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品種登録規則

平成10年農林水産省令第86号
種苗法(平成10年法律第83号)第18条第2項第7号、第32条第2項及び第45条第3項の規定に基づき、並びに同法を実施するため、品種登録規則(昭和53年農林水産省令第18号)の全部を改正する省令を次のように定める。

第1章 総則

(仮登録)
第1条 仮登録は、次に掲げる場合にするものとする。
 登録の申請に必要な手続上の要件が具備しないとき。
 育成者権、専用利用権若しくは通常利用権若しくはこれらの権利を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅に関して請求権を保全しようとするとき、又はその請求権が始期付き若しくは停止条件付きであるときその他将来において確定すべきものであるとき。
(付記登録)
第2条 次に掲げる事項の登録は、付記によってする。
 登録名義人の表示の変更又は更正
 質権の移転又は信託による質権についての変更
 一部が抹消された登録の回復
第3条 次に掲げる事項の登録は、登録上の利害関係を有する第三者がない場合又は申請書に登録上の利害関係を有する第三者の承諾書若しくはその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付した場合に限り、付記によってする。
 育成者権以外の権利の変更(信託による育成者権以外の権利についての変更を除く。)
 第11条第1項に規定する育成者権等記録部、利用権等記録部(同項を除き、以下「事項部」と総称する。)及び信託部の登録の更正(登録名義人の表示の更正を除く。)
(順位)
第4条 同一の育成者権その他育成者権に関する権利について登録した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録の前後による。
第5条 付記登録の順位は、主登録の順位により、付記登録間の順位は、その前後による。
第6条 仮登録をしたものについて本登録をしたときは、その順位は、仮登録の順位による。
第7条 前条の規定は、民事保全法(平成元年法律第91号)第54条において準用する同法第53条第2項の規定による仮処分による仮登録(以下「保全仮登録」という。)について準用する。

第2章 品種登録簿

(品種登録簿の所在)
第8条 品種登録簿は、農林水産省食料産業局に備えるものとする。
(滅失)
第9条 品種登録簿の全部又は一部が滅失したときは、農林水産大臣は、登録の回復に必要な手続をとらなければならない。
2 前項の手続は、別に省令で定める。
(登録受付簿)
第10条 登録受付簿は、別記様式第1号により作成しなければならない。
(品種登録簿の記録)
第11条 品種登録簿は、表示部、登録料記録部、優先権記録部、登録品種の植物体の特性記録部、育成者権等記録部、利用権等記録部及び信託部の別に記録しなければならない。
2 表示部には、育成者権の表示をしなければならない。
3 登録料記録部には、登録料及びその納付年月日を記録しなければならない。
4 優先権記録部には、最先の締約国出願をした国名(政府間機関の場合にあっては、その名称)及び締約国出願日又は特定国出願のうち最先の出願(その者が特定国に属する場合にあっては、当該特定国出願)をした国名及び特定国出願日を記録しなければならない。
5 登録品種の植物体の特性記録部には、登録品種の植物体の特性に関する事項を記録しなければならない。
6 育成者権等記録部には、育成者権の設定、移転及び処分の制限に関する事項並びに育成者権を目的とする質権に関する事項を記録しなければならない。
7 利用権等記録部には、専用利用権及び通常利用権並びにこれらを目的とする質権に関する事項を記録しなければならない。
8 信託部には、信託財産に属する権利の表示をし、第46条に掲げる事項及びその変更並びに当該権利の信託の終了を記録しなければならない。
9 品種登録簿は、別記様式第2号により作成するものとする。

第3章 申請の手続

第1節 通則

(登録の申請)
第12条 登録の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録権利者及び登録義務者がしなければならない。
第13条 登録の申請は、申請書に登録義務者の承諾書を添付したときは、登録権利者だけですることができる。
第14条 判決又は相続その他の一般承継による登録の申請は、登録権利者だけですることができる。
第15条 登録名義人の表示の変更又は更正の登録の申請は、登録名義人だけで申請することができる。
(書面の用語等)
第16条 育成者権に関する登録の申請に関する書面は、次項及び第3項に規定するものを除き、日本語で書かなければならない。ただし、申請者その他の者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに登録品種の名称については、ローマ字を用いることができる。
2 育成者権に関する登録の申請に関する書面は、農林水産植物の種類の学名については、ローマ字で書かなければならない。
3 委任状その他の書面であって、外国語で書いたものには、その翻訳文を添付しなければならない。
(申請書の記載事項)
第17条 申請書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 申請の年月日
 品種登録の番号
 品種の属する農林水産植物の種類及び登録品種の名称
 申請者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあっては代表者の氏名
 代理人により登録を申請するときは、その氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあっては代表者の氏名
 申請者が外国人であるときは、その国籍
 登録の原因及びその発生年月日
 登録の目的及び登録の目的が育成者権以外の権利に関するときはその権利の表示
 添付書面の目録
(権利の消滅に関する事項の記載)
第18条 登録の原因に登録の目的である権利の消滅に関する事項の定めがあるときは、申請書にその事項を記載しなければならない。
(持分等の記載)
第19条 登録の原因に持分の定めがあるときは、申請書にその持分を記載しなければならない。
2 登録の原因に種苗法(以下「法」という。)第23条第2項(法第25条第5項及び第29条第4項において準用する場合を含む。)の定めがあるとき、又は民法(明治29年法律第89号)第264条において準用する同法第256条第1項ただし書の契約があるときは、申請書にこれを記載しなければならない。
(申請書に添付する書面等)
第20条 第17条の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
 登録の原因を証明する書面
 登録の原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、これを証明する書面
 代理人により登録を申請するときは、その権限を証明する書面
 次に掲げる場合にあっては、戸籍又は住民票の謄本又は抄本、登記事項証明書その他当該事実を証明することができる書面
 登録の原因が相続その他の一般承継であるとき。
 申請者が登録権利者又は登録義務者の相続人その他の一般承継人であるとき。
 登録名義人の表示の変更又は更正の登録をするとき。
2 農林水産大臣は、登録の申請の手続について必要があると認めるときは、相当の期間を指定して、次に掲げる書面の提出を命ずることができる。
 申請者が法人であるときは、法人であることを証明する書面
 申請者が外国人であるときは、その国籍を証明する書面又は次に掲げる書面のいずれか1
 申請者が日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有するときは、これを証明する書面
 申請者が日本国以外の締約国等又は同盟国に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有するときは、これを証明する書面
 申請者の属する国(締約国等及び同盟国を除く。)が、日本国民に対し品種の育成に関してその国の国民と同一の条件による保護を認めているとき、又はその国の国民に対し日本国が育成者権その他育成者権に関する権利の享有を認めることを条件として日本国民に対し当該保護を認めているときは、これを証明する書面及び当該国が申請に係る登録品種につき品種の育成に関する保護を認めるものであることを証明する書面
3 第1項第1号の書面が執行力のある判決であるときは、同項第2号に掲げる書面を添付することを要しない。
4 第1項第2号に規定する場合において、申請書にその第三者が記名し、印を押したときは、同号に掲げる書面を添付することを要しない。
(添付書面の省略)
第21条 同時に2以上の申請書により登録を申請する場合において、各申請書に添付すべき書面の内容が同一であるときは、一の申請書にこれを添付し、他の申請書にはその旨を記載して当該書面の添付を省略することができる。
2 登録に係る他の事件について、既に、農林水産大臣に申請書に添付すべき書面を提出した場合において、その事項に変更がないときは、申請書にその旨を記載して当該書面の添付を省略することができる。ただし、農林水産大臣は、特に必要があると認められるときは、当該書面の提出を求めることができる。
(併合申請)
第22条 2以上の育成者権又は育成者権に関する権利に関する登録は、登録の原因及び目的が同一である場合に限り、同一の申請書で申請することができる。
(債権者の代位)
第23条 債権者は、民法第423条の規定により債務者に代位して登録を申請するときは、第17条各号に掲げる事項のほか、申請書に次に掲げる事項を記載し、かつ、代位の原因を証明する書面を添付しなければならない。
 債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所又は居所
 代位の原因
(却下)
第24条 農林水産大臣は、次に掲げる場合は、登録の申請を却下しなければならない。
 登録を申請した事項が登録すべきものでないとき。
 申請書が方式に適合しないとき。
 申請書に記載した品種登録の番号、農林水産植物の種類及び登録品種の名称が品種登録簿と符合しないとき。
 第20条第1項第4号ロに規定する場合を除き、申請書に記載した登録義務者の表示が品種登録簿と符合しないとき。
 第20条第1項第4号ハに規定する場合を除き、申請者が登録名義人である場合において、その表示が品種登録簿と符合しないとき。
 申請書に記載した事項が登録の原因を証明する書面と符合しないとき。
 申請書に必要な書面を添付しないとき。
 登録免許税を納付しないとき。
2 農林水産大臣は、前項の規定により申請を却下したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
第25条 法第32条第2項の届出は、移転の登録を申請する方法により行わなければならない。

第2節 専用利用権及び通常利用権に関する手続

(専用利用権の設定等の登録の申請)
第26条 専用利用権の設定の登録の申請をするときは、申請書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
 設定すべき専用利用権の範囲
 登録の原因に対価の額又はその支払の方法若しくは時期の定めがあるときは、その定め
2 専用利用権の移転の登録を申請するときは、申請書に移転すべき専用利用権の範囲を記載しなければならない。
3 品種の利用の事業とともに専用利用権を移転するときは、申請書にこれを証明する書面を添付しなければならない。
(通常利用権の設定等の登録の申請)
第27条 通常利用権の設定の登録を申請するときは、申請書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
 設定すべき通常利用権の範囲
 登録の原因に対価の額又はその支払の方法若しくは時期の定めがあるときは、その定め
2 通常利用権の保存又は移転の登録を申請するときは、申請書に保存又は移転すべき通常利用権の範囲を記載しなければならない。
3 前条第3項の規定は、品種の利用の事業とともに通常利用権を移転する場合について準用する。

第3節 質権に関する手続

(質権の設定の登録の申請)
第28条 質権の設定の登録を申請するときは、申請書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
 質権の目的である権利の表示
 債権の額
 登録の原因に存続期間、弁済期、利息、違約金若しくは賠償の額に関する定めがあるとき、法第30条第1項の定めがあるとき、若しくは民法第346条ただし書の定めがあるとき、又は当該債権に条件を付したときは、その定め又は条件
 債務者の氏名又は名称及び住所又は居所
2 一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保するための質権の設定の登録を申請するときは、前項の規定にかかわらず、申請書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
 質権の目的である権利の表示
 担保すべき債権の範囲
 債権の極度額
 担保すべき元本が確定すべき期日の定めがあるときは、その定め
 債務者の氏名又は名称及び住所又は居所
第29条 一定の金額を目的としない債権の担保である質権の設定の登録を申請するときは、申請書にその債権の価格を記載しなければならない。
第30条 同一の債権を担保する2以上の質権の設定の登録を申請するときは、申請書に質権の目的となる他の権利の表示をしなければならない。
2 質権の設定の登録を申請する場合において、同一の債権を担保する質権の登録が既にされているときは、申請書にその質権の設定の登録がされている権利の表示をしなければならない。
(質権の変更の登録の申請)
第31条 民法の規定により、質権者の合意に基づく質権の順位の変更をする場合における順位の変更の登録の申請は、順位の変更を合意した質権者が共同してしなければならない。
第32条 第28条の規定は、民法の規定により、質権を他の債権の担保とし、又は質権を譲渡し、若しくは放棄した場合の登録の申請について準用する。
(質権の移転の登録の申請)
第33条 債権の一部の譲渡又は代位弁済による質権の移転の登録を申請するときは、申請書に譲渡又は代位弁済の目的である債権の額を記載しなければならない。
(代位の登録の申請)
第34条 民法の規定により先順位の質権者に代位して質権を行うべき場合における代位の登録を申請するときは、申請書に、当該先順位の質権者が弁済を受けた育成者権その他育成者権に関する権利の表示をし、その代価及び弁済を受けた額を記載しなければならない。
2 第28条の規定は、前項の登録の申請について準用する。

第4節 抹消及び回復に関する手続

(放棄による登録の抹消)
第35条 育成者権その他登録品種に関する権利の放棄による登録の抹消は、登録名義人だけで申請することができる。
(死亡による登録の抹消)
第36条 育成者権以外の権利であって登録してあるものが人の死亡により消滅した場合において、申請書に死亡を証明する戸籍の謄本若しくは抄本又はこれに準ずべき書面を添付したときは、登録権利者だけで登録の抹消を申請することができる。
(仮登録の抹消)
第37条 仮登録の抹消は、仮登録名義人だけで申請することができる。
2 申請書に仮登録名義人の承諾書又はその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付したときは、登録上の利害関係を有する者だけで仮登録の抹消を申請することができる。
(利害関係を有する第三者がある場合の登録の抹消)
第38条 登録の抹消を申請する場合において、登録上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書又はその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付しなければならない。
(仮処分の登録に後れる登録の抹消)
第39条 育成者権について民事保全法第54条において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録(保全仮登録とともにしたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者として育成者権について登録(仮登録を除く。)を申請する場合においては、その債権者だけでその仮処分の登録に後れる登録の抹消を申請することができる。
2 前項の規定により登録の抹消を申請するときは、申請書に民事保全法第61条において準用する同法第59条第1項の規定による通知をしたことを証明する書面を添付しなければならない。
第40条 前条の規定は、育成者権以外の権利について民事保全法第54条において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者としてその権利の移転又は消滅について登録(仮登録を除く。)を申請する場合について準用する。
第41条 専用利用権について保全仮登録をした後、本登録を申請する場合においては、その保全仮登録に係る仮処分の債権者だけで専用利用権若しくは通常利用権又はこれらの権利を目的とする質権についての登録であってその仮処分の登録に後れるものの抹消を申請することができる。
2 第39条第2項の規定は、前項の規定による抹消の申請について準用する。
(抹消した登録の回復)
第42条 抹消した登録の回復を申請する場合において、登録上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書又はその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付しなければならない。

第5節 仮登録に関する手続

(仮登録に基づく本登録)
第43条 第38条の規定は、育成者権の移転に関する仮登録をした後、本登録の申請をする場合について準用する。

第6節 信託に関する手続

(信託の登録の申請方法)
第44条 育成者権その他育成者権に関する権利の信託の登録は、受託者だけで申請することができる。
(権利についての変更の登録の申請の特例)
第45条 信託法(平成18年法律第108号)第3条第3号に掲げる方法によってされた信託による育成者権その他育成者権に関する権利についての変更の登録は、受託者だけで申請することができる。
(信託の登録の申請の手続)
第46条 信託の登録を申請するときは、申請書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所又は居所
 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め
 信託管理人(資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第13項に規定する特定目的信託の場合にあっては、代表権利者又は特定信託管理者)があるときは、その氏名又は名称及び住所又は居所
 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所又は居所
 信託法第185条第3項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨
 信託法第258条第1項の受益者の定めのない信託であるときは、その旨
 公益信託ニ関スル法律(大正11年法律第62号)第1条に規定する公益信託であるときは、その旨
 信託の目的
 信託財産の管理の方法
 信託の終了の理由
十一 その他の信託の条項
2 前項の申請書に、同項第2号から第6号までに掲げる事項のいずれかを記載したときは、同項第1号の受益者(同項第4号に掲げる事項を記載した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所又は居所を記載することを要しない。
第47条 受益者又は委託者は、受託者に代位して信託の登録を申請することができる。
2 第23条の規定は、前項の規定による申請について準用する。この場合には、申請書に登録の目的である育成者権その他育成者権に関する権利が信託財産であることを証明する書面を添付しなければならない。
第48条 信託の登録の申請は、信託に係る育成者権についての移転若しくは変更又は信託に係る育成者権以外の権利についての設定、移転若しくは変更の登録の申請と同時にしなければならない。
第49条 信託財産に属する育成者権その他育成者権に関する権利が移転又は変更により信託財産に属さないこととなった場合においてすべき信託の登録の抹消の申請は、育成者権その他育成者権に関する権利についての移転又は変更の登録の申請と同時にしなければならない。
2 信託の登録の抹消は、受託者だけで申請することができる。
(受託者の変更)
第50条 受託者の変更があった場合において、育成者権その他育成者権に関する権利の移転の登録を申請するときは、申請書にその変更を証明する書面を添付しなければならない。
2 前項の規定は、信託法第86条第4項本文の場合においてすべき変更の登録について準用する。
第51条 受託者の任務が死亡、破産手続開始の決定、後見開始若しくは保佐開始の審判、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。)の解任の命令により終了したときは、前条第1項の登録は、新受託者だけで申請することができる。
2 受託者が2人以上ある場合において、その一部の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、前条第2項の登録は、他の受託者だけで申請することができる。
(信託の変更の登録の申請)
第52条 第84条に規定する場合を除き、第46条第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、その変更を証する書面を添付して、信託の変更の登録を申請しなければならない。
2 受益者又は委託者は、受託者に代位して前項の規定による申請をすることができる。
3 第23条の規定は、前項の規定による申請について準用する。
(権利についての変更の登録等の特則)
第52条の2 信託の併合又は分割により育成者権その他育成者権に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該育成者権その他育成者権に関する権利に係る当該一の信託についての信託の登録の抹消及び当該他の信託についての信託の登録の申請は、信託の併合又は分割による育成者権その他育成者権に関する権利についての変更の登録の申請と同時にしなければならない。信託の併合又は分割以外の事由により育成者権その他育成者権に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。
2 信託財産に属する育成者権その他育成者権に関する権利についてする次の表の上欄に掲げる場合における育成者権その他育成者権に関する権利についての変更の登録(第45条の登録を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登録権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登録義務者とする。
一 育成者権その他育成者権に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合
受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この表において同じ。) 受託者
二 育成者権その他育成者権に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合
受託者 受益者
三 育成者権その他育成者権に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合
当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者

第4章 登録の手続

第1節 通則

(登録をする場合)
第53条 登録は、法令に別段の定めがある場合を除き、申請又は嘱託がなければ、してはならない。
2 申請による登録に関する規定は、嘱託による登録の手続について準用する。
(職権による登録)
第54条 次に掲げる事項の登録は、農林水産大臣が職権でしなければならない。
 育成者権の設定又は消滅(放棄によるものを除く。)
 混同による専用利用権、通常利用権又は質権の消滅
 法第28条第2項の裁定による通常利用権の設定
 第39条第1項(第40条において準用する場合を含む。)の規定により仮処分の登録に後れる登録を抹消したときの当該仮処分の登録の抹消
 信託財産に属する育成者権その他育成者権に関する権利について第84条各号に掲げる登録をしたときの信託の変更の登録
(登録の順序)
第55条 申請による登録は、受付の順序に従ってしなければならない。
2 職権による登録は、登録の原因が発生した順序に従ってしなければならない。
(行政区画等の変更)
第56条 行政区画又は土地の名称の変更があったときは、品種登録簿に記載した行政区画又は土地の名称は、変更されたものとみなす。
(更正)
第57条 農林水産大臣は、登録を完了した後、その登録について錯誤又は脱落があることを発見した場合には、遅滞なく、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。
2 農林水産大臣は、前項に規定する場合において、その登録が第23条に規定する申請に係るものであるときは、債権者にも、遅滞なく、同項の通知をしなければならない。
3 前2項の通知は、登録権利者、登録義務者又は債権者が2人以上あるときは、その1人に対してすることをもって足りる。
第58条 農林水産大臣は、前条第1項に規定する場合において、登録の錯誤又は脱落が農林水産大臣の過失に基づくものであるときは、登録上の利害関係を有する第三者がある場合を除き、遅滞なく、その登録を更正し、かつ、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。この場合においては、同項の規定による通知を要しない。
2 前条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。
(番号の記録)
第59条 事項部及び信託部に登録するときは、その登録が付記登録である場合、仮登録をしたものについての本登録である場合、仮登録の抹消の登録である場合、保全仮登録をしたものについての本登録である場合及び保全仮登録の抹消の登録である場合を除き、当該登録事項を記録した順序により、順位番号を当該登録事項を記録する部分の前に記録しなければならない。
(付記登録の方法)
第60条 付記登録をする場合において、付記登録の順位番号を記載するときは、主登録の番号を記載し、その下に付記の順序により付記番号を記載しなければならない。
2 前項の場合においては、主登録の順位番号の下に略号を用いて付記番号を記載しなければならない。
(変更された登録事項等の抹消記号の記録)
第61条 変更又は更正の登録をしたときは、変更され、又は更正された登録事項について抹消記号を記録しなければならない。
(抹消の登録の方法)
第62条 抹消の登録をするときは、抹消の原因、その発生年月日及び登録を抹消する旨を記録した後、抹消すべき登録について抹消記号を記録しなければならない。
2 前項に規定する場合において、抹消に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登録があるときは、事項部の相当部又は信託部に当該抹消に係る権利の登録を抹消することによりその登録を抹消する旨を記録した後、当該登録について抹消記号を記録しなければならない。
(回復の登録の方法)
第63条 育成者権の消滅の登録をした後、その育成者権の回復の登録をするときは、その消滅前と同一の登録をした後、その表示部の末尾に回復の原因及び年月日並びに登録を回復する旨を記録しなければならない。
2 前項に規定する場合を除き、回復の登録をするときは、回復の原因及び年月日並びに登録を回復する旨を記録した後、抹消に係る登録と同一の登録をしなければならない。
(登録年月日の記録)
第64条 品種登録簿に登録したときは、その登録の末尾に登録年月日を記録しなければならない。
(分界)
第65条 品種登録簿の表示部、優先権記録部、登録品種の植物体の特性記録部、事項部及び信託部について登録をしたときは、登録年月日を記録した部分に続けて横線を引いて余白と分界しなければならない。

第2節 申請による登録の手続

(登録受付簿の記載)
第66条 申請書の提出があったときは、登録受付簿に受付年月日、受付番号、品種登録の番号、登録の目的、登録免許税として納付する額及び申請者の氏名又は名称を、申請書に受付年月日及び受付番号を記載しなければならない。
2 前項の受付番号は、受付の順序により付さなければならない。ただし、同一の育成者権その他育成者権に関する権利に関して同時に2以上の申請があったときは、同一の受付番号を付さなければならない。
3 第1項の規定により登録受付簿に申請者の氏名又は名称を記載する場合において、申請者が2人以上であるときは、申請書に掲げた代表者又は筆頭者の氏名又は名称及び他の申請者の数を記載するだけで足りる。
4 受付番号は、毎年更新しなければならない。
(同一の順位番号の記載)
第67条 前条第2項ただし書の規定により同一の受付番号を付した申請書により登録する場合において、その登録事項が同一の部に登録すべきものであるときは、同一の順位番号を記録しなければならない。
(表示部等の登録の方法)
第68条 品種登録簿の表示部に登録するときは、申請書の受付年月日、受付番号及び登録の目的を記録しなければならない。
2 品種登録簿の事項部又は信託部に登録するときは、申請書の受付年月日、受付番号、登録権利者の氏名又は名称及び住所又は居所、登録の原因、その発生年月日並びに登録の目的その他申請書に掲げた事項のうち登録すべき権利に関する事項を記録しなければならない。
3 第23条、第47条第1項又は第52条第2項に規定する申請により品種登録簿の事項部又は信託部に登録するときは、前項に規定する事項のほか、債権者、受益者又は委託者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに代位の原因を記録しなければならない。
(放棄による育成者権の消滅の登録の方法)
第69条 放棄による育成者権の消滅の登録をするときは、その育成者権の登録を抹消しなければならない。
(同一の債権を担保する2以上の質権の登録)
第70条 第30条第1項の申請に基づき同一の債権を担保する2以上の質権の設定の登録をする場合には、各質権の登録に当該質権以外の質権の目的である権利の表示の記録をしなければならない。
2 第30条第2項の申請に基づき同一の債権を担保する新たな質権の設定の登録をする場合には、当該新たな質権の登録に既にされている質権の目的である権利の表示を記録するとともに、当該既にされている質権の登録に当該新たな質権の目的である権利の表示を記録しなければならない。
第71条 同一の債権を担保する質権の目的である2以上の権利のいずれかの消滅の登録をしたときは、他の権利を目的とする質権の設定の登録における消滅に係る権利の表示について抹消記号を記録しなければならない。当該質権の消滅の登録をしたときも、同様とする。
(質権の順位の変更の場合における順位番号の記録)
第72条 質権の順位の変更の登録をしたときは、順位が変更された質権の設定の登録の順位番号の下に質権の順位の変更の登録の順位番号を記録しなければならない。
(質権の順位の譲渡等の場合における順位番号の記録)
第73条 質権の順位の譲渡又は放棄による質権の変更の登録をしたときは、その質権の設定の登録の順位番号の下に質権の変更の登録の順位番号を記録しなければならない。
(仮登録の方法)
第74条 仮登録は、事項部の相当部又は信託部に記録しなければならない。
2 前項の規定により仮登録をしたときは、登録事項欄のみに横線を引き、その下に本登録をすることができる相当の余白を残した上、順位番号欄及び登録事項欄に横線を引かなければならない。
(仮登録後の本登録等)
第75条 仮登録をした後本登録の申請があったときは、仮登録の下の余白にその登録をしなければならない。仮登録の抹消の申請があったときも、同様とする。
2 農林水産大臣は、第43条の申請があった場合において、本登録をするときは、利害関係を有する第三者の登録を抹消しなければならない。
(保全仮登録後の本登録等)
第76条 前条第1項の規定は、保全仮登録について準用する。
(登録済の通知)
第77条 登録を完了したときは、申請者(申請者が登録権利者及び登録義務者であるときは、登録権利者)に品種登録の番号、申請書の受付年月日、受付番号、順位番号、登録の原因及びその発生年月日、登録の目的、登録年月日並びに登録済みの旨を通知しなければならない。
2 第23条、第47条第1項又は第52条第2項に規定する申請による登録を完了したときは、登録権利者に、前項に規定する事項のほか、債権者、受益者又は委託者の氏名又は名称を通知しなければならない。
3 前2項に規定する場合には、登録義務者に品種登録の番号、登録権利者の氏名又は名称、登録の原因及びその発生年月日、登録の目的、登録年月日並びに登録済みの旨を通知しなければならない。この場合において、登録義務者が当該登録に係る育成者権その他育成者権に関する権利の共有者の1人であるときは、他の共有者にもその旨を通知しなければならない。

第3節 嘱託による登録の手続

(保全仮登録の方法)
第78条 第74条の規定は、保全仮登録について準用する。
(登録済の通知)
第79条 嘱託により登録を完了したときは、第53条第2項において準用する第77条の規定により通知するほか、育成者権その他育成者権に関する権利の表示、登録の原因及びその発生年月日、登録権利者の氏名又は名称及び住所又は居所、登録の目的、登録年月日並びに登録済みの旨を育成者権者その他育成者権に関する権利を有する者(登録義務者を除く。)に通知しなければならない。

第4節 職権による登録の手続

(品種登録の方法等)
第80条 法第18条第2項第7号の農林水産省令で定める事項は、次のとおりとする。
 出願の年月日
 出願公表の年月日
 出願品種の育成をした者の氏名
 品種登録出願が法第11条第1項の規定による優先権の主張を伴うものである場合には、最先の締約国出願をした国名(政府間機関の場合にあっては、その名称)及び締約国出願日又は特定国出願のうち最先の出願(その者が特定国に属する場合にあっては、当該特定国出願)をした国名及び特定国出願日
 願書に品種登録により発生することとなる育成者権について持分の定めがある旨、法第23条第2項の定めがある旨若しくは民法第264条において準用する同法第256条第1項ただし書の契約がある旨が記載されている場合又は種苗法施行規則(平成10年農林水産省令第83号)第9条第1項の届出書に同条第3項の事実が記載されている場合には、その旨
2 前項第5号の事項は、育成者権等記録部に記録しなければならない。
(育成者権の消滅の登録の方法)
第81条 育成者権の消滅(放棄によるものを除く。)の登録をするときは、その育成者権の登録を抹消しなければならない。
(混同による専用利用権等の消滅の登録の方法)
第82条 混同による専用利用権、通常利用権又は質権の消滅の登録をするときは、その専用利用権、通常利用権又は質権の登録を抹消しなければならない。
(裁定による通常利用権の設定の登録の方法)
第83条 法第28条第2項の裁定による通常利用権の設定の登録をするときは、当該通常利用権に係る育成者権又は専用利用権の設定の登録がされている品種登録簿の利用権等記録部に、裁定の年月日、通常利用権を設定すべき範囲、対価の額、その支払の方法及び時期並びに通常利用権者の氏名又は名称及び住所又は居所を記録しなければならない。
(職権による信託の変更の登録)
第84条 農林水産大臣は、信託財産に属する育成者権その他育成者権に関する権利について次に掲げる登録をするときは、職権で、信託の変更の登録をしなければならない。
 信託法第75条第1項又は第2項の規定による権利の移転の登録
 信託法第86条第4項本文の規定による権利の変更の登録
 受託者である登録名義人の氏名若しくは名称又は住所若しくは居所についての変更の登録又は更正の登録

附則

(施行期日)
1 この省令は、法の施行の日(平成10年12月24日)から施行する。
(品種登録簿に関する経過措置)
2 改正前の品種登録規則(以下「旧規則」という。)による品種登録簿は、改正後の品種登録規則(以下「新規則」という。)による品種登録簿とみなす。この場合において、「登録番号」とあるのは「品種登録の番号」と、「重要な形質」とあるのは「重要な形質欄」と、「重要な形質に係る特性」とあるのは「重要な形質に係る特性欄」と、「品種登録者記録部」とあるのは「育成者権等記録部」と、「許諾記録部」とあるのは「利用権等記録部」と読み替え、この省令の施行の際、品種登録者記録部及び許諾記録部に記録されている事項については、それぞれ旧規則第11条の規定による順序に従って順位番号が付されているものとみなす。
3 この省令の施行後に、旧規則による品種登録簿に記載された権利に関して新規則による品種登録簿の育成者権等記録部又は利用権等記録部に記録すべき事項を登録をする場合には、新規則別記様式第2号の例により、品種登録者記録部又は許諾記録部の後にそれぞれ育成者権等記録部又は利用権等記録部を作成しなければならない。
4 この省令の施行後に、旧規則による品種登録簿に記載された権利に関して信託の登録をする場合には、新規則別記様式第2号の例により、許諾記録部の後に新たに信託部を作成しなければならない。
附則 (平成12年3月31日農林水産省令第42号)
この省令は、平成12年4月1日から施行する。
附則 (平成12年9月1日農林水産省令第82号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成12年11月29日農林水産省令第100号)
この省令は、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成12年法律第97号)の施行の日(平成12年11月30日)から施行する。
附則 (平成14年1月29日農林水産省令第3号)
この省令は、平成14年4月1日から施行する。
附則 (平成16年12月17日農林水産省令第100号)
この省令は、平成17年1月1日から施行する。
附則 (平成17年3月7日農林水産省令第18号)
この省令は、不動産登記法の施行の日(平成17年3月7日)から施行する。
附則 (平成17年6月17日農林水産省令第75号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成18年5月30日農林水産省令第54号)
この省令は、平成18年8月1日から施行する。
附則 (平成19年9月28日農林水産省令第77号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、信託法の施行の日(平成19年9月30日)から施行する。
(品種登録規則の一部改正に伴う経過措置)
第4条 この省令の施行前にされた第5条の規定による改正前の品種登録規則の規定による登録の申請に係る登録に関する手続については、同条の規定による改正後の品種登録規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成21年3月18日農林水産省令第11号)
この省令は、平成21年4月1日から施行する。
附則 (平成23年8月31日農林水産省令第52号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成23年9月1日から施行する。
(経過措置)
第3条 この省令の施行の際現にこの省令による改正前のそれぞれの省令の規定により従前の農林水産省の機関に対してされている送付その他の行為は、この省令の施行後は、改正後のそれぞれの省令の相当規定により相当の農林水産省の機関に対してされた送付その他の行為とみなす。
別記様式第1号(第10条関係)
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別記様式第2号(第11条関係)
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