げんごちょうかくしがっこうようせいしょしていきそく
言語聴覚士学校養成所指定規則
平成10年文部省・厚生省令第2号
言語聴覚士法(平成9年法律第132号)第41条の規定に基づき、言語聴覚士学校養成所指定規則を次のように定める。
(趣旨)
第1条 言語聴覚士法(平成9年法律第132号。以下「法」という。)第33条第1号から第3号まで及び第5号の規定に基づく学校又は言語聴覚士養成所(以下「養成所」という。)の指定に関しては、この省令の定めるところによる。
2 前項の学校とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校及びこれに附設される同法第124条に規定する専修学校又は同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。
(指定の申請手続)
第2条 学校又は養成所について、文部科学大臣又は都道府県知事(以下「行政庁」という。)の指定を受けようとするときは、その設置者は、次に掲げる事項(地方公共団体(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第68条第1項に規定する公立大学法人を含む。)の設置する学校又は養成所にあっては、第11号に掲げる事項を除く。)を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。
一 設置者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地)
二 名称
三 位置
四 設置年月日
五 学則
六 長の氏名及び履歴
七 教員の氏名、履歴及び担当科目並びに専任又は兼任の別
八 校舎の各室の用途及び面積並びに建物の配置図及び平面図
九 教授用及び実習用の機械器具、模型及び図書の目録
十 実習施設の名称、位置及び開設者又は設置者の氏名(法人にあっては、名称)並びに当該施設における実習用設備の概要(施設別に記載したもの)
十一 収支予算及び向う2年間の財政計画
2 前項の申請書には、同項第10号に掲げる施設における実習を承諾する旨の当該施設の開設者又は設置者の承諾書を添えなければならない。
(変更の承認及び届出)
第3条 文部科学大臣の指定を受けた学校又は都道府県知事の指定を受けた養成所(以下「指定施設」と総称する。)の設置者は、前条第1項第5号に掲げる事項(修業年限、教育課程及び入学定員又は入所定員に関する事項に限る。)若しくは同項第8号に掲げる事項又は同項第10号に掲げる施設を変更しようとするときは、行政庁に申請し、その承認を受けなければならない。
2 前条第2項の規定は、前項の実習施設の変更の承認の申請について準用する。
3 指定施設の設置者は、前条第1項第1号から第3号までに掲げる事項又は同項第5号に掲げる事項(修業年限、教育課程及び入学定員又は入所定員に関する事項を除く。)に変更があったときは、1月以内に、行政庁に届け出なければならない。
(学校及び養成所の指定基準)
第4条 法第33条第1号の学校及び養成所の指定基準は、次のとおりとする。
一 学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(法第33条第1号に規定する文部科学大臣の指定を受けようとする学校が大学である場合において、当該大学が学校教育法第90条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)又は言語聴覚士法施行規則(平成10年厚生省令第74号。以下「規則」という。)第13条各号に掲げる者であることを入学又は入所の資格とするものであること。
二 修業年限は、3年以上であること。
三 教育の内容は、別表第1に定めるもの以上であること。
四 別表第1に掲げる各科目を教授するのに適当な数の教員を有し、かつ、そのうち5人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに3を加えた数)以上は医師、歯科医師、言語聴覚士又はこれと同等以上の学識経験を有する者(以下「医師等」という。)である専任教員であること。ただし、医師等である専任教員の数は、当該学校又は養成所が設置された年度にあっては3人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに一を加えた数)、その翌年度にあっては4人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに2を加えた数)とすることができる。
五 専任教員のうち少なくとも3人は、免許を受けた後法第2条に規定する業務を5年以上業として行った言語聴覚士(以下「業務経験5年以上の言語聴覚士」という。)であること。ただし、業務経験5年以上の言語聴覚士である専任教員の数は、当該学校又は養成所が設置された年度にあっては1人、その翌年度にあっては2人とすることができる。
六 1学級の定員は、10人以上40人以下であること。
七 同時に授業を行う学級の数を下らない数の専用の普通教室を有すること。
八 適当な広さの専用の実習室及び図書室を有すること。
九 教育上必要な機械器具、模型及び図書を有すること。
十 臨床実習を行うのに適当な病院、診療所その他の施設を実習施設として利用し得ること及び当該実習について適当な実習指導者の指導が行われること。
十一 前号の実習施設として利用する施設は、実習用設備として必要なものを有するものであること。
十二 専任の事務職員を有すること。
十三 管理及び維持経営の方法が確実であること。
2 法第33条第2号の学校及び養成所の指定基準は、次のとおりとする。
一 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正7年勅令第388号)に基づく大学又は規則第14条各号に掲げる学校、文教研修施設若しくは養成所において2年(高等専門学校にあっては、5年)以上修業し、かつ、法第33条第2号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する科目を修めた者であることを入学又は入所の資格とするものであること。
二 修業年限は、1年以上であること。
三 教育の内容は、別表第2に定めるもの以上であること。
四 別表第2に掲げる各科目を教授するのに適当な数の教員を有し、かつ、そのうち3人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに一を加えた数)以上は医師等である専任教員であること。
五 専任教員のうち少なくとも1人は、業務経験5年以上の言語聴覚士であること。
六 前項第6号から第13号までに該当するものであること。
3 法第33条第3号の学校及び養成所の指定基準は、次のとおりとする。
一 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は規則第15条各号に掲げる学校、文教研修施設若しくは養成所において1年(高等専門学校にあっては、4年)以上修業し、かつ、法第33条第3号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する科目を修めた者であることを入学又は入所の資格とするものであること。
二 修業年限は、2年以上であること。
三 別表第2に掲げる各科目を教授するのに適当な数の教員を有し、かつ、そのうち4人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに2を加えた数)以上は医師等である専任教員であること。ただし、医師等である専任教員の数は、当該学校又は養成所が設置された年度にあっては3人(1学年に2学級以上を有する学校又は養成所にあっては、1学級増すごとに一を加えた数)とすることができる。
四 専任教員のうち少なくとも2人は、業務経験5年以上の言語聴覚士であること。ただし、業務経験5年以上の言語聴覚士である専任教員の数は、当該学校又は養成所が設置された年度にあっては1人とすることができる。
五 第1項第6号から第13号まで、及び前項第3号に該当するものであること。
4 法第33条第5号の学校及び養成所の指定基準は、次のとおりとする。
一 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)若しくは旧大学令に基づく大学を卒業した者又は規則第17条で定める者であることを入学又は入所の資格とするものであること。
二 第1項第6号から第13号まで、第2項第3号及び前項第2号から第4号までに該当するものであること。
(報告)
第5条 指定施設の設置者は、毎学年度開始後2月以内に次に掲げる事項を行政庁に報告しなければならない。
一 当該学年度の学年別学生数
二 前学年度における教育実施状況の概要
三 前学年度の卒業者数
(報告の徴収及び指示)
第6条 行政庁は、指定施設につき必要があると認めるときは、その設置者又は長に対して報告を求めることができる。
2 行政庁は、指定施設の教育の内容、教育の方法、施設、設備、管理の方法、維持経営の方法その他が適当でないと認めるときは、その設置者又は長に対して必要な指示をすることができる。
(指定の取消し)
第7条 指定施設が第4条に規定する基準に適合しなくなったとき又はその設置者若しくは長が前条第2項の規定による指示に従わないときは、行政庁は、指定施設の指定を取り消すことができる。
(指定取消しの申請手続)
第8条 指定施設について、行政庁の指定の取消しを受けようとするときは、その設置者は、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。
一 指定の取消しを受けようとする理由
二 指定の取消しを受けようとする予定期日
三 在学中の学生があるときは、その措置
(国立大学法人の設置する学校及び国の設置する養成所の特例)
第9条 国立大学法人(国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)の設置する学校又は国の設置する養成所については、次の表の上欄に掲げる規定中の字句で、同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄の字句と読み替えるものとする。
第2条第1項 | 設置者 | 所管大臣(国立大学法人の設置する学校にあっては、設置者である国立大学法人。以下同じ。) |
次に掲げる事項(地方公共団体(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第68条第1項に規定する公立大学法人を含む。)の設置する学校又は養成所にあっては、第11号に掲げる事項を除く。)を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない | 第2号から第10号までに掲げる事項を記載した書面をもって行政庁に申し出るものとする | |
第2条第2項 | 申請書 | 書面 |
第3条第1項 | 設置者 | 所管大臣 |
申請し、その承認を受けなければならない | 協議するものとする | |
第3条第2項 | 承認の申請 | 協議 |
第3条第3項 | 設置者 | 所管大臣 |
前条第1項第1号から第3号まで | 前条第1項第2号若しくは第3号 | |
届け出なければならない | 通知するものとする | |
第5条 | 設置者 | 所管大臣 |
報告しなければならない | 通知するものとする | |
第6条第1項 | 設置者又は長 | 所管大臣 |
第6条第2項 | 設置者又は長 | 所管大臣 |
指示 | 勧告 | |
第7条 | 第4条に規定する基準に適合しなくなったとき又はその設置者若しくは長が前条第2項の規定による指示に従わないとき | 第4条に規定する基準に適合しなくなったとき |
第8条 | 設置者 | 所管大臣 |
次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない | 次に掲げる事項を記載した書面をもって行政庁に申し出るものとする |
附則
(施行期日)
1 この省令は、法の施行の日(平成10年9月1日)から施行する。
(学校又は養成所の指定基準の経過的特例)
2 第4条第1項第5号、第2項第5号及び第3項第4号の規定の適用については、平成12年3月31日までの間においては、第4条第1項第5号本文中「免許を受けた後法第2条に規定する業務を5年以上業として行った言語聴覚士(以下「業務経験5年以上の言語聴覚士」という。)」とあるのは「適法に法第2条に規定する業務を5年以上業として行った者」と、同条第1項第5号ただし書、第2項第5号及び第3項第4号中「業務経験5年以上の言語聴覚士」とあるのは「適法に法第2条に規定する業務を5年以上業として行った者」とし、平成12年4月1日から平成18年3月31日までの間においては、同条第1項第5号本文中「免許を受けた後法第2条に規定する業務を5年以上業として行った言語聴覚士(以下「業務経験5年以上の言語聴覚士」という。)」とあるのは「適法に法第2条に規定する業務を5年以上業として行い、かつ、言語聴覚士の免許を受けている者」と、同条第1項第5号ただし書、第2項第5号及び第3項第4号中「業務経験5年以上の言語聴覚士」とあるのは「適法に法第2条に規定する業務を5年以上業として行い、かつ、言語聴覚士の免許を受けている者」とする。
附則 (平成12年10月20日文部省・厚生省令第5号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成13年11月27日文部科学省令第80号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成14年4月1日から施行する。
附則 (平成16年3月31日文部科学省・厚生労働省令第4号)
この省令は、平成16年4月1日から施行する。
附則 (平成19年12月25日文部科学省・厚生労働省令第2号)
この省令は、学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日(平成19年12月26日)から施行する。
附則 (平成27年3月31日文部科学省・厚生労働省令第2号)
(施行期日)
1 この省令は、平成27年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の日(以下この項において「施行日」という。)前にこの省令による改正前のそれぞれの省令の規定によりされた指定等の処分その他の行為(以下この項において「処分等の行為」という。)又はこの省令の施行の際現にこの省令による改正前のそれぞれの省令の規定によりされている指定等の申請その他の行為(以下この項において「申請等の行為」という。)で、施行日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、施行日以後におけるこの省令による改正後のそれぞれの省令の適用については、この省令による改正後のそれぞれの省令の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
3 この省令の施行前にこの省令による改正前のそれぞれの省令の規定により国に対して届出その他の手続をしなければならない事項で、この省令の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、この省令による改正後のそれぞれの省令の相当規定により地方公共団体の相当の機関に対して届出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この省令による改正後のそれぞれの省令の規定を適用する。
別表第1(第4条関係)
教育内容 | 単位数 | 備考 | |
基礎分野 |
人文科学2科目 社会科学2科目 自然科学2科目 外国語 保健体育 |
二 二 二 四 二 |
1科目は統計学とすること。 |
専門基礎分野 |
基礎医学 臨床医学 臨床歯科医学 音声・言語・聴覚医学 心理学 言語学 音声学 音響学 言語発達学 社会福祉・教育 |
三 六 一 三 七 二 二 二 一 二 |
医学総論、解剖学、生理学及び病理学を含む。 内科学、小児科学、精神医学、リハビリテーション医学、耳鼻咽喉科学、臨床神経学及び形成外科学を含む。 口腔外科学を含む。 神経系の構造、機能及び病態を含む。 心理測定法を含む。 聴覚心理学を含む。 社会保障制度、リハビリテーション概論及び関係法規を含む。 |
専門分野 |
言語聴覚障害学総論 失語・高次脳機能障害学 言語発達障害学 発声発語・嚥下障害学 聴覚障害学 臨床実習 |
四 六 六 九 七 十二 |
脳性麻痺及び学習障害を含む。 吃音を含む。 聴力検査並びに補聴器及び人工内耳を含む。 実習時間の3分の2以上は病院又は診療所において行うこと。 |
選択必修分野 | 8 | 専門基礎分野又は専門分野を中心として講義又は実習を行うこと。 | |
合計 | 93 |
備考 |
一 単位の計算の方法は、大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)第21条第2項の規定の例による。
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は言語聴覚士法施行規則第15条に定める学校、文教研修施設若しくは養成所において既に履修した科目については、免除することができる。
三 複数の教育内容を併せて教授することが教育上適切と認められる場合において、臨床実習12単位以上及び臨床実習以外の教育内容81単位以上(うち基礎分野12単位以上、専門基礎分野29単位以上、専門分野32単位以上及び選択必修分野8単位以上)であるときは、この表の教育内容ごとの単位数によらないことができる。
四 学校教育法に基づく大学は、基礎分野については、この表の教育内容ごとの単位数によらないことができる。
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別表第2(第4条関係)
教育内容 | 単位数 | 備考 | |
専門基礎分野 |
基礎医学 臨床医学 臨床歯科医学 音声・言語・聴覚医学 心理学 言語学 音声学 音響学 言語発達学 社会福祉・教育 |
三 六 一 三 七 二 二 二 一 二 |
医学総論、解剖学、生理学及び病理学を含む。 内科学、小児科学、精神医学、リハビリテーション医学、耳鼻咽喉科学、臨床神経学及び形成外科学を含む。 口腔外科学を含む。 神経系の構造、機能及び病態を含む。 心理測定法を含む。 聴覚心理学を含む。 社会保障制度、リハビリテーション概論及び関係法規を含む。 |
専門分野 |
言語聴覚障害学総論 失語・高次脳機能障害学 言語発達障害学 発声発語・嚥下障害学 聴覚障害学 臨床実習 |
四 六 六 九 七 十二 |
脳性麻痺及び学習障害を含む。 吃音を含む。 聴力検査並びに補聴器及び人工内耳を含む。 実習時間の3分の2以上は病院又は診療所において行うこと。 |
合計 | 73 |
備考 |
一 単位の計算の方法は、大学設置基準第21条第2項の規定の例による。
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は言語聴覚士法施行規則第15条に定める学校、文教研修施設若しくは養成所において既に履修した科目については、免除することができる。
三 複数の教育内容を併せて教授することが教育上適切と認められる場合において、臨床実習12単位以上及び臨床実習以外の教育内容61単位以上(うち専門基礎分野29単位以上及び専門分野32単位以上)であるときは、この表の教育内容ごとの単位数によらないことができる。
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