外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令

がいこくせいふのふどうさんにかんするけんりのしゅとくにかんするせいれい
昭和24年8月18日政令第311号
最終改正:平成11年12月22日法律第160号

 内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基き、この政令を制定する。
(目的)
第1条 この政令は、外国政府の日本における不動産に関する権利の公正な取得を確保するため、これに関する取引を調整することを目的とする。

(定義)
第2条 この政令において「外国政府」とは、財務大臣の指定した国の政府又は政府機関をいう。

(承認)
第3条 外国政府が土地、建物の全部若しくは一部又はこれらに附属する設備(以下「不動産」という。)を取得(地上権の設定を含む。以下同じ。)し、又は賃借(使用貸借に基く借用を含む。以下同じ。)しようとするときは、財務大臣の承認を受けなければならない。
2 前項の規定による承認は、当該不動産の取得若しくは賃借又は当該不動産の使用若しくは改良のため必要な物資若しくは用役の取得について他の法令の規定により必要とされる認可、許可その他の処分を排除するものではない。

(承認を受けない不動産の取得又は賃借)
第4条 外国政府による不動産の取得又は賃借は、前条第1項の承認のないときは、効力を生じない。

(直接契約の禁止)
第5条 外国政府が不動産(日本国政府の所有に係るものを除く。)を取得し、又は賃借しようとする場合においては、当該不動産の所有者その他の権利者は、当該外国政府と直接に当該取得又は賃借を目的とする契約を締結することができない。

(協議、委託及び申込)
第6条 外国政府は、不動産(日本国政府の所有に係るものを除く。)を取得し、又は賃借しようとするときは、あらかじめ当該不動産の所有者その他の権利者と取得代金又は賃借料その他の取引の条件について協議を遂げ、且つ、日本国政府に対し自己のために当該不動産を取得し、又は賃借することを委託しなければならない。
2 外国政府は、日本国政府の所有に係る不動産を取得し、又は賃借しようとするときは、あらかじめ財務大臣(当該不動産が普通財産として財務大臣に引き継ぐことを要しないものである場合には、当該不動産を所管する各省各庁の長(国有財産法(昭和23年法律第73号)に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)とする。)と取得代金又は賃借料その他の取引の条件について協議を遂げ、且つ、日本国政府に対し当該不動産の取得又は賃借の申込をしなければならない。

(書類の提出)
第7条 外国政府が不動産(日本国政府の所有に係るものを除く。)を取得し、又は賃借しようとする場合には、財務省令の定めるところにより、委託の申込及び承認の申請に関する書類を財務大臣に提出しなければならない。
2 外国政府が日本国政府の所有に係る不動産を取得し、又は賃借しようとする場合には、財務省令の定めるところにより、取得又は賃借の申込及び承認の申請に関する書類を財務大臣に提出しなければならない。

(明らかにしなければならない事項)
第8条 前条第1項又は第2項の場合においては、外国政府は、財務省令の定めるところにより、同条第1項又は第2項に規定する書類において、当該不動産の取得又は賃借が左に掲げる事項に該当するかどうかを明らかにしなければならない。
 目的が明らかであり、且つ、正常な活動のため必要であること。
 不動産の需給状況等に照らし不当でないこと。
 取引が公正であり、且つ、詐欺、強迫又は不当の圧迫によるものでないこと。
 対価が日本国政府の認める外国通貨を交換した邦貨(小切手を含む。)又は物資若しくは用役をもつて支払われること。

(権利の移転)
第8条の2 財務大臣は、第3条第1項の承認をしたときは、遅滞なく、外国政府のために不動産を第6条第1項の協議により定められた条件で取得し、又は賃借し、且つ、当該外国政府に当該不動産又はこれに関する権利を同一条件で譲渡し、又は転貸するものとする。
2 財務大臣は、第3条第1項の承認をしたときは、遅滞なく、第6条第2項の協議により定められた条件で外国政府に不動産を譲渡し、若しくは賃貸し、又は不動産に関する権利を与えるものとする。この場合において、当該不動産が普通財産として財務大臣に引き継ぐことを要しないものであるときは、財務大臣は、当該不動産を所管する各省各庁の長の委託を受けて、これらの行為をするものとする。

(取得代金及び賃借料の処理)
第9条 財務大臣は、外国政府から不動産の取得又は賃借について、第6条第1項の委託又は同条第2項の申込があつたときは、当該不動産の取得代金又は賃借料に充てるべき当該外国政府の資金を出納保管してその目的に充てることができる。
2 財務大臣は、外国政府から不動産の取得又は賃借について、第6条第1項の委託又は同条第2項の申込があつたときは、当該外国政府が貿易特別会計に対し有していた債権で同特別会計の廃止に伴い一般会計に対する債権となつたものを取り立て、当該不動産の取得代金又は賃借料に充てることができる。
3 財務大臣は、外国政府から不動産の取得又は賃借について、第6条第1項の委託又は同条第2項の申込があつたときは、当該外国政府の提供する物資又は用役をもつて、当該不動産の取得代金又は賃借料に充てることができる。
4 財務大臣は、第1項に規定する外国政府の資金、外国政府が日本国政府に支払う対価及び日本国政府が当該不動産の所有者その他の権利者に支払う対価の出納保管等については、財政法(昭和22年法律第34号)、会計法(昭和22年法律第35号)及びこれらの規定に基く命令の規定にかかわらず、財務省令の定めるところにより、歳入歳出外として経理しなければならない。

(財務大臣の事務の処理)
第10条 財務大臣は、この政令の規定によりその権限に属せしめられた事務の処理を、財務局長又は財務支局長に委任して行わせることができる。
2 この政令の規定により財務大臣の権限に属せしめられた事務の処理について必要な事項は、財務省令で定める。

(他の法令に関する特例)
第11条 この政令の規定は、外国政府が連合国財産の返還等に関する政令(昭和26年政令第6号)又は連合国財産上の家屋等の譲渡等に関する政令(昭和23年政令第298号)に基き不動産の返還又は譲渡を受ける場合には適用しない。
2 国有財産法の規定は、第8条の2第1項の規定により国が取得し、若しくは賃借し、又は譲渡し、若しくは転貸する不動産又はこれに関する権利には適用しない。

(報告徴収及び立入検査)
第12条 財務大臣は、左に掲げる場合においては、第3条第1項の規定によりその取得又は賃借につき承認を受けなければならない不動産について、外国政府、当該不動産の所有者その他の利害関係人から報告を徴し、又は当該職員をして必要な場所に立ち入り、当該不動産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第3条第1項の規定による承認の申請があつた場合において、調査の必要があるとき。
 第3条第1項に該当する不動産の取得又は賃借が、同項の承認を受けないで行われ、又は行われようとしていると認める相当な理由があるとき。
2 前項の規定により当該職員が、立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、請求により提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

附則 抄

1 この政令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和24年12月23日政令第399号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行し、第9条第4項及び第10条第1項の改正規定は、昭和24年11月22日から適用する。

附則 (昭和25年5月4日法律第141号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (昭和26年1月22日政令第6号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行する。
2 この政令施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則 (昭和26年1月22日政令第7号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行する。

附則 (昭和26年3月30日法律第58号) 抄
1 この法律中附則第3項の規定は、公布の日から、その他の規定は、昭和26年4月1日から施行する。

附則 (昭和27年4月12日法律第88号)
 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。

附則 (昭和27年7月31日法律第270号) 抄
1 この法律は、昭和27年8月1日から施行する。

附則 (昭和54年12月18日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。

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