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犯罪捜査のための通信傍受に関する規則

平成12年3月15日最高裁判所規則第6号
犯罪捜査のための通信傍受に関する規則を次のように定める。

第1章 総則

(趣旨)
第1条 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号。以下「法」という。)による傍受令状の発付、傍受ができる期間の延長、記録媒体の封印及び提出、傍受の原記録の保管その他の取扱い、傍受の実施の状況を記載した書面の提出、法第14条に規定する通信に該当するかどうかの審査、通信の当事者に対する通知を発しなければならない期間の延長、裁判所が保管する傍受記録の聴取及び閲覧並びにその複製の作成並びに不服申立てに関する手続については、法に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。

第2章 傍受令状の請求等の手続

(傍受令状請求権者の指定、変更の通知)
第2条 検事総長は、法第4条第1項の規定により傍受令状を請求することができる検察官を指定したときは、最高裁判所にその旨を通知しなければならない。その通知の内容に変更を生じたときも、同様とする。
2 国家公安委員会、都道府県公安委員会、厚生労働大臣又は海上保安庁長官は、法第4条第1項の規定により傍受令状を請求することができる司法警察員を指定したときは、国家公安委員会、厚生労働大臣又は海上保安庁長官においては最高裁判所に、都道府県公安委員会においてはその所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知しなければならない。その通知の内容に変更を生じたときも、同様とする。
(傍受令状請求書の記載事項)
第3条 傍受令状の請求書には、次に掲げる事項及び傍受令状発付の要件たる事項を記載しなければならない。
 被疑者の氏名
 被疑事実の要旨、罪名及び罰条
 傍受すべき通信
 傍受の実施の対象とすべき通信手段
 傍受の実施の方法及び場所
 傍受ができる期間
 請求者の官公職氏名
 請求者が、法第4条第1項の規定による指定を受けた者である旨
 7日を超える有効期間を必要とするときは、その旨及び事由
 請求に係る被疑事実の全部又は一部と同一の被疑事実について、前に同一の通信手段を対象とする傍受令状の請求又はその発付があったときは、その旨
2 被疑者の氏名が明らかでないときは、その旨を記載すれば足りる。
(資料の提供・法第4条等)
第4条 傍受令状を請求するには、傍受の理由及び必要があることを認めるべき資料を提供しなければならない。
(傍受令状の記載事項)
第5条 法第6条の最高裁判所規則で定める事項は、次に掲げる事項とする。
 請求者の官公職氏名
 有効期間内であっても、その理由又は必要がなくなったときは、直ちにこれを返還しなければならない旨
(傍受ができる期間の延長請求の方式)
第6条 法第7条第1項の規定による傍受ができる期間の延長の請求は、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、延長を必要とする事由及び延長を求める期間を記載しなければならない。
3 第1項の請求をするには、傍受令状を差し出し、かつ、延長を必要とする事由があることを認めるべき資料を提供しなければならない。
(傍受ができる期間の延長の裁判)
第7条 裁判官は、前条第1項の請求を理由があるものと認めて延長の裁判をしたときは、延長する期間及び理由を記載した傍受令状を裁判所書記官をして請求者に交付させなければならない。
2 裁判所書記官は、傍受令状を請求者に交付する場合には、傍受令状に交付の年月日を記載して記名押印しなければならない。
3 前条第1項の請求については、刑事訴訟規則(昭和23年最高裁判所規則第32号)第140条及び第141条の規定を準用する。

第3章 通信傍受の記録等

(記録媒体の封印の方法)
第8条 法第20条第1項の規定により立会人が記録媒体を封印する場合においては、封印上に、封印した年月日時を記載して署名押印しなければならない。
(傍受の原記録の提出)
第9条 法第20条第3項の規定により記録媒体を裁判官に提出する場合においては、次に掲げる事項を記載した書面及び傍受令状の写しを添付しなければならない。
 記録媒体を提出する者の官公職氏名
 記録媒体の種類及び数量
 各記録媒体への記録の開始及び終了の年月日時
(傍受の処分着手後の措置)
第10条 傍受令状に基づき傍受の処分に着手したときは、傍受令状に着手の年月日時及び傍受の実施を終了した年月日時を記載して記名押印しなければならない。
(傍受の実施の状況を記載した書面の記載事項)
第11条 法第21条第1項第9号の最高裁判所規則で定める事項は、次に掲げる事項とする。
 傍受令状の発付及び傍受ができる期間の延長の裁判の年月日並びに傍受令状を発付した裁判官が所属する裁判所名
 被疑者の氏名
 傍受の実施をした者の官公職氏名
 傍受の実施の対象とされた通信手段
 傍受の実施の方法及び場所
 法第13条第2項の規定により傍受をした通信について法第22条第3項の規定により通信の記録を消去したときは、消去した者の官公職氏名、消去した年月日時及び消去した部分
 傍受をした通信について、記録媒体中の記録箇所を特定するに足りる事項
(傍受をした通信の記録消去後の措置)
第12条 検察官又は司法警察員は、傍受の実施の状況を記載した書面を裁判官に提出した後、法第22条第3項の規定又は法第26条第3項(法第21条第2項において準用する場合を含む。)に規定する消去命令により通信の記録を消去したときは、速やかに、消去した者の官公職氏名、消去した年月日時及び消去した部分を当該裁判官に通知しなければならない。
(通信の当事者に対する通知をした場合の事後措置)
第13条 検察官又は司法警察員は、傍受記録に記録されている通信の当事者に対し、法第23条の規定による通知をしたときは、速やかに、通知書の写しを添付した書面をもって、その旨を原記録保管裁判官に通知しなければならない。
(通信の当事者に対する通知を発しなければならない期間の延長請求の方式)
第14条 法第23条第2項の規定による通知を発しなければならない期間の延長の請求は、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、傍受の実施を終了した年月日、通知によって捜査が妨げられるおそれがあることを認めるべき事由及び延長を求める期間を記載しなければならない。前に通知を発しなければならない期間が延長されたときは、その旨及びその期間をも記載しなければならない。
3 第1項の請求をするには、通知によって捜査が妨げられるおそれがあることを認めるべき資料を提供しなければならない。
(傍受の原記録の聴取及び閲覧等の請求の方式)
第15条 法第25条第1項から第5項までの規定による傍受の原記録の聴取若しくは閲覧又はその複製の作成の請求は、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、聴取若しくは閲覧又は複製の作成を求める部分を特定するに足りる事項及び法に定める聴取若しくは閲覧又は複製の作成の理由が存在すると認められる事由を記載しなければならない。
3 第1項の請求を受けた原記録保管裁判官は、必要があると認めるときは、請求者に対し、法に定める聴取若しくは閲覧又は複製の作成の理由が存在することを認めるべき資料の提示を求めることができる。
(傍受の原記録等の聴取及び閲覧等)
第16条 法第25条第1項から第5項までの規定による傍受の原記録の聴取及び閲覧並びにその複製の作成は、裁判所において行う。ただし、原記録保管裁判官が必要と認めるときは、この限りでない。
2 原記録保管裁判官は、傍受の原記録の聴取及び閲覧並びにその複製の作成について、日時、場所及び時間を指定することができる。
3 原記録保管裁判官は、傍受の原記録の聴取及び閲覧並びにその複製の作成について、傍受の原記録の破棄その他不法な行為を防ぐため必要があると認めるときは、裁判所書記官その他の裁判所職員をこれに立ち会わせ、又はその他の適当な措置を講じなければならない。
4 原記録保管裁判官は、傍受の原記録を聴取させ、又は閲覧させる場合において、必要があると認めるときは、その複製を聴取させ、又は閲覧させることができる。
5 法第24条の規定による傍受記録の聴取若しくは閲覧又はその複製の作成に関する手続のうち、裁判所が保管する傍受記録に係る手続については、前各項の規定を準用する。
(傍受の原記録の保管に関する通知)
第17条 次に掲げる場合には、検察官は、速やかに、それぞれその旨を当該傍受の原記録保管裁判官に通知しなければならない。
 傍受が行われた事件に係る被疑事件について公訴が提起されたとき及び当該被告事件が終結したとき。
 傍受が行われた事件に係る被告事件以外の被告事件において傍受記録又はその複製等が証拠として取り調べられたとき及び当該被告事件が終結したとき。
 法第30条に規定する罪に係る被疑事件について公訴が提起されたとき、当該被告事件が終結したとき及び右の罪に係る被疑事件について刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第262条第1項の請求がされたとき。

第4章 補則

(刑事訴訟規則との関係)
第18条 通信の傍受に関する手続については、法及びこの規則に定めるもののほか、刑事訴訟規則による。

附則

この規則は、法の施行の日から施行する。
(施行の日=平成12年8月15日)
附則(平成12年12月15日最高裁判所規則第15号)
この規則は、平成13年1月6日から施行する。

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