業者は」と読み替えるものとする。
3 主務大臣は、第1項の認定若しくはその更新又は前項において準用する第9条第1項の変更の認定を受けようとする者が外国の法令に基づく認証業務に関する制度で第4条第1項の認定の制度に類するものに基づいて当該外国にある事務所により認証業務を行う者である場合であって、我が国が当該外国と締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するために必要があると認めるときは、それらの者に対して、前項において準用する第6条第2項(前項において準用する第7条第2項及び第9条第3項において準用する場合を含む。)の規定による調査に代えて、主務省令で定める事項を記載した書類の提出をさせることができる。
4 前項の場合において、これらの者から当該書類の提出があったときは、主務大臣は当該書類を考慮して第1項の認定若しくはその更新又は第2項において準用する第9条第1項の変更の認定のための審査を行わなければならない。
(認定の取消し)
第16条 主務大臣は、認定外国認証事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
一 前条第2項において準用する第5条第1号又は第3号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 前条第2項において準用する第6条第1項各号のいずれかに適合しなくなったとき。
三 前条第2項において準用する第9条第1項若しくは第4項、第11条、第12条又は第13条第2項の規定に違反したとき。
四 不正の手段により前条第1項の認定又は同条第2項において準用する第9条第1項の変更の認定を受けたとき。
五 主務大臣が第35条第3項において準用する同条第1項の規定により認定外国認証事業者に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 主務大臣が第35条第3項において準用する同条第1項の規定によりその職員に認定外国認証事業者の営業所、事務所その他の事業場において検査をさせようとした場合において、その検査を拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又は同項の規定による質問に対して答弁がされず、若しくは虚偽の答弁がされたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により認定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第4章 指定調査機関等
第1節 指定調査機関
(指定調査機関による調査)
第17条 主務大臣は、その指定する者(以下「指定調査機関」という。)に第6条第2項(第7条第2項(第15条第2項において準用する場合を含む。)、第9条第3項(第15条第2項において準用する場合を含む。)及び第15条第2項において準用する場合を含む。)の規定による調査(次節を除き、以下「調査」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 主務大臣は、前項の規定により指定調査機関に調査の全部又は一部を行わせるときは、当該調査の全部又は一部を行わないものとする。この場合において、主務大臣は、指定調査機関が第4項の規定により通知する調査の結果を考慮して第4条第1項の認定若しくはその更新、第9条第1項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の変更の認定又は第15条第1項の認定若しくはその更新のための審査を行わなければならない。
3 主務大臣が第1項の規定により指定調査機関に調査の全部又は一部を行わせることとしたときは、第4条第1項の認定若しくはその更新、第9条第1項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の変更の認定又は第15条第1項の認定若しくはその更新を受けようとする者は、指定調査機関が行う調査については、第4条第2項(第7条第2項(第15条第2項において準用する場合を含む。)及び第15条第2項において準用する場合を含む。)及び第9条第2項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、指定調査機関に申請しなければならない。
4 指定調査機関は、前項の申請に係る調査を行ったときは、遅滞なく、当該調査の結果を主務省令で定めるところにより、主務大臣に通知しなければならない。
(指定)
第18条 前条第1項の規定による指定(以下「指定」という。)は、主務省令で定めるところにより、調査を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者を除く。)の申請により行う。
(欠格条項)
第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第29条第1項の規定により指定を取り消され、又は第32条第1項の規定により承認を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
(指定の基準)
第20条 主務大臣は、指定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 調査の業務を適確かつ円滑に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有すること。
二 法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて主務省令で定める構成員の構成が調査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
三 調査の業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって調査が不公正になるおそれがないものであること。
四 その指定をすることによって申請に係る調査の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
(指定の公示等)
第21条 主務大臣は、指定をしたときは、指定調査機関の名称及び住所並びに調査の業務を行う事務所の所在地を公示しなければならない。
2 指定調査機関は、その名称若しくは住所又は調査の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。
(指定の更新)
第22条 指定は、5年以上10年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 第18条から第20条までの規定は、前項の指定の更新に準用する。
(秘密保持義務等)
第23条 指定調査機関の役員(法人でない指定調査機関にあっては、当該指定を受けた者。次項並びに第43条及び第45条において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあった者は、調査の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 調査の業務に従事する指定調査機関の役員又は職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(調査の義務)
第24条 指定調査機関は、調査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、調査を行わなければならない。
(調査業務規程)
第25条 指定調査機関は、調査の業務に関する規程(以下「調査業務規程」という。)を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 調査業務規程で定めるべき事項は、主務省令で定める。
3 主務大臣は、第1項の認可をした調査業務規程が調査の公正な実施上不適当となったと認めるときは、その調査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(帳簿の記載)
第26条 指定調査機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、調査の業務に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(適合命令)
第27条 主務大臣は、指定調査機関が第20条第1号から第3号までに適合しなくなったと認めるときは、その指定調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第28条 指定調査機関は、主務大臣の許可を受けなければ、調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 主務大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。
(指定の取消し等)
第29条 主務大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この節の規定に違反したとき。
二 第19条第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
三 第25条第1項の認可を受けた調査業務規程によらないで調査の業務を行ったとき。
四 第25条第3項又は第27条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により指定を受けたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
(主務大臣による調査の業務の実施)
第30条 主務大臣は、指定調査機関が第28条第1項の規定により調査の業務の全部若しくは一部を休止した場合、前条第1項の規定により指定調査機関に対し調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じた場合又は指定調査機関が天災その他の事由により調査の業務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において、必要があると認めるときは、第17条第2項の規定にかかわらず、調査の業務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 主務大臣は、前項の規定により調査の業務を行うこととし、又は同項の規定により行っている調査の業務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 主務大臣が、第1項の規定により調査の業務を行うこととし、第28条第1項の規定により調査の業務の廃止を許可し、又は前条第1項の規定により指定を取り消した場合における調査の業務の引継ぎその他の必要な事項は、主務省令で定める。
第2節 承認調査機関
(承認調査機関の承認等)
第31条 主務大臣は、第15条第2項において準用する第6条第2項(第15条第2項において準用する第7条第2項及び第9条第3項において準用する場合を含む。)の規定による調査(以下この節において「調査」という。)の全部又は一部を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者に限る。)から申請があったときは、主務省令で定めるところにより、これを承認することができる。
2 主務大臣が前項の承認をしたときは、第15条第1項の認定若しくはその更新又は同条第2項において準用する第9条第1項の変更の認定を受けようとする者は、前項の承認を受けた者(以下「承認調査機関」という。)が行う調査については、第15条第2項において準用する第4条第2項(第15条第2項において準用する第7条第2項において準用する場合を含む。)、第15条第2項において準用する第9条第2項及び第17条第3項の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、承認調査機関に申請をすることができる。この場合において、主務大臣は、承認調査機関が次項の規定により通知する調査の結果を考慮して第15条第1項の認定若しくはその更新又は同条第2項において準用する第9条第1項の変更の認定のための審査を行わなければならない。
3 承認調査機関は、前項の申請に係る調査を行ったときは、遅滞なく、当該調査の結果を主務省令で定めるところにより、主務大臣に通知しなければならない。
4 承認調査機関は、調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
5 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。
6 第19条から第22条までの規定は第1項の承認に、第24条から第27条までの規定は承認調査機関に準用する。この場合において、第25条第3項及び第27条中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
(承認の取消し)
第32条 主務大臣は、承認調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その承認を取り消すことができる。
一 前条第3項若しくは第4項の規定又は同条第6項において準用する第21条第2項、第24条、第25条第1項若しくは第26条の規定に違反したとき。
二 前条第6項において準用する第19条第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
三 前条第6項において準用する第25条第1項の認可を受けた調査業務規程によらないで調査の業務を行ったとき。
四 前条第6項において準用する第25条第3項又は第27条の規定による請求に応じなかったとき。
五 不正の手段により前条第1項の承認を受けたとき。
六 主務大臣が、承認調査機関が前各号のいずれかに該当すると認めて、期間を定めて調査の業務の全部又は一部の停止の請求をした場合において、その請求に応じなかったとき。
七 主務大臣が第35条第3項において準用する同条第2項の規定により承認調査機関に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
八 主務大臣が第35条第3項において準用する同条第2項の規定によりその職員に承認調査機関の事務所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又は同項の規定による質問に対して答弁がされず、若しくは虚偽の答弁がされたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により承認を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第5章 雑則
(特定認証業務に関する援助等)
第33条 主務大臣は、特定認証業務に関する認定の制度の円滑な実施を図るため、電子署名及び認証業務に係る技術の評価に関する調査及び研究を行うとともに、特定認証業務を行う者及びその利用者に対し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めなければならない。
(国の措置)
第34条 国は、教育活動、広報活動等を通じて電子署名及び認証業務に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない。
(報告徴収及び立入検査)
第35条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定認証事業者に対し、その認定に係る業務に関し報告をさせ、又はその職員に、認定認証事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、その認定に係る業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定調査機関に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定調査機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
3 第1項の規定は認定外国認証事業者に、前項の規定は承認調査機関に、それぞれ準用する。
4 第1項及び第2項(それぞれ前項において準用する場合を含む。)の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
5 第1項及び第2項(それぞれ第3項において準用する場合を含む。)の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(手数料)
第36条 次の各号に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
一 第4条第1項の認定を受けようとする者(主務大臣が第17条第1項の規定により指定調査機関に調査の全部を行わせることとしたときを除く。)
二 第7条第1項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の認定の更新を受けようとする者
三 第9条第1項(第15条第2項において準用する場合を含む。)の変更の認定を受けようとする者
四 第15条第1項の認定を受けようとする者(主務大臣が第17条第1項の規定により指定調査機関に調査の全部を行わせることとしたときを除く。)
2 指定調査機関が行う調査を受けようとする者は、政令で定めるところにより指定調査機関が主務大臣の認可を受けて定める額の手数料を当該指定調査機関に納めなければならない。
(主務大臣と国家公安委員会との関係)
第37条 国家公安委員会は、認定認証事業者又は認定外国認証事業者の認定に係る業務に関し、その利用者についての証明に係る重大な被害が生ずることを防止するため必要があると認めるときは、主務大臣に対し、必要な措置をとるべきことを要請することができる。
(審査請求)
第38条 この法律の規定による指定調査機関の処分又はその不作為について不服がある者は、主務大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、主務大臣は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第25条第2項及び第3項、第46条第2項並びに第49条第3項の規定の適用については、指定調査機関の上級行政庁とみなす。
(経過措置)
第39条 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(主務大臣等)
第40条 この法律における主務大臣は、総務大臣、法務大臣及び経済産業大臣とする。ただし、第33条にあっては、総務大臣及び経済産業大臣とする。
2 この法律における主務省令は、総務大臣、法務大臣及び経済産業大臣が共同で発する命令とする。
第6章 罰則
第41条 認定認証事業者又は認定外国認証事業者に対し、その認定に係る認証業務に関し、虚偽の申込みをして、利用者について不実の証明をさせた者は、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
3 前2項の罪は、刑法第2条の例に従う。
第42条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 第13条第2項の規定に違反した者
二 第23条第1項の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らした者
第43条 第29条第1項の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第44条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第9条第1項の規定に違反して第4条第2項第2号又は第3号の事項を変更した者
二 第11条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
三 第35条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第45条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
一 第26条の規定による帳簿の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
二 第28条第1項の規定に違反して調査の業務の全部を廃止したとき。
三 第35条第2項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第46条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第42条第1号又は第44条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第47条 第9条第4項又は第10条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、10万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。ただし、次条の規定は平成13年3月1日から、附則第4条の規定は商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成12年法律第91号)の施行の日から施行する。
(準備行為)
第2条 第17条第1項の規定による指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、第18条から第20条まで、第21条第1項並びに第25条第1項及び第2項の規定の例により行うことができる。
(検討)
第3条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成12年5月31日法律第91号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成12年法律第90号)の施行の日から施行する。
附則 (平成18年3月31日法律第10号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成18年4月1日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第211条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第212条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
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